1840年代の難破船から蘇った幻のフィンランドビール

1840年代の難破船から蘇った幻のフィンランドビール

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フィンランドとビール、そしてサウナとの関係

フィンランドは北欧に位置していて隣国がロシアということもあり、お酒というと「ウォッカ」を良く飲む国と多く認識されているかもしれませんが、実は大衆的に愛されているのは「ビール」です。 日本ではあまり知られていませんが、実は多くの国産ビール銘柄があります。度数も多種多様でフィンランド国民の多くがビールを愛しています。フィンランドでビールは、勿論レストランで注文することもできますし、街中で購入する場合は「Alko」という専門店やスーパーマーケットで購入するのが通常です。また、流通している形状は小瓶が主流となっており、スーパーマーケットの入り口付近にある専用のリサイクルマシーンに空き瓶を入れると僅かながら小銭が戻ってきます。そんな風景もリユース国家のフィンランドならではだと思います。

1840年代の難破船から蘇った幻のフィンランドビール

フィンランドで皆様にイメージが強くあるのは「サウナ」かもしれません。日本でも根付いている「サウナ文化」ですが、フィンランドはより生活に密着していて、車の保有数とサウナ保有数が同程度と言えば、どれくらいフィンランドにサウナが根付いているかはお分かりになると思います。 日本でも、サウナに入ったあとは冷たい飲み物で喉を潤すシーンを良く目にしますが、フィンランドでは、サウナから上がった後冷たいビールで喉を潤します。ビールと共にソーセージを楽しむのがフィンランド流です(勿論、子供はビールではなく、「JAFFA」という炭酸系の飲み物で楽しみます)。

1840年代の難破船から発見されたビール

1840年代の難破船から蘇った幻のフィンランドビール
1840年代の難破船から蘇った幻のフィンランドビール

今回紹介するビールは、まだ日本未発売ながらとてもユニークな歴史背景を持つビールで、現在、北欧諸国で人気が高まりつつあります。 この商品は、1840年代の難破船が、2010年にあるダイバーによって発見されたことから始まります。そこから引きあげられた5本のビールボトルと168本の歴史的なシャンパンボトルは世界的に有名になり、この沈没船はシャンパン・スクーナー(※)として知られるようになりました。ビールは茶色のガラスボトルにコルクが付いた状態で発見されました。まだ市販の瓶ビールが根付いてなく、木製の樽に入れられて輸送されていた1840年代には、非常に贅沢なものでした。 この発掘後、科学的に分析を行い、分析レポートを元に精巧に造られたのが「Stallhagen historic beer1842,1843」です。アルコール度数は4.5%で非常に飲みやすい味わいです。 近いうちに、日本の皆さんが味わえる機会が来るかもしれませんので、その際はこの歴史を思い出しながら、是非味わっていただきたいと思います。 ※スクーナー船(schooner)とは、2本以上のマストが張られた帆船の一種。

※掲載情報は 2015/03/12 時点のものとなります。

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フィンランド大使館

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ムーミン、サンタクロース、サウナのふるさととして知られるフィンランドは、日本と外交関係を樹立してから間もなく100周年を迎えます。東京・名古屋・大阪から直行便で約10時間。一番近いヨーロッパの国として、季節を問わず日本から多くの観光客が訪れています。ムーミンやサンタクロース以外でも、美しい自然、優れた教育制度や洗練されたデザイン、高い技術力にゲーム産業やスタートアップなど世界から高い関心を集めているフィンランド。2014年にはムーミンの生みの親であるトーヴェ・ヤンソンの生誕100周年、2015年にはフィンランドを代表する作曲家ジャン・シベリウスの生誕150周年、2017年には独立100周年を迎えます。そんなフィンランドの情報を食文化という切り口を中心に皆様にお伝えしていきます。

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