【イベント】アンヴデッド・オーナーシェフ森大祐さんに習う春のタルト講座

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「きょうのタルトレシピはお店で出しているものです！」

4月14日（金）、新宿タカシマヤで開催された「ABCクッキングスタジオ×ippinコラボ企画　春のおすすめスウィーツ教室」。ippinのキュレーターとして活躍され、清澄白河にあるEN VEDETTE（アンヴデッド）オーナーシェフである森大祐さんが講師となり、デモンストレーションと実習形式の教室が開かれました。

この日教室に参加したのは14名。ワークショップ形式の少人数での開催ということで、募集と同時に受講チケットが売り切れる人気講座となりました。

今回、森さんが「春のスウィーツ」として選んだのは2つ。可愛いイチゴが飾られた「タルト・フレーズと、爽やかなグリオットチェリーの酸味がアクセントの「タルト・ピスターシュ・グリオット」。

こちらの2つのデザートは森さんの「EN VEDETTE」でも並んでいるタルトということで、なんと教室で使用するレシピもそのまま。まさに、プロのパティシエが作る同じレシピでお菓子作りが体験できるという貴重な機会となりました。

森さんの手元を見ながら、熱心に耳を傾ける参加者の皆さん。時折投げかけられる参加者の方からの質問も、具体的なものが多く、日頃からお菓子作りに親しんでいらっしゃるのが伝わります。

そんな真剣な参加者を前に、森さんも説明に熱が入ります。ひとつひとつの配分や行程に意味のあることを丁寧に解説していきます。普段は何気なく口にしている「タルト生地」ひとつをとっても、「サクッ」とした食感の誰もが心地よく「美味しい」と実感させる状態に仕上げるコツを惜しみなく披露していました。材料選びから配合まで、森さん自身が試行錯誤しながら辿りついたレシピです。

教室では、森さんの説明とデモンストレーションを見た後に、参加者の皆さんが実習していきます。繊細な作業に、皆さんも真剣そのもの。見た目も美しく仕上がるよう細心の注意をはらいながら、仕上げていきます。

チェリーをかたち良く並べたり、クリームをちょうど良い高さに絞ったりと、全ての作業にバランス感覚が重要です。どういう風に仕上げたいのか、森さんの見本を見て、具体的なイメージを浮かべながら慎重に進めていきます。

出来上がった森さんのデコレーション。あっという間に仕上がっていきましたが、上から見てもそのバランスの良さ、アクセントとなっているアシメントリーな飾りつけ、2つのタルトの距離感や並べ方、その感覚の鋭さがにじみ出ているようでした。

森さんのデコレーションを見てさっそく刺激を受けたのか、参加者もフリーズドライしたイチゴや細かく砕いたピスタチオの粒を使って、デコレーションを施していきます。限られた時間の中でしたが、教室の中で多くのことを感じ取りながら、自分自身の作品に生かそうと挑戦する姿が見られました。

最後は待ちに待った試食タイム。先ほどまで真剣な顔で取り組んでいた皆さんも口を揃えて「美味しい～」と、満面の笑みでタルトを味わっていました。講師となった森さんにも「ひと手間かかる行程も、どういう意味があるのかよく理解できました」、「お菓子作りをする時にどんな基準で材料を選べばいいのか分かりました」など、この日の感想をさっそく伝えていました。何よりも「こんなに美味しいタルトを自分で作れた」という自信を得られたということで、これからのお菓子作りもますます楽しくなっていただけそうです。

森さんは、「お菓子作りは材料やレシピや環境がまったく同じでも、決して同じものは完成しない。作り手の思い、そして培ってきた感覚そのものが映し出され、その人だけの『美味しさ』ができあがる」と言います。「参加された皆さんにも今回の教室がひとつのきっかけとなり、『お菓子作り』の楽しさをもっと知っていただけたら」、と話していました。