1年に1回誰にでも訪れる誕生日。身近な友達だと面と向かってお祝いをするのも気恥ずかしいところがあるもの。ですが、お祝いをしてもらえるとやっぱり嬉しいものですよね。そこで、今回は新緑の季節に相応しい、鮮やかな緑が印象的なグリーンスイーツをご紹介いたします。相手の好みに合わせられるように、バウムクーヘンやテリーヌ、ババロアやどらやきなど洋菓子から和菓子など選んでみました。誕生日の当日に食べなくても多少日持ちもしますので利便性もあり、どれもおいしさはもちろん、こだわりが感じられるものばかりですので、誕生日プレゼントに迷ったら、参考にしてみてください。

緑の色も鮮やかな抹茶のバウムクーヘンです。紹介していただいたのは、フードスタイリストのマロンさん。宇治茶の老舗である丸久小山園が特別に選りすぐった抹茶と、バウムクーヘンで有名なユーハイムのコラボレーションで生まれました。抹茶本来の味を最も活かせるように、ユーハイムが配合率を究極にこだわった、「究極の抹茶のバウムクーヘン」。マロンさんは、抹茶入りの煎茶と共に楽しむそうですが、コーヒーや紅茶でも楽しみリラックスできる、バウムクーヘンです。ネットでも購入できるのも魅力です。

こちらも緑の色が濃いスイーツです。ホテル評論家　旅行作家の瀧澤信秋さんに紹介していただいたのはプリンスホテルの最上級グレードである、ザ・プリンス パークタワー東京の【ブーランジュリー トーキョー】の「抹茶テリーヌ」。口に含むとふわっと溶けるしっとりした滑らかな味わいが特徴で、抹茶をふんだんに使用しています。ホテルならではの素材を贅沢に使ったスイーツです。

使用している抹茶がとても由緒あるスイーツご紹介します。【806年（大同元年）に弘法大師空海が唐より持ち帰ったお茶の種子を、この地に播種したのが始まりと云われている大和茶を使用しているのが、【抹茶菓子処ふう】の「大和茶テリーヌ」です。小麦粉を使わず、ホワイトチョコレートと卵、バター、グラニュー糖、牛乳だけで作り、大和茶が持つ本来の風味や苦味、旨味をしっかり感じることができます。予約限定生産ですが、それだけの価値がある一つ一つ手づくりで作られる「大和茶テリーヌ」です。

京都にあるシェフショコラティエの野口和男さんが手掛ける京都のお店、【ニュー スタンダード チョコレート キョウト バイ クオン】。こちらは、各地のデパートに出店したり、チョコレート特集でもとりあげられるなど、チョコレート好きな方の中でも、一目置かれるお店です。中でも色が鮮やかなのが、「京テリーヌ」。その名の通り、抹茶を始め、ナッツやドライフルーツといった王道の組み合わせや、黒豆やほうじ茶といった和の食材を使っています。ここでしか味わえない、チョコレートと和の素材の組み合わせは、ぜひ一度は味わっておきたいチョコレートです。

こちらも抹茶を使用していますが、大変こだわっています。1717年創業の京都にある老舗の高級茶屋【一保堂茶舗】と【ラトリエ・ドゥ・マッサ】がコラボレーションして生まれたのが、この「お抹茶パウンド」。抹茶の比率を0.1%まで計算して作られており、濃茶を飲んでいるかのようなインパクトのある味で、紹介者のフランス菓子・料理研究家の大森由紀子さん曰く、“苦味”と甘さを上手に融合させたスイーツなのだそうです。表面に散らした雪華堂の北海道大納言甘納豆は、お茶にも負けないアクセントが楽しめるスイーツです。

緑の色がとても印象的なのが甘味処【紀の善】の「抹茶ババロア」。抹茶本来の味を凝縮した濃厚な味わいに、生クリームのクリーミーさあんこの上品な甘みが一度で味わえるスイーツです。紹介者のNHN PlayArt株式会社 秘書の大伴さやかさんに、『どんなに行列でも食べたいと思わせてくれる、数少ないスイーツの一つ』と思わせるほど魅力的をもつ、新緑の季節にもぴったりな苦味、甘み、クリーミーさが味わえるスイーツです。

歴史ある店舗の新しい取り組みとして生まれた緑も鮮やかなスイーツを紹介いたします。160年以上の歴史があり、現在の京都府宇治市で宇治茶の製造と販売を始めた【祇園辻利】と大阪の洋菓子店【帝塚山POIRE】とのコラボレーションで生まれたのが、最高級御抹茶猪口冷糖「建都の昔」。【祇園辻利】の最高峰の御抹茶を使用した、クーベルチュールチョコレートに隠し味の日本酒を利かせた、何ともいえない極上のトリュフになっています。

スイーツコーディネーターの松本由紀子さんにご紹介いただきましたが、パッケージはもちろん、トリュフが包まれている紙まで全てが高級感に溢れるので、ここぞというお祝いの時にはぴったりなスイーツです。

万葉集にも登場する「しみじみ・心ゆくままにあれこれと」という意味の、“つばらつばら”の 名前が使われた【京菓匠 鶴屋吉信】の「つばらつばら 抹茶」。紹介者のおもてなし料理コーディネーターの売間良子さん曰く、もっちりとしっとりが一度に味わえる皮に、京都産の宇治抹茶をたっぷり使用した餡の組み合わせは、ついつい次のに手が出てしまうほどの美味しさなんだそうです。世界的に有名なホテルの総支配人の方からオリジナルの「つばらつばら」を頂いたのがきっかけで知ったとのことで、お土産やギフトに選んでも間違いのない、風情あるスイーツです。

色のコントラストが印象に残るのが、山形で江戸時代末期から続く和菓子屋【榮玉堂】の「生どらやき」。常時9種類あり、夕方に売り切れることもあるほどの人気商品なんだそうです。季節ごとの限定商品もありますが、紹介者であるフードジャーナリストのはんつ遠藤さんのオススメが、「宇治金どら」。抹茶生クリーム入りのどらやきで、抹茶の風味と宇治金時の優しい甘さで、和菓子というよりもケーキのような感じの生どらやきだそうです。文翔館などのような歴史的建造物を見たあとは、歴史あるお店が生み出した生どらやきを、味わうのはいかがでしょうか。

パッケージの可愛らしさが印象的な【西光亭】の「クッキー」。多くのキュレーターの方にも紹介していただいている、魅力のあるクッキーなんです。紹介者のBEAMSクリエイティブディレクターの青野賢一さんは、中はほろほろとして柔らかさがあり、なおかつくるみの存在感もしっかりと感じられ、上品な甘さでついつい二つ三つと進んでしまうそうです。その時期や状況に応じてパッケージを選ぶ事ができるので、送る相手にも合わせることができる、使い勝手のよいスイーツです。