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七味の老舗、善光寺八幡屋礒五郎の小分け唐辛子いろいろセット
エスニック料理に限らず、仕事柄、外食は勉強の機会でもあります。そんな私がいつも思うのは、食事をしながら辛みを程よく足すと味がシャープになり食も進み、違う味の一面が見えて来るということです。私はインド料理が専門、唐辛子は切っても切れないご縁のあるスパイスです。しかしこの唐辛子は大航海時代に南米からインドにやって来た外来のスパイスであり、韓国料理も、中華の中でも辛いことで有名な四川料理も、タイ料理も、唐辛子の到来でその味が完成したと言えましょう。そうです、どの料理にも少し刺激を足してみると、まるでワインに新しいマリアージュを見つけるがごとく、新しいイメージが沸くことがあります。そして確実に食欲を増進させ体内温度を上げアドレナリンすら出て来るわけです。
江戸時代から七味唐辛子の商いを始めた長野県の八幡屋の「どこでも七味」。はじめ頂き物として私のところへやってきた時には、まずはその可愛らしさとコンパクトな便利さにノックアウト。実際に振りかけてみるとそこはさすがの老舗の味、特に小分けで香りが逃げていませんからこれ以上の良い条件は無いでしょう、そう、すばらしい香り。内容は一味唐辛子、七味唐辛子、柚子七味、深煎七味、粉山椒、バードアイ(激辛)の6種類です。先日は私が日本一と思っているベトナム料理店で味の研究。辛みの少ないことが特徴のベトナム料理で揚げ春巻きに山椒を試し、蛤の煮物に激辛バードアイ種を試してみました。同行の友人たちもどの料理になんのスパイスが合うかなど話も弾んで意見交換もできて楽しい食事となりました。エスニックに限らずスパイスの様々な可能性を発見してください!
※掲載情報は 2015/02/13 時点のものとなります。
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キュレーター情報
インドスパイス料理研究家
香取薫
有限会社 食スタイルスタジオ 代表取締役
キッチンスタジオ ペイズリー 主宰。
1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイス料理に魅せられ、本格的に研究を始める。さまざまな地方で本場の家庭料理を習う。料理教室は1992年創業、数多くのインド料理店主、講師を輩出。教室にはスリランカ料理とアーユルヴェーダ料理コースも併設。ポリシーは日本の気候や日本人の味覚に合う健康的なスパイス使い。
著書に『5つのスパイスで作れるはじめてのインド家庭料理』(講談社)、『家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理』(河出書房新社)、『アーユルヴェーダ食事法 理論とレシピ──食事で変わる心と体』(佐藤真紀子共著、径書房)、『『ひとりカレー かんたんレシピ45』(幹書房)、『家庭で作る本格インド料理』(マーブルトロン)、『アーユルヴェーダ・カフェ』(著・上馬塲和夫、料理・香取薫/地球丸)、『うまい、カレー。』(ナツメ社)、『チャラカの食卓 二千年前のインド料理』(伊藤武共著、出帆新社)などがある。
日本アーユルヴェーダ学会 評議員
日本香辛料研究会 会員