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水を入れて具材を煮るだけで本場の芋煮の味が楽しめます!
今年の夏にフランス大使館で開催されたパーティーでは、日本の伝統食を振舞うコーナーが設けられていた。いくつかのブースの中にご夫婦で「芋煮」をサービスしている若いご夫婦の姿が。芋煮といえば山形の郷土料理としか知らなかった私は大使館のガストロノミーな料理のあとに軽い気持ちでその味に手を伸ばした。
「旨い。」
田舎料理と言っては失礼だが、実に新鮮で、味わい深さにびっくり。ほんのりとした甘さをまとう出汁にごろっとした里芋、そして全体を包み込む山形牛の味が染みわたった風味。そして葱の旨みが加わり、これぞ日本料理だ!と私は一人で興奮していたのだ。
冬を迎え、生産者のさとう農園さんに連絡をして5~6人用のセットを送っていただいた。
里芋、ネギ(これがものすごい太さ!)出汁の瓶、そして程よくサシがはいった山形牛のスライス。これ以上もこれ以下もないセットをレシピ通り忠実に再現。
「またしても旨い。」
なぜ旨いのか理由を考えてみた。まずは荷崩れしない里芋の力。オーガニックな環境で生産された里芋はお
そらく市場の中でも相当クオリティが高いに違いない。次にネギ。これは太すぎるゆえにスーパー等には流通しない規格外のものかもしれない。そして山形牛。適度なサシが出汁に旨みを加える。
ここにシメジや豆腐、大根などを加えると味わいのバリエーションが増えるが、主役はなんといっても里芋だ。ああ、里芋ってこんなに美味しかったんだ。
年末年始、家族や友人たちと集まるときには絶好の料理になるだろう。
この冬、いちばんの逸品に出会えてほんとうにうれしい。
※掲載情報は 2019/01/11 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードビジネスデザイナー
嶋啓祐
全国の農村漁村をくまなく巡り、そこで使うホンモノの素材を探すことをライフワークにしています。ホンモノはいつも隠れています。全国の肥沃な土地で、頑固で不器用な生産者が作る「オーガニックな作品」を見つけて、料理人が少し手を加える。それが「ホンモノの料理」になります。毎月地方に足を運び、民泊に泊まり、地元の方々とのコミュニケーションを作るのが楽しみです。自然豊かな日本全体が食の宝庫です。自然、風土、生産者、素材、そして流通と料理人とその先にいる顧客。食に関わるすべての方が幸せになるような「デザイン」を仕事にしています。1963年に北海道は砂川(日本一になった美味しいお米ゆめぴりかの産地)で生まれ、18歳上京。大好物はイクラ、クレソン、納豆、ハーブ、苦手なのは天津丼などあんかけ系、豚足、焼酎。趣味は全国の神社巡りとご朱印集め。2018年より自宅料理コミュニティ「ビストロ嶋旅館」を主宰。