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素材の味を一番感じていただける醤油を目指して
兵庫県龍野市は淡口醤油の一大産地です。西日本ではお馴染みの淡口醤油ですが、関東ではあまり浸透していないかもしれません。もっと淡口醤油を使ってもらうにはどうしたらよいか……?この地で100年以上淡口醤油をつくり続ける末廣醤油の末廣卓也社長は、日々考え続けていたそうです。
そんな折、ふとこんな光景を目にしたそうです。「ある料理屋さんで塩をかけて食べさせている姿を目にしたのです。なんてことのない光景ですよね。ただ、塩で食すと素材の味がよく分かる。あぁ、そうだ、淡口醤油は塩見が強くてうま味は少ない。これは素材の味を一番感じていただける醤油になれるのではないか?!」これで、つけ醤油として使っていただく淡口醤油、というコンセプトが決まったそうです。
淡口醤油の良さは色の綺麗さで、醤油としての主張は控えめでそのまま舐めるとしょっぱいのが特徴です。良い面を保ちつつ、しょっぱさを抑えて素材の味を引き立てるバランスを見定めることが課題になりました。そこで頼ったのが米麹。甘酒などは米麹の力で甘みがでてくることをご存知の方は多いと思いますが、これを応用できないかと考えました。通常でも甘酒を加える淡口はありますが、より多くの量を使い、淡口醤油で甘酒をつくるような製法によって理想の味の実現に挑戦したのです。
※掲載情報は 2015/07/20 時点のものとなります。
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キュレーター情報
職人醤油 代表
高橋万太郎
1980年群馬県前橋市出身。立命館大学卒業後、(株)キーエンスにて精密光学機器の営業に従事し、2006年退職。(株)伝統デザイン工房を設立し、これまでとは180度転換した伝統産業や地域産業に身を投じる。現在は一升瓶での販売が一般的だった蔵元仕込みの醤油を100ml入りの小瓶で販売する「職人醤油」を主宰。これまでに全国の300以上の醤油蔵を訪問した。