記事詳細
紹介している商品
野生酵母で造るベルギー伝統のビアスタイル
ビールを醸造する酵母は、ラガービールを造る下面発酵酵母、そしてエールビールを造る上面発酵酵母が広く知られています。それらは人工培養された酵母となりますが、それ以外に自然界に生息する野生酵母を使って醸造するビールがあります。そんな製法で造られるビールにランビックがあります。
ランビックはベルギーの伝統的なビール。ドライで独特な酸味が特徴で、フルーツを加えたものなど大人の女性を中心に人気です。ベルギー・ブリュッセル近郊のゼンヌ川流域のパヨッテンラントという場所のおよそ半径15kmの範囲内にはランビックビール醸造に最適なバランスの野生酵母が生息しており、十数か所のランビック醸造所が集まっています。そこに200年近い歴史のあるリンデマンス醸造所があります。
フランボワーズ(ラズベリー)を使った『リンデマンス フランボワーズ』、カシスを使った『リンデマンス カシス』なども知られていますが、限定醸造としてリリースし話題を呼んでいるのが「限定醸造ボタニカルランビックシリーズ」。第一弾はフレッシュバジルを使った『スポンタンバジル』、第二弾はエルダーフラワーを使った『ブロッサムグーズ』。そして、第三弾となるのが、今回ご紹介する生姜をたっぷり使った『ジンジャーグーズ』です。
ドライで独特な酸味と生姜のハーモニーに大人女子がはまる
木樽で熟成させた異なるランビックをブレンドし、そこに加えたのが、タイ産のガランガルという種類の生姜。これはインドネシアやマレーシア、タイなどの料理によく使われています。「生姜の力強いスパイスとランビックの最適なバランスを見出すのはとてもチャレンジングでした。ガランガルは非常に複雑な香りを持っていて、何度も醸造をトライし、ようやく最高のものが完成しました」と醸造責任者のヘルト・リンデマンス氏。このボタニカルランビックはフレッシュな原材料だけを選び醸造します。このビールには旬の生姜を750mlのボトルに対して5%ぐらいとたっぷりと使っていて、ベルギーの国際的なビールコンテスト「ブリュッセル・ビアチャレンジ2017」で見事ゴールドメダルを獲得しています。
グラスに注ぐと、美しく柔らかなイエローゴールド。その味わいは、日本人にも馴染みのある生姜の風味とすっきりした酸味を楽しめて、ベルギービールながら、カツオのたたきなどのお刺身や鰻、焼き鳥などの和食との相性も抜群です。
「これもビール??」…そんな声が上がる、魅力あふれる限定ビール。ぜひこの機会にお楽しみください。
※このビールは日本の酒税法では発泡酒となります。
※掲載情報は 2018/01/14 時点のものとなります。
- 8
キュレーター情報
ビアジャーナリスト/パンコーディネーター
宮原佐研子
日本パンコーディネーター協会認定パンコーディネーター、日本ビアジャーナリスト協会所属ビアジャーナリストとして日本ビアジャーナリスト協会HP、雑誌『ビール王国』(ワイン王国)、世界22カ国158本のビールを紹介するe-MOOK『ビールがわかる本』(宝島社)、ビアエンタテインメントムック誌『ビアびより』(KADOKAWA)他執筆。『ビール王国』では、「コンビニ限定うんまいビア ペア」で、コンビニエンスストアで買えるビールとパンのペアリングを連載。日本パンコーディネーター協会主催の講座「ワインよりおすすめ?パンとビールのおいしい関係」でパンとビールのペアリング体験講座も実施。