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記事詳細
タイの鶏肉加工に関して学ぶ
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皆さんはタイの鶏肉が日本にかなりの量が輸入されているのをご存知でしょうか?熱処理された鶏肉、いわゆる加工品で考えると、現在輸入されている鶏肉加工品量の約半分をタイ産で占めています。そもそもタイ国内で考えると鶏肉の消費が高く、それを背景として生産量が年々増加傾向にあり、特に輸出額が増えています。加工品の主な輸出先としては、EU諸国と日本が二分されている状況で、EU諸国はムネ肉が、日本はモモ肉が中心となっているのも特徴です。
今回、タイの鶏肉だけではなく、タイ食品全般のオピニオンリーダーとも言われる「CPFグループ」を訪れ、鶏肉加工品の最新事情に触れる機会を得ました。
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CPFグループは様々な分野に分かれていて、農業部門、工業部門、食品部門等があり、今回お邪魔したのは食品部門を司る「CPグループ」。最新工場が設立されたバンコク中心地から車で2時間ほど北東部に位置するサラブリー県へ向かいました。
敷地に入ると目を疑うのが広大な敷地。大きな椰子の樹も植えられていて、ここで鶏肉の加工品が行われているというのは事前に説明がないとわからないくらい、綺麗に整備をされています。そして、入り口を入って一番目立つ大きな看板には「A Warm Welcome Delegation of ippin curators」の文字が!この歓待には参加キュレーターも喜びを隠せません。
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建物の前には、10名以上の方々が我々の到着を待ちかねていたみたいで、皆さんにこやかに、ワイのポーズで出迎えをしていただき、CPのロゴ前で記念撮影。
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その後、大きな部屋に案内をされて目にしたのは、綺麗にセッティングされた長机。一方にはCPグループ代表を含め重役の方々が着席し、反対にはippinキュレーターが着席し、まずはCPグループの説明をビデオを含めながら受けました。
CPグループは現在タイ国内で、4つの工場を所有していて、バンナン工場は1973年、ミンブリー工場は1978年、サラブリー工場は1989年、最新の工場はコラットに2004年に設立されています。CPグループの特徴としては飼料から、飼育、加工、流通全てを網羅できている点。この4拠点で1日に91万羽の鶏が処理され、月に11,000トンもの加工品が生産されています。我々が訪れたサラブリー工場の敷地は24万平方メートルもあるそうで、日本でよく言われる「東京ドーム」で換算すると、実に5.1個分に相当する広さを誇り、5,000人もの人が働いています。
安全面に関しては徹底がされていて、例えば飼料の成長を促進するホルモン剤を使用することなく鶏を飼育しています。工場全体は最新技術で管理をされていて、鶏舎内は機械制御でそれぞれの成長過程に適した温度が一定に保たれています。敷地内でもファームエリア(飼育エリア)が明確に区分されていて、ファーム内に入るためには勿論許可が基本必要ですが、許可があっても入る際は衣服を脱いで、専用のシャワーに入ってからではないと入ることはできません。専用の服も着用が命じられます。
CPグループがタイ国内で初めてコンピューター制御の鶏肉飼育に踏み切った企業でもあり、今では、鶏の体重、鶏舎内の温度、飼料の品質、飲料水の量など全てをコンピューターで管理し、必要な時以外は鶏舎に入ることなく飼育が可能で、1人で15万羽程度の鶏を管理できる状態になっています。加工に関しても最新の技術によって鶏肉の旨みを損なうことなく、細かい形状の加工を行っています。CPグループは、ファーム、飼育場、加工場それぞれがヨーロッパを始めとした国際安全基準規格を満たしています。
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その後、参加キュレーターからの様々な質問にも、CPグループの方が懇切丁寧にお答えいただきました。話によると、現在のCPグループの出荷先別生産比率は海外:タイ国内=35:65程度。日本への輸出も規模が大きくなっており、サラダ向けの蒸し鶏、揚げ物用等の需要が高まっているそうです。トレーサビリティーに関しては、ビデオの説明でもあったとおり、かなり細かく行っており、ロットごとまで追っていくことが可能です。
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その後は、実際に調理された商品や、パッケージを一品一品撮影する時間を設けていただき、会食となりました。
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会食は、着席型スタイルで、CPグループの商品で構成されたまさに、フルコース。提供されたミネラルウォーターのペットボトルにも「CP」のロゴがマークされていて、CPブランドの強さを感じることができます。
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会食を通じてまず感じたのは、加工品レパートリーの豊富さ。前菜から、スイーツまで全てをまかなえるラインナップは驚愕で、参加者も「え、これもCPさんで作っているんですか?」という驚きの声が所々で上がりました。
そして、もう一つ驚きを誘っていたのは、日本人好みの味付け。しつこくなくやさしい味わい。日本への輸出が高まっている理由が、管理面は当然のことで、日本人の繊細といわれる舌を考慮して味付けを考えていることを感じることができました。食べ歩きで、舌が肥えているキュレーターも違和感なく舌に馴染む味を楽しんでいたことは、あっという間に食べてしまった後のお皿を見れば一目瞭然でした。
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この後、今回の視察を記念して先方から盾と、到着した時に撮影した、額入りの記念写真をお土産として用意いただきました。
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今回感じたのは、CPグループの方々の、ホストとしての細かい配慮。入り口の看板もしかり、国旗掲揚、最後のお土産にしてもキュレーターを大事なゲストとしてしっかり最初から最後までもてなしをしようという姿勢をしっかり感じました。
CPFグループは、世界でも5本指に入る売り上げを誇り、年間の設備投資金額は290億円弱にも上ります。大手としての威厳を保ちつつ、触れ合う人には敬意を持って接する。基本的な規律をしっかりと守り、そして寛容性、懐の深さというものが、ここまでの企業として成長をする所以。
皆さんの身近に実は存在する、タイ産の鶏加工品。口にする機会がもしあれば、タイに思いを馳せてみるのはいかがでしょうか?
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※掲載情報は 2015/10/18 時点のものとなります。
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