【第4回】クラフトビールに合うレシピ「ベルジャンウィート」×「きつねコロッケ」

【第4回】クラフトビールに合うレシピ「ベルジャンウィート」×「きつねコロッケ」

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おあげの食感が楽しく、旬の香りが広がる

根菜が美味しい季節になってきましたね。今回はサクッとした食感とフワッとした香りの広がり方が楽しい「秋鮭のきつねコロッケ」と、ジャガイモとの相性が抜群の「ハーヴェスト・ムーン ベルジャンスタイルウィート」をご紹介します。

 

秋鮭のきつねコロッケは、東京・高田馬場にある「酒菜 おによめ」(以下、おによめ)のオリジナルレシピです。「パン粉を付けると重くなってしまいがちだけど、おあげで種を包むと食感も油も軽く感じられるんですよ」と、店主の本間淳恵さん。香ばしく揚がったおあげをサクッと噛み締めると、とたんに大豆の甘くいい香りが広がります。その先にあるジャガイモをメインにしたタネが口の中でほぐれると同時に、ジャガイモの香りとほぐした秋鮭の風味がふわっと鼻を抜けて……。ああ、秋も深まってきたんだな、なんてしみじみとしてしまいます。

 

そのままでも十分美味しいのですが、おによめではお醤油とカラシでいただくことを推奨。カラシの風味と刺激が適度にアクセントを与え、醤油はおあげとも鮭とも相性ばっちり。今回、本間さんにお願いしてお塩でもいただいてみましたが、塩は鮭の風味がより強く感じられるような印象がありました。

 

今回こちらに合わせたビールは、「ハーヴェスト・ムーン ベルジャンスタイルウィート」。「ベルジャンウィート」とは、ベルギーで生まれた小麦(ウィート)ビールです。よく知られている銘柄に「ヒューガルデン ホワイト」があります。酵母をろ過しておらず、原料に小麦を使っているため、口当たりが柔らか。ホップの他にはコリアンダー、オレンジピールを使って醸造していますが、苦味はほとんど感じられず、スパイスや柑橘の香りが漂います。

【第4回】クラフトビールに合うレシピ「ベルジャンウィート」×「きつねコロッケ」

醸造元は、株式会社イクスピアリが運営する醸造所、ハーヴェスト・ムーン ブルワリー。千葉県浦安市、京葉線舞浜駅に隣接する商業施設「イクスピアリ」4階にあるレストラン「ロディズ・ハウス」店内にあります。1996年、イクスピアリ開発時に地ビールレストランの設立を計画し、2000年より醸造を開始しました。今回ご紹介しているベルジャンスタイルウィートをはじめとする5種類の定番ビールのほか、季節限定ビールを造っています。個人的には定番「シュバルツ」(黒色のラガービール)の大ファン。こちらはまたの機会にじっくりご紹介させていただきます。

ジャガイモと小麦ビールの相性は◎

さて、ベルジャンスタイルウィートそのものは他の醸造所でも造っているのですが、ハーヴェスト・ムーンにしたのは、「甘味、酸味、スパイスの香りのバランスがよい」という点にありました。まずはジャガイモと相性のよいビールとして「小麦を使ったものがいいな」というアイデアが浮かび、さらに、風味を大切にした秋鮭のきつねコロッケの香りを生かせるビールを考えていたのです。

 

コロッケを一口、そしてベルジャンウィートをいただきます。サクッ、フワッと口の中へコロッケが広がったところに、小麦を主体とした柔らかな甘味とほのかな酸味が加わり、まろやかになって溶けていきました。そして鼻に抜けるコリアンダーとほのかなオレンジの香り。コロッケ単体で食べた時とは違う種類の幸福感が広がっていきます。お醤油とお塩、どちらもビールに合いましたが、お塩はコロッケとビールの甘味を強めに感じられたように思います。

 

ジャガイモと小麦を使ったビールの相性はとても良いのです。これからの季節ですと、ポテト入りのホワイトグラタンなども美味しそう。お料理にボリュームがある場合は、ビールの方にちょっと「引き算」を効かせ、さっぱり目の小麦ビールを選ぶといいですね。

【第4回】クラフトビールに合うレシピ「ベルジャンウィート」×「きつねコロッケ」

<レシピ>
■秋鮭のきつねコロッケ
*材料 <6個分>
ジャガイモ           2個
秋鮭切り身           1切れ
長ネギみじん切り        5センチくらい
白ごま             小さじ1
油揚げ             3枚
塩               少々
爪楊枝             6本
油(揚げ用)           適宜

 

1.. 鮭に塩少々振りグリルで焼いておく(あまり焦げ目をつけない)。
2. ジャガイモは茹でて皮を向きつぶす。
3. 2の中に塩少々、長ネギ。白ごま、皮を取った鮭の実をほぐしながら(骨もあれば取り除く)入れて混ぜる。

4. 混ざったら6等分にしておく。
5. 油揚げを半分に切り袋状にして中にコロッケのたねを入れる(油揚げが破れないように注意)。
6. 油揚げの口を爪楊枝で留め、油で揚げ、爪楊枝を抜いて皿に盛って出来上がり。
  お好みで塩、からし醤油などで召し上がってください。

 

■“おによめ”よりひと言
*パン粉をつけていないのと、ソースをつけずにいただけるので、お子様からご年配の方まで軽く召し上がれる一品だと思います
*“コロッケのタネ”はあまりたくさん入れずに、食べやすい大きさで入れてくださいね

 

■ハーヴェスト・ムーン ベルジャンスタイルウィート
 原材料:麦芽、ホップ、コリアンダー、オレンジピール
 内容量:330ml
 アルコール度数:4.5%
 醸造所:ハーヴェスト・ムーン

 

■酒菜 おによめ
 住所:東京都新宿区高田馬場1-23-14-1F
 TEL:03-6228-0246
 営業時間:火〜金 18:00〜23:30 
 休日:土日月
 https://www.facebook.com/syusaioniyome

※掲載情報は 2015/09/21 時点のものとなります。

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キュレーター情報

野田幾子

ビアジャーナリスト

野田幾子

ビアジャーナリスト/ビアアンバサダー
ビアコーディネーター
日本ビアジャーナリスト協会副会長

1994年にベルギービール、1996年に国産地ビールの美味しさに目ざめ、周りにクラフトビールの普及活動を開始。2007年にビアバー・ビアパブムック『極上のビールを飲もう!』(エンターブレイン刊)の全体構成、執筆、編集を担う。その後ほぼ毎年シリーズを刊行、2014年4月、6冊目「ビールのある日常をより楽しく」を提案するムック『ビアびより』(KADOKAWA・エンターブレイン刊)刊行、編集長。現在、ビール専門誌『ビール王国』に寄稿、編集担当。

クラフトビール入門者向けの講座を開催。
ビールと料理の組み合わせのスペシャリストであるビアコーディネーター(クラフトビアアソシエーション認定)。

2000年よりライター/エディターとして独立。株式会社コラボトリエ代表。
2010年、日本ビアジャーナリスト協会(JBJA)設立。同副会長。

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