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タイ最後のイベントは、体験した食文化を自分で作るタイ式の料理教室
タイ食材を巡るツアー最終日のメインイベントは、料理教室。会場はバンコク、高速高架鉄道BTS「スラサック駅」から降りてすぐにある、こちらの「BLUE ELEPHANT(ブルー・エレファント)」。ビルの谷間に突然現れる歴史を感じる建物に目を奪われます。
ブルー・エレファントは発祥がタイではないところがユニークです。発祥は1980年、ベルギーのブリュッセルでした。ヌーロ・ソマニー・ステッペさんがここで高級タイ料理レストランをオープンし、その評判が広がっていき、フランスのパリ、イギリスのロンドン、デンマークのコペンハーゲンを中心としてお店が拡大して行き、ヨーロッパのグルメな方々を魅了し、2002年に満を持してタイでオープンとなります。
そして、ここではタイの宮廷料理スタイルを楽しむことができますが、それ以外の試みも非常にユニーク。シェフの養成コースや一般の方向け料理教室もあります。この料理教室が地元の方はもちろんのことながら、海外からの観光客からも好評とのことで、今回はこの評判が高い料理教室を体験させて頂きました。
参加キュレーターは、建物に入るとまずは写真撮影。歴史を感じる建物内は、シックな調度品で設えてあって、どこを切り取っても絵になります。
その後、早速料理教室が始まると思いきや、参加者は外に向かいます。向かう先はBTS(高架鉄道)の駅。話を聞くと向かい先は市場!
どうやら、市場で今回の料理教室で使う食材を仕入れて、それを使うとのこと。参加者は驚き戸惑いながらBTSに乗り込みます。
目的の駅に到着すると、人ごみを縫うようにして市場に歩いて向かいます。訪れるお店にたどり着くと同行してもらったシェフが、その場で今回使う食材に関して説明を丁寧にしてくれます(英語)。どんな特徴があるのか、どんな料理に使われるのか、そして、試食できるものはその場で味見というライブ感溢れる市場体験に参加者の興奮が高まっていくのを感じます。
途中では、袋になみなみと注がれた甘い紅茶をその場で作ってくれ、参加者全員に配られて、喉の渇きを癒します。この袋で提供されるというのがタイのスタイルでもあり、こういった通常の演出そのものが参加者の笑顔を誘います。
訪れた市場は、専門店が多く、訪れる場所で様々な質問が参加者から出ましたが、一番インパクトが強かったのは、この「スパイス専門店」。中に入ると鼻に突き刺さるスパイスの香りの高さで汗をかくほど。中は薄暗いですが、丁寧に手作業で各種スパイスを調合し、量り売りをしています。1時間程度の滞在でしたが、タイの日常に触れる中身の濃い市場体験となりました。参加者はブルー・エレファントに戻り、この買い求めた材料を中心に、いよいよ料理教室のスタートです。
ブルー・エレファントの料理教室が特徴的なのは、市場体験だけではありません。まずきちんとした座学が着席で行われ、その後デモンストレーション、試食、そして実際の調理になります。座学、デモンストレーションは英語で行われますが、難しい表現はなく、特徴的な言葉は料理名や、食材の名前。それはあらかじめ配られるシートに記載されているので、そこを押さえておくと、レクチャーする先生のユーモアも手助けとなり、すんなり料理に入れます。
座学を行った教室の通路を挟んで用意されていた部屋は、横にずらっと並んで調理ができるスペース。座学、デモンストレーションで学んだ工程をそのまま実際に料理を行っていきます。1品が完成した後は、また部屋に戻って、座学、デモンストレーションを行い、料理を行っていきます。
今回参加者が作ったのは、こちらの4品。4品目には、このツアーを締めくくるかのように、ソムオーを使った「ヤムソムオー」も作り料理教室は終了しました。
その後、場所を移動して、各々が作った料理が一皿一皿配られ、ブルー・エレファントのタイ宮廷料理も卓上に並び、料理教室を振り返りながら大試食会兼ランチとなりました。市場視察から、料理を作る行程を共にしたということもあり、終始和やかにゆっくりと時間が過ぎます。
ブルー・エレファントの料理教室は、まさに今回のツアーを象徴するものでした。今回のツアーは生産の現場から、加工を含めた流通、出口を視察するもの。生産の場に近い市場の買い付けを目の当たりにし、それを基に実際自身で調理を行い、食べる。この一連の流れを体験出来たことに参加者は、高い満足感を得ていました。
一つの料理でも、様々な食材、調味料(スパイス)が使われています。その一つ一つに生産の場所があり、そしてその生産されている物が加工され、流通にのり、販売され、また加工され、ようやく消費にたどり着きます。それは日本国産の物でもそうですが、海外から日本にくるいわゆる輸入品もまた、同様です。「輸入品」という一言で括ってしまうと、この当然な流れがどうしても薄くなってしまう傾向がありますが、口にする前、手に取るときに、この当然な流れを一度イメージすると、いつもの食卓の色が鮮やかに見えるかもしれません。
少なくても、タイの食材にはそれをイメージする価値はあると感じました。「微笑みの国」と総称されるタイ王国。近いうちに「良質な食材を届けてくれる国」というイメージが日本で定着する、そんな確信が持てた素晴らしいツアーでした。
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※掲載情報は 2015/11/17 時点のものとなります。
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