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私が働いている株式会社マノスでは、飲食店と牧場を運営しております。牧場で育てている「どろぶた」は、放牧によりストレスを減らし、木の実や自然の土に含まれるミネラルなどの栄養分をたくさん摂取しながら、通常の放牧豚より2ヶ月も長い8ヶ月も飼育を行っています。このような育て方は、日本では「動物福祉」や「家畜福祉」と呼ばれることもありますが、欧州ではアニマルウェルフェア(Animal Welfare)と呼ばれています。
アニマルウェルフェア(Animal Welfare)とは、感受性を持つ生き物としての家畜に心を寄り添わせ、誕生から死を迎えるまでの間、ストレスをできる限り少なく、行動要求が満たされた、健康的な生活ができる飼育方法をめざす畜産のあり方です。2016年5月13日には、この活動に賛同する生産者や研究者、獣医師、加工や流通関係者、消費者らが集まり、アニマルウェルフェア(家畜福祉)の推進・普及を目的に「一般社団法人 アニマルウェルフェア畜産協会」が設立されました。
現在は日本でも多くの方々に知ってもらうため活動を行っておりますが、今回は協会を通じて出会った黒富士農場さんを紹介したいと思います。
山梨県は甲斐市、標高1,100mの山懐にある黒富士農場は、「鶏たちが心からのびのびと元気に過ごせなければ、おいしい卵はできない」との考えをもち運営されています。
鶏舎内では「BMW技術(バクテリア・ミネラル・ウォーター)」という自然農法を実践しており、これにより農薬に頼らずに病気やハエ、臭いの発生を防げるそうです。
また自然循環の一部では、BMW活性堆肥を液肥化し、クロレラの培養を行い飼料として鶏たちに給餌する事で機能性の向上も行っているとのこと。
飼育方法は「平飼い放牧」で、のんびりと牧草を食べては走り回り、のびのび元気に毎日を過ごしています。
飼料や水にもこだわり、飼料の主原料であるトウモロコシや大豆粕には、遺伝子組換え種子を用いた飼料は使用せず、卵にとっても大事な水は、地下水からくみ上げ、ろ過して飲み水となったものを与えており、水質検査も毎年実施しているそうです。
こだわりの飼育から生まれた、濃厚で臭みがない美味しさの「放牧卵」、ぜひ一度食べていただきその美味しさを実感していただきたいですね。
また、黒富士農場さんは、卵をふんだんに使ったバウムクーヘンやカステラなどのスイーツが並ぶ『ケーキ工房 villa doeuf』や、スイーツや卵などが販売されている『たまご村』なども運営されていますので、ぜひ山梨に行かれた際には立ち寄ってみていただきたいですね。
※黒富士農場さんは一般の方には開放しておりません。
※掲載情報は 2019/08/08 時点のものとなります。
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キュレーター情報
株式会社マノス 営業部長
松葉孝浩
1990年、埼玉県熊谷市出身
ひょんなことから、北海道の十勝にあるエルパソ牧場と出会い、自社ブランド豚でありアニマルウェルフェアにこだわる飼育方法で育てられる「どろぶた」の魅力に魅了され、日本にこだわりの豚を広め、味だけでない様々な視点の美味しさを求める人への架け橋になれればと日本中、様々なレストランや小売店を渡り歩く毎日。
そんな日々の中で出会う素晴らしいストリートを持つ生産者の方々、作りての方々と消費者の方々の出会いの架け橋が出来ればと思います。