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白醤油とは
白醤油というお醤油をご存じでしょうか?主に愛知県の碧南市で使用されているお醤油なのですが、その名の通り、黒くはなく、白いのです。通常、醤油は大豆をメインに作られていますが、この白醤油は、小麦がメインです。よって小麦の甘さと香りが特徴的なとても甘さの優しいお醤油です。
色をつけなくないお吸い物や卵焼きはもちろん、私は煮つけなどにも使用します。小麦の甘さが、素材の味を引き立ててくれるのです。
たとえば、鯛やイカのお刺身。濃口醤油をつけてしまうと、お醤油の味のほうが刺身の味より勝ってしまうことがありますが、白醤油は、そんな鯛の甘さも引き立ててくれます。
究極の白醤油を作りたくて……
さて、今回ご紹介する「しろたまり」ですが、実は正確に言うと、醤油ではありません。
醤油と名乗るには、大豆を使用しなければいけないのですが、「究極の白醤油」を作りたいという日東醸造さんの先代の想いから大豆を一切使用せず、国産小麦の小麦麹を通常の二倍(日東醸造比)も使用し、伝統海塩「海の精」を使って、さらには、究極の天然水を求めて三河の山奥に蔵まで作ってしまい、なんとも素晴らしいストーリーと共に誕生したのです。
究極の白醤油を!!と、追求した結果、「醤油」とは名乗れなくなったという、なんとも皮肉な結果ですが、ここまでこだわると、むしろ「しろたまり」は醤油ではなくて当然なのかもしれません。
醤油であって、醤油でない、「醤油」とは全く別の調味料としての地位を確立しているのです。そんなふうに思える素晴らしい調味料がこの「しろたまり」です。
私の主催する魚料理教室は、この「白たまり」がよく登場します。まずはそのまま舐めていただくと、お醤油とは思えない「甘さ」に驚かれると思います。
お土産にも喜ばれますので、是非一度試してみませんか?
※掲載情報は 2015/07/28 時点のものとなります。
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キュレーター情報
魚料理研究家
是友麻希
一般社団法人さかなの学校 代表理事
発酵ライフ推進協会 代表
国内外からの客人の多い家庭で育ち、幼少より料理に慣 れ親しむ。 その後、聖心女子大学時代には日本史学部にて「日本の食文化」研究に勤しみ、卒業後、「銀座すしもと」にて日本料理と魚料理の基礎を学ぶ。 2005年より魚専門料理教室「Ristorante我が家」を主宰し、生徒数3000人を超える予約の取れない料理教室として多数メディアに出演。
その後、東京農業大学と共に発酵食品の研究を重ね、発酵食文化研究家の第一人者として活躍し、 発酵食品の継承のため、講演会や講師の育成に力を注ぐ。 その他、地域特産品開発アドバイザーとして新商品・レシピの開発支援に力を注ぎ、全国で講演会やセミナーを多数開催。
「cheeza」 (江崎グリコ)や「まる」CM料理(白鶴酒造)などの開発に関わる。 2017年5月 東京丸の内にて、発酵と魚の飲食店「にっぽんのひとさら」をオープン。
著書に「今日の発酵食ごはん」(ワニブックス)・「うま味レシピ」(日東書院)「酵素いきいき生甘酒」(主婦の友社)などがある。