英国のクリスマスに欠かせない「クリスマスプディング」

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家族が集まる大切な日

英国のクリスマスに欠かせない「クリスマスプディング」

12月に入り、街はイルミネーションに彩られ、クリスマスソングがあちこちから聞こえてくるようになりました。日本では、恋人と過ごす日というイメージが強いクリスマスですが、英国では家族が集まってお祝いをする大切な日です。

 

英国のクリスマスのメインイベントといえば、家族でテーブルを囲んで食べるクリスマスディナー。ブレッドソースやクランベリーソース、グレイビーソースと一緒に食べるローストターキーをはじめ、じっくりと焼いたクリスマスハム、ローストポテト、ベーコンに包んだソーセージなど、ごちそうが食卓に並びます。そのディナーを締めくくるのに欠かせない、英国の伝統的なクリスマスのデザートをご存知でしょうか?

1ヶ月以上前から作られるデザート

英国のクリスマスに欠かせない「クリスマスプディング」

今回は、駐日英国大使館 国際通商部 貿易担当 一等書記官 エスター・ウィリアムズさんからお話を伺いました。

 

12月25日のクリスマスに向けて1ヶ月以上も前から作られる「クリスマスプディング」。基本的な材料は、パン粉、スエット(牛や羊の脂)、卵、レーズンやサルタナなどのドライフルーツ、ナツメグやシナモンなどのスパイス、ブランデーやラム酒です。そのレシピは先祖代々受け継がれ、各家庭で材料や調味料の配合が異なります。伝統的にクリスマスの5週間前の、“Stir-up Sunday”(※1)と呼ばれるアドベント(※2)直前の日曜日から準備が始まります。

 

※1 “Stir-up Sunday”とは英語で混ぜ合わせるという意味。
※2 クリスマスの4週間前の日曜日から12月24日までの期間。

クリスマスプディングを作る時の伝統的な習慣

クリスマスプディングの準備は生地を作るところから始まります。材料をボールに入れたら、家族が1人ずつ、願い事をしながら生地をかき混ぜます。その際、必ず東から西へ混ぜることがお決まり。これは、イエスが生まれた時、その誕生を祝福した「東方の三賢者」が東から西へやってきたことが由来とされています。

 

また、生地を蒸す前にもう1つ行われる習慣があります。それは、クリスマスプディングの生地に硬貨(昔は6ペンス硬貨)、指輪、指ぬきやボタンを入れること。切り分けたプディングに入っているものによって、翌年の運勢が決まると言われています。硬貨は幸せ、指輪は結婚、指ぬきやボタンはしばらく独身でいることを象徴します。

 

生地の準備ができたら最後に黒ビールを入れて型に流し込み、5~6時間弱火で蒸します。その後、クリスマスまで1ヶ月ほど冷たい場所で保管し熟成させます。この熟成期間が長ければ長いほど、ドライフルーツが発酵してより味わい深く、おいしくなるのです。

 

青く燃え上がるクリスマスプディング

英国のクリスマスに欠かせない「クリスマスプディング」

いよいよクリスマス当日。クリスマスプディングは食べる前に再度1時間ほど蒸し、ラム酒やブランデーをかけ、火をつけます。クリスマスプディングから青い炎が上がり、幻想的な雰囲気に包まれます。火をつけることでほんのりラム酒やブランデーの香りがプディングにまわり、アルコール分も飛ばすことができるので、お子様も安心して食べることができます。表面が溶けて熱々のクリスマスプディングに、柊の木と実を飾ると完成。濃厚なブランデーバターを添えていただきます。

英国のクリスマスに欠かせない「クリスマスプディング」

伝統的に家庭で作られるクリスマスプディングですが、最近ではクリスマスが近くなるとデパートやスーパーなどでも販売されるようになりました。日本でも英国のクリスマスプディングを楽しみたいという方には、幸せを呼ぶ本物の6ペンス硬貨が付いてくる「コールズ シックスペンス クリスマスプディング」がおすすめです。1939年に家族経営のベーカリーとしてエセックスに誕生したコールズ。現在はプディング専門メーカーで、全商品はすべて手作業で作られています。英国のクリスマスに欠かせないクリスマスプディングをぜひ、ご家庭で味わってみてください。

※掲載情報は 2016/12/09 時点のものとなります。

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駐日英国大使館

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駐日英国大使館、並びに、大阪の英国総領事館は、日本で英国政府を代表する機関であり、日本における様々な英国の利益をサポートしています。当館では、2006年から「A Taste of Britain」キャンペーンを展開しています。2012年には、エリザベス二世女王陛下の誕生祝賀会や、ロンドンオリンピック・パラリンピックを通して英国への注目が高まり、「美味しいイギリス」の今がより広く世界に知られるようになりました。

Food is GREATは、英国政府が2011年から世界に向けて展開するGREATキャンペーンのテーマの一つ。日本では、「Food is GREAT: A Taste of Britain ためしてみて、美味しいイギリス」として、パートナー企業のご協力のもと、英国フード&ドリンクのイベントを開催してきました。また、多くの方々に「美味しいイギリス」を体験していただける機会や、英国の食にまつわる様々な情報をFacebookで発信しています。ご家庭で気軽に「美味しいイギリス」を楽しんでいただけるよう、家庭用レシピもクックパッド「英国大使館のキッチン」で随時ご紹介しております。

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