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棒状のマジパンが巻きこまれた魅惑のシュトレン
東京は、いまや世界中の料理が食べられる場所。テーブルの上で、世界各国の料理、世界一周旅行が楽しめます。
今年も、いよいよクリスマスの時期ですね。クリスマスケーキも、料理と同様世界のクリスマスケーキが揃います。フランス、イタリアなど、中でも私のお気に入りは、ドイツのシュトレン。
ドイツでは、地方によりさまざまなシュトレンが作られていますが、アーモンドパウダーを練りこんだものを「マンデルシュトレン」とドイツでは呼ばれています。マンデルは、ドイツ語でアーモンドの意味です。
洋酒と白ワインに漬け込んだレーズン、オレンジピール、シトロンピールなどの大粒のままのドライフルーツを、生地に練り込ませて焼いて、表面にたっぷりの粉砂糖がまぶしてあります。白い粉は、まるで雪のようで、クリスマス気分を盛り上げてくれます。
シュトレンは、ケーキと言うより発酵生地のパン。ケーキ屋さんと言うよりパン屋さんで買える親しみのある素朴なパン菓子。毎年いただいている老舗のパン屋さんのアンデルセンのシュトレンは、おすすめです。
レシピにもよりますが、普通のパンやケーキと違って、かなり日持ちするのも特長です。アンデルセンの「マンデルシュトレン」は、ドライフルーツやナッツ以外にも、マジパンと呼ばれる、アーモンドと砂糖を挽いて練り合わせた甘い餡のような歯触りのお菓子が、棒状になって中心部にたっぷり巻き込まれているのが、最大の特長です。
このマジパンが、コクを増し、しっとり、もっちりした歯触りが生まれます。これが美味。これを食べないとクリスマスは、始まりません。
ドイツでは、クリスマスを待つ間に、シュトレンを、少しずつスライスして食べます。この待つ間というのが、アドベント(待降節)と言って、クリスマスイブの四週間前からイブまでの期間のことです。アドベントの間に少しずつシュトレンを食べるのが、正統派ドイツスタイル。
日ごとにおいしくなる魔法のパン
日ごとにフルーツの風味などが、パンへ移り、熟成が進んで美味しくなるシュトレンを少しずつ味わいながら、楽しみながら、クリスマスの訪れを待ちわびます。シュトレンには、長い歴史と意味があります。食べ方ひとつにしても、お国柄があるんですね。
少しずついただいてもいいですが、クリスマスケーキとして、クリスマス当日にいただいても。そのままでなくスライスして、ラム酒やアマレットなどの洋酒を刷毛で塗って、大人の味にしていただいても、イタリアのパネットーネみたいに、発泡酒やウイスキーなどといただいてもいいですね。
今年は、そんな大人のクリスマスでいきましょう。クリスマスは、シュトレン共に今年もやってきます。
※掲載情報は 2015/11/30 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードスタイリスト
マロン
大阪あべの辻調理師専門学校を卒業し、料理研究家、インテリアスタイリストのアシスタントを経験後、1983年に日本でのフードスタイリスト第1号として独立。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、新聞、広告、イベント、講演会など、あらゆるメディアを通して美味しい料理、料理の楽しさを提案し続けている。経験を生かして、調理器具の開発にも取り組み、現在発売中の「マロンパン24cm」が人気を集めている。レストランのシェフでも、料理研究家でもない、食のエンターテイナーとしてダイナミックに躍進中。長崎県に生まれ、佐賀県唐津で育ち、東京をこよなく愛すも、故郷や地方の食材、料理を紹介。唐津大使を拝命、首都圏と故郷唐津を繋ぐ、お仕事を思索中。活躍は国内にとどまらず、海外、アジア各国でも料理教室を主宰。また、料理以外の、歌でも活躍中。