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銀のスプーンをくわえて生まれてきた子どもは幸せになる
ヨーロッパでは古くから赤ちゃんが生まれた時に、「銀のスプーンをくわえて生まれてきた子どもは幸せになる」という言い伝えがあり、幸せを願って銀のスプーンを贈る習慣があります。かつて、貴重な銀で作られたスプーンはとても高価で「食べ物に困らない、生まれながらにして財産をもっている」という限られた階級の人が持つ富の象徴でもありました。そんな銀のスプーンに願いを込めて、将来にわたりお金や食べ物に苦労しないようにと、誕生祝いに贈られるようになったのです。
今回ご紹介する銀のスプーンは、1830年創業フランスのシルバーウェアの老舗であるクリストフルの「アルビ バースデースプーン」です。バースデースプーンを販売している海外ブランドの中でも、やはり、クリストフルのものは他のバースデースプーンとは異なるシルバーウェアの老舗ならではの哲学を感じさせます。
クリストフルの「アルビ」コレクションはシンプルながらも、重厚感があり、手にしっくりと馴染む自然な形がとても使いやすいコレクション。私も愛用していますが、このアルビ コレクションのティースプーンと同じ大きさで作られているのが「アルビ バースデースプーン」です。
バースデースプーンは、表面にデザインされたリボンに、生年月日・体重・身長を、時計のデザインの中には生まれた時間を、そして裏面には名前を刻印して贈られます。このバースデースプーンは記念品として飾るだけではなく、誕生日や記念日に使い続けていくということに、とても意味があるように思います。クリストフルの「アルビ バースデースプーン」ならば、アルビ コレクションのカトラリーはもちろん、様々なテーブルコーディネートに違和感なく、さり気なくセッティングできるところが素晴らしいのです。
私は外交官だった父がインドネシアに駐在している時に生まれたので、同じく駐在している各国の知人から誕生祝いに魔除けやお守りの意味のある銀製品を頂きました。それは丸い銀盆だったのですが、私の名前とお祝いのメッセージが刻まれていました。そんな私と同い年の銀盆を今でも、記念日やお祝いの席で大切に使わせていただいています。その盆を使うたびに、人生の節目で起きた嬉しいことや楽しいことを思い出します。
バースデースプーンも同じように、それぞれの人生のステージできっと、祝福を受けながら生まれてきた喜びを思い出させてくれる大切なプレゼントになると思います。
銀製品は手入れが必要ですが、その手間を惜しむことなく、手を掛ければ掛けただけ大切な思い出が色あせることなくずっと胸の中にしまっておけるような気がします。
生涯にわたり幸運を約束されるという銀のスプーン。食の空間をエレガントに演出する世界のトップシルバーウェアブランドのクリストフルだからこそ、ずっと使い続けていただきたい、ご出産のお祝いにぴったりのギフトです。
※掲載情報は 2017/03/11 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ファッション評論家
黒部和夫
最大手アパレルでメンズ商品開発室長、プレス責任者を歴任。
日本流行色協会、日本アパレル・ファッション産業協会、日本メンズファッション協会、繊維ファッション産学協議会、ファッション業界4団体の委員を歴任。
服飾に関する豊富な知識と幅広い交友関係を持ち、外見力向上、ファッション教育のスペシャリスト。
プルミエールヴィジョン 「明日のメンズファッションを語る世界の4人」に選出、パリにて世界のファッションジャーナリスト300人に講演。
NY在住の妹、パリ在住の従妹、各国の友人など国際ネットワークによる情報の速さにも定評がある。
欧米のファッション業界関係者から名付けられたニックネーム「カルロ」は国内外のファッション、PR、雑誌業界関係者に広く知られ、社名の由来となった。
(財)日本流行色協会メンズカラー選定委員。(財)ファッション産業人材育成機構 IFIビジネススクール特別講師。青山学院大学など各総合大学で講演多数。学校法人杉野学園ドレスメーカー学院特別講師卒業制作審査委員会委員長。
日経電子版「メンズファッション」にて連載中⇒http://style.nikkei.com/fashion/