本格的な夏が到来して、登山やハイキングに行く方も多いと思います。登山の楽しみ方はいくつかありますが、大自然の中で食べる食事もその一つではないでしょうか。なるべく軽量にするため、荷物をふやさず手間もかからず用意をする必要がありますが、今回はいつも入れているものと差し替えるだけでより美味しく贅沢になる登山で食べたい缶詰、インスタントラーメン、レトルトカレーを紹介します。いずれも手軽に食べられる食材ですが、その素材とお味はちょっと特別、自然の中でも大いに「グルメ」を楽しみましょう！

フランス語のCa va?(サヴァ)＝元気? に掛けた「Ca va?(サヴァ)」缶は、岩手県の沿岸地域で水揚げされたサバをオリーブオイル漬けにしたものです。バゲットはさんだり、そのまま食べるなど色んな料理に応用ができる缶詰です。キュレーターのアートディレクター・食文化研究家の後藤晴彦（お手伝いハルコ）さんは、白ワインやウィスキーのアテでも充分いけますとのことですので、リッチなサバ缶をいただきながら、ヤマで一杯いきたいものです。

冬の狩猟のシーズンでしか味わうことができなかったジビエが、とうとう缶詰でより手軽に食べられるようになってきました。こちらの缶詰は、世界的にも有名なフィリップ・バットン氏が監修しており、「ホロホロ鶏のフリカッセ」、「鹿肉の赤ワイン煮込み」、「鹿肉ソーセージのポトフ」の3缶がラインナップされています。味は言わずもがなですが、本場フランスのホロホロ鶏、岡山で獲れた野生の鹿が使用されているなど本格的です。仲間と一緒に登るときなどに、話のネタにも使えるジビエ缶、今度の登山のお供にいかがですか？

FoodWatchJapan 編集長の齋藤訓之さんが紹介してくれたのは、珍しい国産のオイルサーディン。このオイルサーディンは、化学調味料も使用せず、九十九里産イワシを頭と内臓を除いてから乾燥させ、焼きを入れて香りを出してから、手作業で詰めてからエキストラバージンオイルで煮込まれて作られています。味も、元のイワシを想像できるくらい太ったイワシを食べているような食感が楽しめ、濃縮された味がしっかり。あまり手間がかけられない登山ですが、味に特徴があるこんなオイルサーディンなら、それだけで主役級です。

最近では軽量でお湯を沸騰させる道具もあるため、登山用ではなく普段食べているインスタントやレトルト食品を持ち込む方も多いのではないでしょうか。いつもの銘柄もいいですが、少し気分を変えた麺のチョイスも楽しみたいもの。ippin編集部から、2つをご紹介します。まずは北海道は札幌「円山動物園」の白クマ（ホッキョクグマ）の繁殖を応援するために作られたラーメン、「円山動物園白クマラーメン」です。麺はレトルトとは思えない生ラーメンを48時間かけて乾燥させた本格派で、スープも爽やか。キギ・KIGI代表　アートディレクター 植原亮輔さんおすすめの味わい方は、あっさりして絶妙な塩加減をより味わうために、「最初は具を入れずに是非スープと麺だけで本来の味を味わってほしいです」とのこと。生ものなども持ち込めない夏の登山では願ったり叶ったりですね。

最後は、あの有名店のレトルトカレーを紹介いたします。紹介者のナイルレストラン3代目のナイル善己さんが紹介してくれたのは、東京3大カレー屋さんのひとつ「デリー」のレトルトカレー。種類も定番のインドカレー、カシミールカレー、ベンガルカレーなどお店でも食べることができるメニューがラインナップされています。具材を追加すればより美味しくなりますが、ものが少ない登山でもそれだけで美味しく食べられる、カレー好きであれば誰もがうれしいレトルトカレーです。たまにはこんな贅沢もいかがですか。