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60石の大桶仕込みの醤油
一年に一度だけ搾られる醤油があります。千葉県匝瑳市にあるタイヘイが手掛ける「平左衛門」です。生活クラブ生協に30年以上醤油を提供し、求められる安全安心に向き合い続けています。その強い繋がりから2004年には生活クラブ生協から50石の容量のある新桶を贈られたそうです。
タイヘイの醤油づくりの大きな特徴の一つに、全国でも稀に見る大型の木桶で仕込みをしていることがあります。一般的な木桶は20石~30石(1石=約180リットル)の大きさが多いのですが、関東地方に限って稀に50石~60石桶をみかけることがあります。その巨大な桶が100本以上ならぶ諸味蔵の光景は圧巻で、これだけ立ち並ぶ姿は全国でもここだけだと断言できます。
そのタイヘイが、とことんこだわった醤油をつくろうと数量限定で仕込みをしているのが「平左衛門」醤油です。国産の丸大豆をつかって、自然垂れという搾り方をしています。一般的な醤油の搾り方は大きな布で諸味を包んで何十枚も積み重ねていきます。すると、諸味自身の重みで一滴一滴しみ出てきて、その後に圧搾機で何段階かに分けて圧力をかけて搾りきっていきます。
「平左衛門」は、この最初の自然垂れ部分のみを使っています。正統派ど真ん中の濃口醤油のいいとこ取りをしたような醤油で、毎年11月に限定的に搾っています。
※掲載情報は 2016/01/20 時点のものとなります。
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キュレーター情報
職人醤油 代表
高橋万太郎
1980年群馬県前橋市出身。立命館大学卒業後、(株)キーエンスにて精密光学機器の営業に従事し、2006年退職。(株)伝統デザイン工房を設立し、これまでとは180度転換した伝統産業や地域産業に身を投じる。現在は一升瓶での販売が一般的だった蔵元仕込みの醤油を100ml入りの小瓶で販売する「職人醤油」を主宰。これまでに全国の300以上の醤油蔵を訪問した。