記事詳細
紹介している商品
300年の歴史を誇る紀州醤油の老舗が作り続ける三ツ星醤油
食の多様化で和食離れが進んでいるという声を最近良く耳にします。私は仕事柄、ヨーロッパ方面への海外出張が多く、以前は長期滞在になることもよくありました。そんな日本を離れる期間が長くなればなるほど、恋しくなるのが「醤油」です。
バターやクリームのこってりとした味わいは最初こそ本場の美味しさに感動しますが、時間が経つにつれ、どうしてもさっぱりとした食事が食べたくなります。そんなときに無性に欲するのが「醤油」でした。自分でも気が付かなかったのですが、海外での滞在長くなるほど、「醤油」の香りや味が恋しくなり、いつの間にか醤油が自分にとってほっとする味わいだったことに改めて気が付きました。
かつては小さな容器に醤油を入れて、スーツケースに忍ばせて出張に向かっていましたが、先日滞在していたイタリアのホテルでも、和食レストランだけではなく、小袋の醤油が用意されていて、世界でも和食の文化が息づいているんだなと感じました。
醤油の製造は国内でも様々な地域で行われていますが、是非、お薦めしたい逸品があります。
醤油どころ紀州で300年、人の手をかけた醤油作りにこだわっている堀河屋野村さんの「三ツ星醤油」です。こちらの「三ツ星醤油」はなんと、元禄時代から変わらないという伝統の製法を受け継ぎながら、醤油作りに取り組んでいます。かつての醤油蔵の街並みをデザインした瓶のラベルがその伝統を感じさせます。
原材料は国産の大豆と小麦。仕込んでいく過程も昔と変わらず、人の手で丁寧に行っています。麹付けには4日間、さらに発酵にはふた夏をかけて、天然醸造の昔ながらの濃口醤油が出来上がります。
口にしたときに広がる香りと、旨味。見た目の濃い色とは反して、後味がさっぱりし、切れがあります。刺身などにはもちろんですが、私は牛肉のステーキと合わせるのをおすすめします。まさに、繊細な味わいの和牛にはぴったり。
贈答用には小さな容器のギフト用のものもあり、手土産としても活用できます。こちらは、シンプルなデザインのボトルでそのまま卓上で使用できます。ラッピングも赤、白、グレーのスタイリッシュな包装になっています。
そのほかに、こだわりの商品もあり、まるで古酒のようなパッケージのものもありました。
こちらは、三ツ星醤油の中でも蔵人が「色・味・香り」高きもの厳選し、江戸時代オランダ貿易に使われていた「コンプラ瓶」を復元した容器の中に特別に入れて販売している特選醤油だそうです。
今となってはとても貴重な三ツ星醤油さんの昔ながらの製法で作られる濃口醤油。人手を惜しまず、丹念に仕上げられた香り高く旨味のつまった味わいは是非、お試しいただきたい本物の醤油です。
※掲載情報は 2017/04/30 時点のものとなります。
- 3
キュレーター情報
ファッション評論家
黒部和夫
最大手アパレルでメンズ商品開発室長、プレス責任者を歴任。
日本流行色協会、日本アパレル・ファッション産業協会、日本メンズファッション協会、繊維ファッション産学協議会、ファッション業界4団体の委員を歴任。
服飾に関する豊富な知識と幅広い交友関係を持ち、外見力向上、ファッション教育のスペシャリスト。
プルミエールヴィジョン 「明日のメンズファッションを語る世界の4人」に選出、パリにて世界のファッションジャーナリスト300人に講演。
NY在住の妹、パリ在住の従妹、各国の友人など国際ネットワークによる情報の速さにも定評がある。
欧米のファッション業界関係者から名付けられたニックネーム「カルロ」は国内外のファッション、PR、雑誌業界関係者に広く知られ、社名の由来となった。
(財)日本流行色協会メンズカラー選定委員。(財)ファッション産業人材育成機構 IFIビジネススクール特別講師。青山学院大学など各総合大学で講演多数。学校法人杉野学園ドレスメーカー学院特別講師卒業制作審査委員会委員長。
日経電子版「メンズファッション」にて連載中⇒http://style.nikkei.com/fashion/