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濃厚な旨みがふわ~っと広がるしゃぶしゃぶには岩塩がオススメ
古代ローマ帝国時代から愛され続けるスペインの至宝「イベリコ豚」。実はイベリコ豚にはランク付けがあり、最上級ランクの「ベジョータ」と名乗れるのはわずか数パーセント。放牧は1ヘクタールあたり2頭を越えてはならない規定があり、飼育期間は通常の豚の倍以上。ストレスフリーな環境でじっくり時間をかけて、森が生むどんぐりの実を1トン以上食べて最上級ランクのベジョータに成長します。
今回この世界最高峰の豚肉「イベリコ・ベジョータ」を送り出すのは、大阪の石橋商店街で1935年創業、四代続く肉の老舗「イベリコ豚専門店 スエヒロ家」。生ハムやチョリソなどの伝統的な加工品、生肉としてはステーキが一般的ですが、今回ご紹介するのはちょっと珍しいしゃぶしゃぶ。天然の竹の皮で包まれて届きます。
竹の皮を開くと1枚1枚丁寧にシート包装され、何とも美しい切り身がお目見え。鮮やかな赤身には豚肉とは思えない素晴らしいサシが入り、一見すると霜降り牛のよう。脂身は融点が非常に低く口に入れた瞬間溶け出すと言いますが、それは盛りつけの段階で実感できます。室温が高いと脂が溶け出すので、冷蔵庫から出したら盛りつけは手早く、手で触れると体温で瞬く間に溶け出します。
昆布だしにさっとくぐらせ口に含むと、濃厚な旨みがふわ~っと広がり、その違いはハッキリわかるほど柔らかでジューシー。臭みは全くなく、ほのかにナッツのような香ばしさを感じます。
いつものしゃぶしゃぶならポン酢やだし醤油ですが、同封されていたレシピに「岩塩がオススメ」と書かれていたので試してみると、これが絶品!イベリコ豚の風味と旨みがググッと増幅し、余韻も一段と長く堪能できます。
しゃぶしゃぶが食べ終わる頃には、鍋の中に極上のダシが完成しています。ごはんと溶き卵を加え、粗挽き黒コショウをひとふりすると、ダシに溶け込んだイベリコ豚の脂の甘みが引き立ち至福のひととき。これを食べる為に、またしゃぶしゃぶをお取り寄せしたいと本気で思わせる〆ごはんでした。
※掲載情報は 2015/09/26 時点のものとなります。
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キュレーター情報
スペイン料理研究家
加瀬まなみ
埼玉県熊谷市出身、料理研究家。得意分野はスペイン料理の簡単手軽なアレンジレシピと、ワインにあわせたマリアージュ提案。
TV・イベント出演、撮影監修、レシピ開発、商品コンサルの他、オールアバウト『スペイングルメ』ガイド、家ワインコラム『すっぴんワイン』など執筆活動も行う。
著書『フライパンひとつで作る絶品パエリア』、『5分でできた!』シリーズ全7冊、『2ステップレシピ』ほか。