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研究成果をもとに、石川県JAはくいが挑む美容への挑戦
爽健美茶のCMで耳にする「はとむぎ」。爽健美茶の原材料の一種類というイメージを持っている方が多いだろうが、「はとむぎ100%」のお茶がほとんど日本に存在していないことは知られていない。現在、はとむぎ100%のお茶を製造販売しているのは、島根県と石川県のみなのだ。金沢大学では、はとむぎの研究を重ねている。「世界農業遺産」に認定された石川県能登の宝達山のふもとで育った、100%「はとむぎ茶」という貴重な商品をご紹介したい。
その美味しさを確かめるべく、お料理教室のお茶受けとして出したところ「香りがいい。すごく飲みやすくて美味しい。このお茶は何ですか?」と、みなさん驚いて私の顔を見上げていた。私自身、その驚いた表情に、逆に驚かされた。私の祖母は高齢になってから大学に通い、山に薬草を摘みに行って茶葉にするなど、勉強をしていたのだ。そのため、私にとっては祖母から「はとむぎのことをヨクイニン」と呼ぶことなど、話を聞いていたため、身近な食材でもあった。
今回お茶にお出ししたハトムギの美味しさの理由は、深煎りにしていること。温かいお茶としてお出ししたこともあり、ほんわりとやさしい香ばしさが広がるのだ。味にくせもなく、今まで広まらなかったことが不思議なほど、飲みやすい。さらに、ホットでも、クールでも、常温でも美味しくいただけるのがうれしい。
日本においては江戸時代から民間薬として。中国では、古代宮廷料理の代表的食材に用いられるほど、肌の美容効果は知られていた。はとむぎには皮膚の色素や紅斑度を減少させ、透明感のある肌を作り、肌荒れや爪の状態を改善させることが2011年の学会でも報告されている。紫外線が強くなるこれからの季節、シミ対策としておすすめなお茶なのである。
ペットボトルはそのまま、持ち歩き用に。ティーバックは写真のように約5分お鍋で煮出してできあがり。粗熱をとって冷蔵庫へ。私は多めに作ったため、下の写真のように2袋を使った。自宅用と、ペットボトルに入れて持ち歩く用に、多めに準備。
煮出したはとむぎ茶をペットボトルに入れて持ち歩いてみたところ、一日味と香りに変化はなく、美味しく飲み終わった。これからの季節、水分補給の1つとして常備してほしい。
大学の研究結果により、はとむぎの有用物質は70種類以上あるだけでなく、メタボ対策や冷え性対策にも有効であるとされている。つまり年齢問わず、はとむぎの効果は多くの人の生活改善や美容に効果的なのだ。
欧米では、はとむぎの効果はほとんど知られていない。2020年のオリンピックに向け、石川県JAはくいが新しい商品化を進めていく可能性もあるのではないかと、個人的には興味を持っている。
一気に暑さが増し、水分補給をすることも必要となってくる。
これからの季節、美容と健康のためにも是非、冷蔵庫に常備してほしい。
また、味と香りの良さ、商品の希少価値からも手土産に、おすすめの逸品だ。
【出典先】FOOD STYLE21(食品科学研究社)vol.18
※掲載情報は 2017/05/31 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等