東京の観光名所は数あれど、後楽園の「東京ドーム」を訪れる方は多いのでは？いわずと知れた野球のメッカですが、野球ファンならずとも空気の圧力差で屋根膜を支える独特の構造の建造物には一度は中に入って体験したいもの。この「東京ドーム」を中心とした「東京ドームシティ」は、東京のど真ん中にある天然温泉として知られる「スパ・ラクーア」、絶叫マシンから伝統の戦隊ヒーローショーまで、魅力たっぷりの都市型テーマパーク「東京ドームシティーアトラクションズ」など、子どもから大人まで楽しめる一大スポットです。しかし、せっかくここを訪れるならその周辺に密かに点在する名店のグルメもお見逃しなく！ドーム周辺はどこか懐かしく、古き佳き東京の雰囲気を今に伝える、確かなグルメが揃っている穴場でもあります。久しぶりに東京へ遊びに行く方や野球観戦で東京ドームを訪れる方も、日頃の疲れをスパで癒しに訪れる方も必見！今回は東京ドームからのアクセスも便利な周辺のおいしいグルメスポットをまとめてご紹介します！

その名のとおり、東京ドームの目の前にある高層ホテル。ホテル内にも数々のレストランがありますが、そのなかで意外にもテイクアウトができる絶品グルメがあります。宿泊客の利用も多い老舗中国料理店の「後楽園飯店」の人気メニュー、「フカヒレ姿煮入り汁そば」がそれ。あのミスター、長嶋茂雄氏が現役時代に来店、ラーメンにフカヒレを乗せてくれというリクエストで生まれたという伝説のメニューとして、ジャイアンツファンにはお馴染みでもあります。このフカヒレそばを自宅でも楽しめるようにしてほしい！という常連客たっての希望を叶えた格好で、味わいと鮮度絶対重視の生麺、要冷蔵タイプという、テイクアウト商品ながら一切の妥協を許さず、お店と同じ味わいを忠実に再現したこだわりの「宅麺」です。

東京ドームの下車駅のひとつ、都営三田線の春日駅のお隣白山駅にある、地元のお肉屋さん然としたお店、「肉の竹井」。この界隈に暮らし、誰よりも熟知しているのが料理記者歴60年を誇る岸朝子さんがホームパーティーの手土産や、お孫さんたちが集まるというときに必ず用意するというのが、「どんな有名レストランやホテルにも負けない味」と絶対の自信をもっておすすめの「ローストビーフ」。お肉屋さんの真骨頂たる、自分の目で見て納得した品だけを仕入れるというこだわりの和牛、その赤身部分、ももやランプをゆっくりと焼き上げたローストビーフは、やわらかくジューシー、肉本来の旨みが存分に楽しめる仕上がりです。

東京メトロ丸の内線の後楽園駅のお隣、本郷三丁目駅から少々歩いた住宅地の真ん中にある至って地元のお店、オザワ洋菓子店。1964年の創業からこの地に根ざした家族経営を続ける街の洋菓子屋さんです。パティシエというより職人という表現がぴったりの白衣と白帽に身を包んだ先代と2代目がいつもと変わらず作り続けるのが、丸ごとフレッシュ苺に生クリームを盛ってチョコレートでコーティングした名作、「イチゴシャンデ」。土台のクッキーはサックリ、「形はミニマムなのに完成度はマキシマム」とスイーツ番長もベタ褒め。誕生して30年以上経ってもキラキラと輝いています。

都営三田線水道橋駅のお隣、神保町駅は言わずと知れた古本屋とアウトドアショップが連なる東京でも個性的なエリア。ここに岸朝子さんが足繁く通う和菓子店「さゝま」があります。岸さんがこのお店を訪れるのは、「四季折々に見ているだけでも楽しくなるような美しい和菓子を提供」しているお店だから。なかでも手土産として愛用されているのが、皮に松葉の模様をあしらった「松葉最中」です。パリッと香ばしい皮と、北海道十勝地方産の小豆を使用したあんを組み合わせた上品な味わい。繊細な和菓子は消費期限は当日限りか長くても翌日までということが多いですが、この最中は5日間。安心して大切な相手へお渡しできます。

丸の内線の後楽園駅の2つお隣、また神保町のお隣、都営新宿線小川町駅からも程近い淡路町。神田・御茶ノ水・秋葉原に囲まれたこの界隈、実は見逃せないいなりずしの名店があります。「神田志乃多寿司」は1902年（明治35年）創業。甘めに煮た油揚げのなかには、口にするとほろほろと崩れて味が広がる酢飯にシャキシャキした食感も楽しい蓮根がアクセント。創業した頃の油揚げを再現した、大ぶりの「昔いなり寿司」のチェックもお忘れなく。

もう1店舗、淡路町に行ったら立ち寄りたいのが「近江屋洋菓子店」。高い天井で開放感たっぷりのこのお店の持ち味は古き良き洋菓子、飾らない昔ながらのケーキやパンは子ども時代の記憶を呼び覚ましてくれます。日々クリエイティブな世界に身を置かれているサカキラボ所長、サカキテツ朗さんが愛するのも、そんな安心感。このお店からおすすめされているのは、季節の果物が10種類ほど入った「フルーツポンチ」。

「リーズナブルだけどチープではないものを気楽に買える。子どもたちが冷蔵庫から手づかみでかぶりつくところを考えて、材料は最高のものをおしげなくふんだんに使う」というのもこのお店のポリシーを感じさせてくれます。幅広い年齢層に喜ばれる、鉄板手土産品です。