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貿易の拠点だからこそ生まれた食文化
キューバはカリブ海に位置し、昔からヨーロッパや南北アメリカ大陸とを結ぶ貿易の拠点として栄えました。地理的にもさまざまな文化が集まる場所で、大きく分けて先住民、スペイン文化、そしてアフリカの文化が融合したものが現在のキューバ文化を形成しています。キューバはさまざまな文化の融合で、主にスペインやアフリカの影響を受けた料理が、キューバ料理となりました。主食がお米という所は、日本とも共通します。油と塩で味付けしたもの、「コングリ」と呼ばれる黒豆とご飯を一緒に炊くものなど、バリエーションはさまざまです。スペイン統治時代の名残として、「ポタヘ」と呼ばれる豆のスープや黒豆、白豆、ヒヨコマメを使った料理も多いです。南米の人々は辛い料理を好むイメージがありますが、キューバ人はあまり得意ではありません。お祝い事などがある時は子豚を丸焼きにして食べます。また、先住民からの影響でユカなどの芋類の料理も広く食べられています。 キューバ人はユカやマランガ、サツマイモなどの料理をよく食べますが、これは先住民からの影響が強いです。また、甘くないバナナをフライにして塩をかけた「トストーネ」も食べます。
キューバの食文化に日本人が貢献
60年代から70年代にかけてキューバで広く受け入れられたのは、ピザやパスタなどのイタリア料理。首都ハバナにはチャイナタウンもあり、中華料理も楽しむ事ができます。 過去に日本から移民してきた人もいましたが、日本食はあまり広がりませんでした。ただ、日本人はフルーツや野菜を作る技術に長けていましたので、キューバ料理に使う食材をよりいいものにする事に貢献しました。 また、キューバは海に囲まれ海産物も豊富に採れます。もともと魚を生で食べる文化はありませんが、最近では、すしや鉄板焼きのレストランも徐々に増えてきました。
甘党のキューバ人
チーズと一緒に食べるグアバの羊羹は、キューバでは伝統的なスイーツのひとつです。フランと呼ばれるプリンもココナッツ風味のものが好まれます。もともとスペイン生まれの「アロス・コン・レーチェ」と呼ばれるミルク粥もラテンアメリカの国々ではよく食べられていますが、キューバではシナモンやレモンの皮などをトッピングして香りをつけます。また、年末にはユカやマランガといったおいもをピューレ状にして揚げるドーナッツのような「ブニュエロ」を食べるのが伝統となっています。 キューバでははちみつをよく使います。ヨーグルトに加えたり、ブニュエロなどのお菓子にかけたりもします。キューバのはちみつは自然の中を飛び回っている蜂から採取されたナチュラルでオーガニックなものです。健康のために摂取する人も多く、朝スプーン一杯のはちみつを摂ることは病気の予防と健康維持につながると言われています。
世界に先駆け、有機農業を推進してきた有機大国キューバで採取した「有機百花蜂蜜」。酸味をほのかに感じるさっぱりとした甘さといくつもの花が織りなす香りやコクが、後味にほのかな余韻を残します。蜂蜜を使った料理としては、ヨーグルトにかけたり、肉料理・魚料理にもおすすめです。
※掲載情報は 2014/11/25 時点のものとなります。
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キュレーター情報
キューバ大使館
「カリブ海の真珠」といわれるキューバは、メキシコ湾の入り口とカリブ海に面したキューバ島、青年の島、そして無数の岩礁や小島からなる島の集まりで、隣国には、ハイチ、アメリカ、ジャマイカ、メキシコがあります。気候はトロピカルな亜熱帯性気候で、雨季と乾季の2つの季節があります。
キューバは、まれにみる緑豊かで美しい土地、風光明媚な田園地帯、飛び込みたくなるような暖かく透き通ったターコイズ色のビーチ、そして伝統と香りに満ちた国です。そこではキューバ料理の絶妙な香り、素晴らしいラム酒、モヒートやダイキリなどラムベースの爽やかなカクテル、アロマ豊かなコーヒー、そして世界最高の葉巻の香りが混ざり、思わず体を動かしたくなるリズムの音楽が聞こえます。キューバにはさらに貴重な宝があります。それは人々の多様性です。親切で、ホスピタリティーにあふれ、陽気でフレンドリー、これらが、キューバの素晴らしい所です。
日本の皆さんにキューバをより深く知って頂くために、食を通してキューバの魅力をお伝えしていきます。