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変わらないレトロなパッケージに歴史あり
必ず常備している調味料のひとつがこちら。信州善光寺の門前に店を構える八幡屋礒五郎の七味唐辛子。江戸時代から続く老舗の定番商品です。変わらぬ味とともに変わらぬレトロなパッケージデザインもお気に入り。華やかな色合いのブリキ缶と押印判の紙袋があり、大きく描かれた唐辛子が印象的です。どちらもこのお店の六代目栄助が考案した歴史があるものですが、今見てもオシャレに感じる斬新さ。現代にもマッチする素敵なデザインと言えるでしょう。
特に耐食性や実用性に優れたブリキ缶は、信州ではどこの家庭にもあるお馴染みのもので、私の自宅のキッチンや食卓にも必ずある逸品です。この缶をひと振りするだけでお料理の美味しさがグンと引き立つから不思議。大人になるとその魅力をより一層強く実感します。昔も今も信州の人々の食の楽しみを広げてくれる和風の万能調味料。信州で長年愛されてきた伝統の風味は格別で、今では全国にもファンがたくさんいるようです。
秘伝の調合が生み出す信州定番の和スパイス
江戸時代に誕生した七味唐からし。七色唐からしとも呼ばれ、唐辛子を主体とした7種類の原料を組み合わせた混合香辛料のこと。いわゆる日本を代表するミックススパイスです。素材の組み合わせや配合に決まりはなく、それぞれのお店の個性が表れます。
八幡屋礒五郎で調合される七つの素材は唐辛子、山椒、生姜、麻種、胡麻、陳皮、紫蘇の七味。唐辛子の刺激的な辛味をベースに、清涼感ある辛味と香りをあわせ持つ山椒と生姜、特有の風味や香りが特徴の麻種、胡麻、陳皮、紫蘇がアクセントとなり、しっかりとした辛味と香りが広がります。バランスのとれたこの絶妙な風味はどんな料理や場面でも引き立て役として大活躍。シンプルな日常の食卓に満足感をプラスしてくれる存在です。
地元の素材にこだわって調合された七味唐からしは、信州の郷土料理には絶対に欠かせないもの。信州蕎麦や信州産野菜を使った料理との相性は抜群です。
鍋物やお味噌汁、季節野菜のきんぴら、漬物などをはじめ、焼魚や煮魚、天ぷら、唐揚げ、丼物など和食には必須。また中華やイタリアンなどにも使えて便利。エビチリ、麻婆豆腐、トマトソースのパスタ、お肉のグリルにもおすすめです。東南アジア系のサラダや焼きそばにプラスしても納得の美味しさ。ポン酢と合わせたり、オリーブ油やごま油と合わせたりすると活用の幅も広がります。
上品な風味のお料理に、香りを楽しむ「ゆず七味」
定番の七味唐からしにゆずを加えたゆず七味もおすすめ。辛味のなかにゆずの香りと風味が広がる爽やかな風味は、薄味で上品なお料理にもピッタリです。お出汁のきいた関西風うどんや塩味の鍋物などに。暑い夏にはそうめんや冷奴にも。あっさりした浅漬けに少々振るだけで、全体の味わいが一気に引き締まります。
銀座NAGANO 限定のレアもの「銀缶」
銀座のすずらん通りにある銀座NAGANOで販売されている銀缶。信州の素晴らしい特産品がずらりと並ぶそのなかで、キラリと光る銀の缶は長年の愛好者にとってはまさにレアもの。なかみは定番の七味唐からしと変わりませんが、昨年銀座NAGANOがオープンに合わせて登場した通称銀缶は、銀座NAGANOと長野市の本店の限定品です。
素敵な記念日に「アニバーサリー缶」
七年に一度の善光寺御開帳や北陸新幹線開通記念など、大きなイベントごとに発売される限定デザイン缶にも注目。
また結婚式やパーティーの記念にオーダーメイドのアニバーサリー缶を作ってもらうのもおすすめです。名入れやお好みのデザインをプリントしてもらえるオリジナル七味缶で、大切な記念日を想い出に残してみてはいかがですか?
これからもずっと隣に置きたい故郷の味、八幡屋礒五郎の「七味唐からし」。
※掲載情報は 2015/08/13 時点のものとなります。
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キュレーター情報
シニア野菜ソムリエ
KAORU
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第一号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐほか、主にTV・ラジオ・雑誌などで活躍。またセミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業ともコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(ともに誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。