【クローズアップ】イタリア人のイタリア料理研究家 ベリッシモ・フランチェスコ

【クローズアップ】イタリア人のイタリア料理研究家 ベリッシモ・フランチェスコ

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イタリア料理研究家 ベリッシモ・フランチェスコさん

 

ローマで生まれ育ち、20歳の時に日本へ訪れたベリッシモさんは、日本でも珍しいイタリア人のイタリア料理研究家。日本語を自在に操るトークと魅力的なビジュアルは、女性ファンの心を掴むばかりでなく、老若男女を問わず様々な世代の人たちに向けた講演でもひっぱりだこ。テレビ番組のレギュラー出演や雑誌連載も多く、マルチな活躍をしています。そんなベリッシモさんに、日本を訪れたきっかけ、日本料理とイタリア料理についての思いを伺いました。

活動の場として日本を選び15年

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Q: ベリッシモさんは現在、イタリア料理研究家としてどのような活動をしていますか?

 

ベリッシモさん:レストラン経営以外の「食」に関するあらゆる仕事をしています。日本に来た最初の頃から続けている料理教室、料理イベントの企画、全国各地から講演活動の依頼もありますし、企業とのコラボによる商品開発、テレビや雑誌、Webといったマスメディアへの出演、私が考案したメニューを味わってもらうディナーショーも行っています。

 

Q:料理教室は毎回予約でいっぱいだと聞きましたが、どのような内容なのですか?

 

ベリッシモさん:僕の料理教室は女性限定なんですよ。それは最初から変わりませんね。先日、ミニスカートで参加すると受講料が1000円割引するという「ミニスカート割引」を実施したところ、ほとんどの受講者がミニスカートで参加してくれました。僕が女性が好きということもありますが、参加する人たちも他の料理教室にはない楽しさを感じてくれたようです。教えているのは、普通のスーパーで売っている食材を使ったイタリアンです。イタリアンをベースに東南アジア風、和風のアレンジを加えた創作性の高い料理も多いですね。そして料理だけでなく、イタリアの歴史や文化も一緒に伝えるようにしています。

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Q:イタリアから日本に来たのはいつ頃、何がきっかけでしたか?

 

ベリッシモさん:大学生の頃に、留学生として日本へ来たのが最初です。当初の予定は半年程度だったのを、延長して2年間滞在しました。やがてお金を得るために料理教室を開くようになりました。日本は女性が美しくて、食べ物も美味しくて、当時のヨーロッパに比べてチャンスも多いと感じ、日本で活動していくことに決めました。目の前の選択肢のどちらを選ぶべきかと考えた時に、不況に向かっていくイタリアよりも可能性を感じたのが日本だった、ということですね。僕はローマで生まれて20歳まで過ごしました。家から歩いて7分くらいの距離にコロッセオがあるような場所です。日本では飲食業界にイタリア人は意外と少なく、イタリアで修行をしたという料理人は多くても、20年間イタリアにいたという人には会ったことがありません。僕は子供の頃からの経験でイタリアを語ることができます。そういう意味でも、日本で他の人にはできないことができると考えました。

今ある良いものを、さらに磨いて輝かせるために

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Q:ベリッシモさんは「イタリアと日本の架け橋」として、どのようなことを意識していますか?

 

ベリッシモさん:2つの国の交流というのは、もはや当たり前のことだと思っています。もっと国際的な視点で考えるようになっていますね。今のままでは日本の飲食業界は、外国との競争に負けてしまうと思うのです。これからますます世界と勝負しなければならなくなった時に、日本とイタリアの二つの文化や技術を融合させれば、より強くなれるはず。例えば、一般的に日本の飲食店はサービスが良いと言われていますが、もっと良くするためのアイデアが僕にはたくさんあります。料理は国際的なもので、国境を越えて受け入れられるもの、ジョークよりも人を笑顔にできるものです。そんな料理という文化を通して、世間に役立つサービスに取り組んで行けたらと考えています。

 

 

Q:日本料理とイタリア料理の共通点はありますか?

 

ベリッシモさん:やはり細長い島国で、周りに海があって火山もあり、地域によって異なる食文化を持っているところが共通していると思います。それと、実は料理業界はまだまだ閉鎖的で頑固な人が多い、というのも日本とイタリアは似ていますね。みんな自分の料理が世界一素晴らしいと思っているんです。でも、それでは成長が止まってしまいます。どんなに素晴らしいものでも完成することはありません。素晴らしいからこのままで良いのではなくて、超一流とは、それを磨いてさらに上のレベルを目指すことだと思っています。そう言えばつい先日、イタリアで初めて日本酒造りがスタートしたというニュースが飛び込んできました。イタリアには「リゾット」という米料理が昔からあるのに、米でお酒を造るという文化はなかったわけです。これはとても興味深いことですね。

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Q:ベリッシモさんが日本に来た15年前と比べて、日本のイタリア料理はどのように変わりましたか?

 

ベリッシモさん:日本のイタリアンレストランのレベルは上がっています。日本のイタリア料理には3タイプがあって、一つは和風にアレンジされたもの、そして現地の味に近づけようとしている本格的なもの、もう一つは創作イタリアンです。僕個人の考えとしては、日本でやっている意味やメリットが必要だと思うので、日本の食材を活かしたイタリア料理が良いと思っています。

 

Q:今年は「おせち料理」をプロデュースして好評だったと聞きました。そのようなヒット商品を生み出すポイントとは?

 

ベリッシモさん:日本人の好みや文化に合わせて、妥協してバランスを取ることですね。僕がプロデュースしたおせちは、一の重には伝統的なおせち料理に日本人好みのイタリア料理を入れて、二の重には日本酒とも合う献立のイタリア料理を詰めました。僕が日頃から大切にしていることの一つに「歴史にこだわらない」というのがあります。日本では古い=美味しい、健康だと評価したがる傾向がありますよね。でも、古いから良いとは限りません。日本での経験も生かしながら、伝統の良さに新しい感覚を加えた商品を提案していきたいです。

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【プロフィール】

1979年イタリア・ローマ生まれ。2001年に来日し、イタリアと日本の文化の架け橋的な役割で活躍の場を広げる。これまで多数のテレビ出演のほか、クッキングショー、全国講演、トークショー、料理イベント、広告、雑誌でも活躍中。2005年に自身が設立した「イタリア料理研究会」の会長を務める。スーパーの食材を使って誰にでも簡単に作れるイタリアンの料理教室は、毎回満席の人気を誇る。食材の「味」と作る人の「パッション」を活かしたレシピが好評。

https://instagram.com/bellissimoyoshi/  

※掲載情報は 2015/05/26 時点のものとなります。

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