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「木桶は最高の醸造容器」伝統を守り続けるヤマロク醤油
高松港から高速艇で約30分。小豆島のキラキラ光る夏の海を横目にドライブしていると、まるでタイムスリップしたかのような昔ながらの醤油蔵が立ち並ぶ情緒溢れる街並みが広がります。「醤の郷(ひしおのさと)」と呼ばれるこの地域では、今も昔も自然の力を借りながら手間を惜しまないお醤油づくりが行なわれています。
このメイン通りからくねくねと小径を入った先に、「ヤマロク醤油」さんがあります。地元の方から“是非観に行って欲しい”とおすすめしていただいたこちらの蔵。少々わかりにくい場所にあり、私がおじゃました時間は比較的早朝だったにも関わらず、すでに見学の方で賑わっていて、その人気が伺えました。
香ばしい香りに包まれながら、蔵の奥へと案内していただくと立派な木桶がたくさん!!その数なんと62本。圧巻です。
木桶の表面をよく見ると……ボロボロ?!と思いきや、このビッシリくっついているのが、濃厚でまろやかなお醤油を育ててくれる微生物(酵母菌と乳酸菌)!
さらに木桶たちを上から見ることもできます。
五代目の若旦那さんが丁寧に説明をしてくれたのですが、お醤油のもととなる「もろみ」を約2年半から銘柄によっては約4年間、ここで熟成させるのだそうです。これを搾ったものがお醤油になるわけですが、タンクではなく、木桶で作られるお醤油は生産量の1%未満なのだとか。
さらに、木桶での製造には深刻な問題も……。この木桶自体を製造できる桶屋さんが、現在では全国に1ヵ所のみとなってしまっていて、現在使われている醸造用の木桶は戦前に作られたものがほとんどなため、50年後にはほぼすべての木桶が使えなくなってしまうとのこと。このままでは「日本食の基礎調味料の本物」が無くなってしまう!と危惧した若旦那さんは、この桶屋さんに弟子入りをして、なんと新桶を3本製造することに成功されたんだそうです。
子や孫の世代にも木桶仕込みの本物のお醤油を残したい、そんな熱い想いの詰まったヤマロク醤油さんのお醤油。実際に、4銘柄を味見させていただいたのですが、それぞれ個性があって本当に美味しくて全銘柄その場で購入させていただきました。
うちの醤油はちとちがう!と自慢したくなりますね(笑)。お料理するのが楽しみです。
そして最後に、「醤トマト」をいただいて帰りました。これは、醤油を搾ったあとに残る副産物「醤油粕」を堆肥につくられたもの。味は濃厚ながら、とてもみずみずしくて、暑い日差しに負けない清涼感をいただきました。
これからも伝統を守り続けて、美味しいお醤油やお野菜を作り続けていただきたいです。
※掲載情報は 2015/08/09 時点のものとなります。
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キュレーター情報
秘書/プロ雀士
高橋慧
音楽関連会社での宣伝・PR経験を経て、現在はベンチャー企業で社長室室長として勤務。そのかたわら、趣味ではじめた麻雀の魅力にはまり、麻雀歴4年で日本プロ麻雀連盟所属のプロ雀士に。
猫と美味しいものをこよなく愛しており、摂取しすぎたカロリーを消費するため、トライアスロンチーム「K-NEXT」にも所属。
好奇心旺盛さを活かした、人を笑顔にする美味しいもの、素敵なippinを発信中。