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ハチミツにも法律があるドイツ
ドイツではハチミツもよく食されます。パンやヨーグルトに合わせる他、クリスマス菓子で有名なレープクーヘンも元々はホーニヒクーヘン(=Honigkuchen、はちみつケーキ)と呼ばれていました。また、すでにゲルマン人はハチミツでお酒を造っていたともいわれ、ハチミツはドイツ人の生活になくてはならない食材の一つでした。趣味で養蜂家をされる方も結構います。ドイツ人一人頭のハチミツの年間消費量は1キロで、これは世界でもトップに入ります。
現在ドイツにはハチミツに関する法律があります。ハチミツとして流通させてよい製品の定義、ハチミツに加えてはいけないもの、ハチミツの種類などについて決められたものです。例えばハチミツには砂糖その他の材料を混ぜてはいけない、一定温度以上加熱してはいけない(酵素がなくなってしまうため)、などです。そのためドイツのハチミツは安心して食べることができます。厳しい検査を受けて合格したハチミツにはEchter Deutscher Honig(純正ドイツハチミツ)と命名されます。
ドイツには現在約11万5000軒の養蜂家がおり、ドイツ国内消費の約2割を生産しています。2015年のドイツ国内生産量が約2万トン、日本は約2,800トンでした。
ミツバチが蜜を採取する植物はドイツにもたくさんありますが、ドイツのあるサイトの情報によると、ドイツで人気のハチミツは、シロツメクサ、アカシア、夏の花、菜種、リンゴの花、モミまたはトウヒ、だそうです。
ドイツ、ブラム社のブラックフォレストハニー
今回はブラックフォレスト=黒い森のハチミツをご紹介します。
黒い森はドイツ南西部にある針葉樹の森で、これらの樹木から取れるハチミツは色が濃く、味も濃厚なものが多いです。お料理やお菓子にコクを加えたい時や、青かびチーズのようなピリッとした濃厚なチーズに合わせてアクセントをつけるなど、いろいろ楽しめるハチミツです。
1954年創業のブラム社は、2012年国際味覚審査機構(iTQi)にて優秀味覚賞を受賞するなど、定評のあるメーカーで、30以上の国へも輸出している実力派です。
日本には現在6種類輸入されています。ぜひ他の種類も食べ比べてみて欲しいですね。
※掲載情報は 2017/01/23 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ドイツ食品普及協会 代表
森本智子
ドイツ在住11年、日本帰国後はドイツ農産物振興会日本事務所にマーケティングマネージャーとして勤務。2010年同団体の解体を機に独立、株式会社エルフェンを立ち上げドイツ食品・飲料の輸入・販売サポート、展示会の出展サポート・コーディネート、ドイツの展示会、会社訪問のガイド・コーディネート、ドイツ食文化セミナーの開催、ドイツの食の情報発信に関わる活動を行っています。
株式会社エルフェン:http://elfen.jp/
一般向けのイベントではドイツ大使館主催「ドイツフェスティバル」の立ち上げ、運営メンバー。
日本ではただひとり、ドイツ ドゥーメンス・アカデミー認定ディプロム・ビアソムリエの資格を持つ。
なかなか日本では知られていないドイツのおいしい物をご紹介していきたいと思っています。
著作:フォトエッセイとイラストで楽しむ ちいさなカタコト*ドイツ語ノート 国際語学社
ドイツパン大全 誠文堂新光社
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5380