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試行錯誤の末に誕生した、「米とお茶の発酵飲料」とは。
米麹とは、お米に麹カビを生やしたもので、清酒、味噌、醤油などをつくる際に使われます。この日本の食生活にかかせない米麹と紅茶の出会いから生まれた飲み物をご紹介します。
紅茶をつくるには、生の茶葉の水分を飛ばして、酸化、乾燥してもみこみ、さらに発酵室に入れて発酵さますが、この場合のお茶をつくる工程の「発酵」とは微生物による発酵ではなく、本来の茶葉が持つ酵素を利用した「酸化」作用を言います。しかし、この「米麹紅茶」では、発酵工程で米麹を混ぜ、麹菌の微生物の力を利用して作られています。
紅茶作りは、発酵中の温度管理が非常に難しく、お茶の白玄堂さんで作り始めた時には、焼酎やワインをかけてみたり、と最適な温度を安定して維持させるために試行錯誤をされたそうです。その結果、見つけたのが日本古来の米麹を入れることでした。この紅茶をつくっている白玄堂さんは「米とお茶の発酵飲料」と呼んでいらっしゃいます。ティーバッグの中をよく見ると、白く麹の粒が茶葉の中に混ざっています。
甘酒の原料にもなる米麹が紅茶に入ったことで、紅茶独自の渋みが軽減され、麹のやさしい甘みを感じる、まろやかな紅茶です。宮崎県の高岡町で丁寧につくられた茶葉、麹も宮崎産。ティーバッグに入っているのも便利なやさしい香りの宮崎の紅茶を是非ストレートで独自の香りと味をお楽しみください。
※掲載情報は 2015/01/18 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵コンサルタント
酒井里奈
国際基督教大学卒業後、大手銀行や証券会社に勤務した後、日本の発酵・醸造技術に興味を持ち、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に入学、09年3月に卒業。同年、株式会社ファーメンステーションを設立。代表取締役。
同社では、「発酵で楽しい社会を」をテーマに地域の未利用資源を発酵技術で活用する提案をし、「発酵」「微生物」と人の暮らしや仕事を繋ぐデザイン性の高いプロダクトやライフスタイルを提案。
岩手の奥州市にて独自の発酵・蒸留技術をもとに、休耕田で栽培した米からエタノール、飼料、化粧品などをつくる地域循環事業を展開。この取り組みが多くの国内外のアワードを受賞している。
世界の発酵食品や仕事を探求する傍ら、日本の発酵・醸造文化の海外発信にも積極的に取り組んでいる。
好きな微生物は麹菌。好きな発酵食品は白菜の古漬け。
受賞歴:
日本政策投資銀行 第3回DBJ女性新ビジネスプランコンペティション特別賞「地域イノベーション賞」
ブリティッシュ・ビジネス・アワード(BBA)2014 Community Contribution
Creative Business Cup 2014 日本代表 等