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ドイツのジン?
最近ジンがじわじわと流行っているようですね。ドイツでもここ数年新しいジンの銘柄が続々と登場しています。日本にも少しずつ入ってきていますね。
でもドイツでジン?と意外に思われる方も多いかもしれません。
ジンはジュニパー(セイヨウネズ)の実を使い、その特徴的な香りがジンのキャラクターを作っています。そのジュニパーですが、ドイツではおなじみの食材で、昔から胸やけの時にお茶として飲んだり、ザワークラウトの味付けや、ザウアーブラーテンなどの肉料理のスパイスとしても使いますし、枝はスモークの材料にもなります。ジンという名前ではないですが、お酒にも使われてきました。
そう考えるとドイツでジンが作られるのも当然と言えるでしょう。
ジークフリート伝説
今回ご紹介するジンはドイツのボンで作られている「ジークフリート」。ジークフリートとは男性の名前ですが、これはかの有名な英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』の主人公。この蒸留所があるボンの近くに、ジークフリートが竜退治をした伝説が残る場所があります。竜退治をした際、ジークフリートは竜の返り血を浴びて不死身の体になるも、菩提樹の葉が張り付いていた背中は血が浴びられず、そこを敵に刺されて死んでしまいます。
菩提樹はゲルマン民族にとって神聖な樹木でした。その菩提樹の花もこのジンの材料の一つとして使われています。キャップに刻印されているのがその菩提樹の花です。
18種類のボタニカルが生み出す繊細で深い香り
伝説の英雄の名がつけられたジンというと、力強い味を想像するかもしれませんが、このジンはとても優しく上品で、でもしっかりと存在感があります。香りもツンとしたところがなく、ジュニパーの他、柑橘やスパイスがバランスよくほのかに漂います。味わいも、アルコールの強さをあまり感じさせず、さらりとしていてほのかに甘味があります。そのままでとても美味しいので、まずはストレートで味わってみることをおススメしますが、もちろん定番のジントニックも爽やかに楽しめます。ジンが苦手な女性にもとてもお薦め。
少し違った飲み方を楽しみたい方は、ローズマリーの枝を入れて。ローズマリーの香りがうまくこのジンにマッチします。フルーティーさを添えたい人はオレンジの皮を加えてみるといいでしょう。
数々の受賞歴も!
2014年に生まれたこのジークフリート・ドライジン、これまでに世界各地で10の受賞歴があります。クラフトジンのシーンを代表する、実力派ジンであることは間違いありませんね。
※掲載情報は 2017/06/18 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ドイツ食品普及協会 代表
森本智子
ドイツ在住11年、日本帰国後はドイツ農産物振興会日本事務所にマーケティングマネージャーとして勤務。2010年同団体の解体を機に独立、株式会社エルフェンを立ち上げドイツ食品・飲料の輸入・販売サポート、展示会の出展サポート・コーディネート、ドイツの展示会、会社訪問のガイド・コーディネート、ドイツ食文化セミナーの開催、ドイツの食の情報発信に関わる活動を行っています。
株式会社エルフェン:http://elfen.jp/
一般向けのイベントではドイツ大使館主催「ドイツフェスティバル」の立ち上げ、運営メンバー。
日本ではただひとり、ドイツ ドゥーメンス・アカデミー認定ディプロム・ビアソムリエの資格を持つ。
なかなか日本では知られていないドイツのおいしい物をご紹介していきたいと思っています。
著作:フォトエッセイとイラストで楽しむ ちいさなカタコト*ドイツ語ノート 国際語学社
ドイツパン大全 誠文堂新光社
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5380