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町人文化に花咲いた江戸時代。“郷土の御菓子”もその一つです。江戸時代には各地でたくさんの個性的な郷土の和菓子が誕生しました。その郷土の和菓子たちはいくつもの時代を超え、人から人へと伝わり、いまでは全国で伝統菓子として私たちを楽しませてくれています。日本の地で育まれた文化のひとつとして、美味しいものを味わいたいという純粋な想いから、絶やすことなく次世代へと伝えたい和菓子を、その愛される理由とともにご紹介します。
1:今もなお人を魅了する美味しい和菓子「赤福」
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江戸時代初期、五十鈴川のほとりでお伊勢参りの休憩処として営まれていた餅屋「赤福」。実はこの頃の赤福は塩味だったといいます。創業から300年、時代とともに材料も変化し、柔らかくなめらかで、甘すぎない今の「赤福」になったそうです。
赤福の波打つ模様は、伊勢を流れる五十鈴川を表現しています。赤福は正に人に愛され、地域に愛され育まれた日本を代表する和菓子のひとつといえます。
古くから愛され続ける赤福は時代が変わっても後世に残したい和菓子です。
2:素材を活かした風味が愛される、昔ながらの“わらび餅”
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老舗の中の老舗、「京懐石美濃吉本店 竹茂楼」定番のお菓子“京わらびもち”。
無添加のお菓子のため賞味期限は3日。それでも、素朴な材料ならではの風味や食感、きな粉ではなく“はったい粉”という麦を炒って挽いた香ばしい粉で食べる昔ながらの味に、「お取り寄せ大賞 和菓子・和スイーツ部門」で金賞を受賞したほどの人気の和菓子です。
数え切れないほどのライバルを差し置いての受賞に、やはり日本人は素材が活かされた味が大好きなのだなと感じさせてくれる日本の伝統のお菓子です。
3:店から店へと受け継がれた貴重な駿河三大名物「兎餅」
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大田南畝の歌に詠まれた「兎餅」。兎餅は十返舎一九の「東海道中膝栗毛」“弥次さん喜多さん”の旅にも出てきます。
兎餅が江戸時代の作品に多く登場するのは「安倍川餅」「追分羊かん」と並ぶ「駿河三大名物」で、お伊勢参りの楽しみのひとつにもなっていたからです。
兎餅のその美味しさは、世襲ではなく店から店へとバトンタッチし受け継がれ、現在は松木屋が継承しています。柔らかさがたまらない兎餅、次の世代にもこの駿河名物をぜひ食べて欲しいですね。
4:日本を代表する愛され和菓子“加賀・諸江屋の落雁”
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古い歴史をもつ“落雁”。落雁は彫刻師が製法に用いる木箱を通して腕を競い合ったり、その美味しさが将軍家大奥の女性たちに人気だったりと、時代が変わっても愛され続ける日本を代表する和菓子です。
金沢にある「諸江屋」も江戸時代後期の創業以来、加賀銘菓 落雁を作り続け、いまにその美味しさを伝える老舗のひとつ。
なかでも加賀藩へ献上したという抹茶を使用した、しっとりとした落雁で餡をはさんだ“濃茶落雁”は抹茶風味の落雁と餡が混ざり合うタイミングが絶妙な伝統の和菓子です。
[紹介記事]
5:時代を超えて親しまれ続けたお団子「羽二重団子」
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庶民のあいだで愛され続ける“お団子”。「羽二重団子」もそのひとつ。江戸時代には街道を行き来する人が立ち寄り、明治には夏目漱石や正岡子規などの文豪も足を運んだという老舗です。
羽二重団子は扁たく香ばしい醤油の焼き団子と、お店の名前の由来ともなったほどきめの細かな餡団子の二種類。
日持ちはせず賞味期限は当日ですが、1本270円という庶民の懐にうれしい値段でこれだけの美味しさを味わえるなら足を運ぶ価値大のお店です。現在本店は改装中ですが、駅前店は年中無休で昔ながらのお団子を提供してくれます。
6:昔ながらの新しい味“豆腐カステラ”
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食文化は地域で愛され育まれてきました。秋田名物“豆腐カステラ”もその代表といえるお菓子です。
中国伝承の豆腐と、ポルトガルの南蛮菓子を融合したもので江戸時代に考案されたといいます。ただ江戸時代には高級品で特別な日にしか食べられなかった郷土の味。戦後に入り家庭でも親しまれるようになり、インターネットの普及とともに今では日本全国で楽しめるものになりました。
“昔ながらの新しいもの”といった感覚が新鮮な豆腐カステラは、豆腐の水気を絞り卵や砂糖をまぜ焼き上げていて甘くてしっとりしています。
7:450日の歳月が生み出す逸品「船橋屋のくず餅」
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江戸時代から“もっと美味しく”とくず餅一筋に力を注いできた「船橋屋」。船橋屋のくず餅は小麦澱粉を木樽で450日も自然発酵させるといいます。素朴な見た目からは想像もつかないほど実は手がかかっています。
黒蜜も船橋屋秘伝の味で、くず餅のもちっとつるっとした食感やきな粉ともマッチし、他では味わえない風味が楽しめます。
くず餅は発酵食品のため健康にも美容にもおススメな和菓子です。どんなに世の中が進化しても次世代に残したいお菓子ですね。
8:愛される理由は味の中に「老舗圓八 あんころ餅」
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江戸時代の創業より石川県では知らない人がいないという老舗圓八(えんぱち)の「加賀名物 あんころ餅」。
圓八は昔ながらの製法と菓子づくりの心を守り抜き、当時と変わらぬ味をいまに伝える老舗の和菓子屋です。
餡の優しい甘さ、しっとり感、石川県産のかぐらもちを使ったふわふわと柔らかいお餅。食べると思わず笑みがこぼれてしまいそうです。圓八のあんころ餅が280年もの長い間愛され続けた理由は、この味のなかにぎっしりとつまっているとうなづける美味しさです。
9:和菓子の醍醐味“見て楽しめる千菓子”「宝ぽち袋
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江戸時代から引き継がれた“菓子見本帳”や“配合帳”、落雁の“木箱”などがいまも大切に保管されているという亀屋良長。
江戸でも名の知れた京菓子の名門・亀屋良安から暖簾分けをしたという亀屋良長は、和菓子は見て楽しみ、味わって楽しむものという和菓子の醍醐味を今の時代に伝えてくれる貴重な老舗の和菓子店です。
昔ながらの落雁を味はそのままに、見た目は今風にアレンジされた「宝ぽち袋 お千菓子」は、より親しみやすく、次の世代へ、またその次へと伝えたいと想わせてくれるお菓子です。
10:儚く溶け、淡く風味広がる“薄氷”5つの味
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薄焼きの煎餅に刷毛で高級和三盆糖を塗った「薄氷」。富山に江戸時代から伝わる伝統菓子です。その名の通り、水面に張る薄い氷のように口に入れるとを儚く溶け、淡く風味が口の中に残る繊細な日本人好みのお菓子です。
その伝統菓子を現代風にアレンジした薄氷本舗 五郎丸屋の「T5」。
“T”とは日本人が重要視する色合いと味“TONE”と“TASTE”を表現しています。5つのテイストは“ゆず”や“抹茶”、“胡麻”など今も好まれるもばかりで、美味しさに時代はないのだと感じさせてくれる、昔ながらの和菓子です。
※掲載情報は 2017/06/13 時点のものとなります。
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