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栃木発 Cfaバックヤードワイナリー オープニングアクト甲州
栃木県足利市にて2013年、新たなワイナリーの歴史が始まりました。
それが、Cfaバックヤードワイナリー。
少し変わったワイナリー名には、深い意味があります。
まずCfaとは温暖湿潤気候を表し、これはケッペン※の気候区分のひとつを表す記号。
(※ドイツの気候学者ウラジミール・ペーター・ケッペンが、植生分布に注目して1923年に考案した気候区分)
この気候は実は日本のほとんどの地域が区分されているので、Cfa=日本のぶどう栽培
ということで、日本産ワインを示す言葉としてネーミング。こちらのワイナリーは自社ぶどう畑は持たずに、醸造に特化しています。
そして、バックヤードワイナリーという名には自宅の裏庭(Backyard)のように知り尽くしている他の専門分野、得意分野(清涼飲料水製造業)を持ち、その技術も応用しながら、ワインを作っていくという意味があるそうです。
実は、こちらのワイナリー、清涼飲料水(カキ氷用シロップ、レモンポップ、ラムネ)の製造をするマルキョーさんが 工場内にワイナリーを造られたそうで 文字通り Backyardなわけですね。
今回は、Cfaバックヤードワイナリーの
Opening Act Koshu 2015 オープニングアクト 甲州 2015を紹介いたします。
こちらは、山梨県勝沼産3種の甲州をブレンドしています。
甲州といえば、果皮の色は薄紫色なのが特徴。
果皮の色に反して一般的に甲州ワインそのものは、無色透明に近い色であることが多いのですが、
こちらのワインはしっかりとしたイエローで、少し驚きました。
酸味もきりりとしていて、旨みも感じられるコクのある白ワインです。
白身魚はもちろん、焼き鳥などとも一緒に合わせたいワインです。
醸造家の増子敬公氏は、農大をご卒業後に国税庁醸造試験所を経て、山梨県のワイナリーに勤務。 その後、栃木県足利市の家業㈱マルキョーに勤務する傍ら、地元や山形、北海道、宮崎等のワイナリーの立ち上げに参画された方。
現在もワインメーキング・コンサルティングとしても活動されていらっしゃるそうです。
まさに醸造のプロ。
現在その片腕となっているのは、やはり農大卒の娘さんである増子春香さん。
父娘の本物志向の熱い思いが、ワインに込められています。
ワイン名のOpening Actは「前座」という意味で
自分たちの納得できるワインまでは、この名前を使用されるそうです。
初ヴィンテージは2012年、改名されるのが楽しみな、今後も目が離せないワイナリーです。
そしてこちらは、コルクでもスクリューでもなく栓はヴィノ・ロックを採用。
ヴィノ・ロックはガラス製。
最新の打栓です。飲み終わった後も、また再利用できるのも良い点。
マスカットベーリーAで造られる赤ワインにもこのヴィノ・ロックは採用されていて
それぞれのガラスの色に合わせているところにも、またこだわりを感じますね。
日本ワインのこれからを明るく照らすようなワインです。
是非お試しください。
※掲載情報は 2017/02/18 時点のものとなります。
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キュレーター情報
チーズ&ワインナビゲーター
山田好美
フランスチーズ鑑評騎士/チーズプロフェッショナル。シニアワインエキスパート/上級ドイツワインケナー。フランス愛好家。英仏語講師として活動する中で現地のワイナリー、チーズ生産者を訪れるようになりより確実な知識をと資格取得。現在恵比寿のレコール・デュ・ヴァンにてチーズ講師として初心者から資格を目指している方のお手伝いをしています。またチーズプロフェッショナル協会 チーズ検定講師 ソムリエ協会 ワイン検定講師として 検定を通して幅広い年代の方々へ チーズ&ワインのある豊かな食生活を広めております。近年は国内の生産者にも目を向け ヨーロッパに負けないチーズ&ワインを応援しています。