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1630年創業の老舗旅館から生まれたドレッシング!?
温泉旅がリーズナブルに楽しめる時代になった。その先駆けともいえるのが、いまや箱根のリーズナブル宿として知名度抜群の「一の湯」ブランドだろう。一の湯の歴史は、国指定登録有形文化財の1630年創業「塔ノ沢 一の湯本館」が物語る。
高級施設の代名詞である「客室露天風呂」、「客室展望風呂」をリーズナブルな料金帯にして積極導入。クオリティの高さと比して低廉な料金は、多くのゲストから絶大な支持を得ている。
江戸時代から続く老舗旅館はオリジナル商品の開発に積極的だ。老舗=コンサバティブではない柔軟な進取性も一の湯の魅力。本連載で紹介、ベストセラーとなった「しゃぶしゃぶ用鰹醤油だれ」が記憶に新しい。
いま注目されているオリジナル商品が、小田原・箱根地域の事業者と共同開発した「湘南ゴールドドレッシング」だ。稀少性の高い柑橘類「湘南ゴールド」を贅沢に使用した4,000本限定販売の逸品。
神奈川県農業技術センターが12年もの歳月をかけて開発した柑橘類が湘南ゴールド。「湘南ゴールド」は、幻のオレンジとも言われる「ゴールデンオレンジ」と「今村温州」の交配により誕生した。食べやすい大きさとさわやかな香り、そして甘さを実現した神奈川県独自の柑橘類だ。
実から33%しか搾汁できない「湘南ゴールド」の果汁を27.6%も使用してドレッシングは誕生した。果汁は急速冷凍で品質劣化を防止。搾汁当日から発酵がはじまり品質が劣化するためだ。これによりさわやかな香りの保持に成功した。
オリジナル商品には、一の湯の味を自宅でも楽しんで欲しいという想いが詰まっている。箱根をまるごと持ち帰るようなドレッシングならば、温泉旅の思い出もひとしお。老舗旅館の挑戦は続く。
※掲載情報は 2017/05/31 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ホテル評論家 旅行作家
瀧澤信秋
ホテル評論家、旅行作家。All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会会員。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などへの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また、旅行作家としても旅のエッセイなど多数発表、ファンも多い。2014年は365日毎日異なるホテルへチェックインし続ける365日365ホテルを実践中。「365日365ホテル 上」(マガジンハウス)として上半期のホテル旅の記録をホテルガイドも兼ねて上梓した。著書に「ホテルに騙されるな!プロが教える絶対失敗しない選び方」(光文社新書)などがある。