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地元の名水とこだわりの酒米で造る素直な味わい
こんにちは、是友麻希です。今年も残りわずか、年末年始のお買い物でお忙しい方も多いのではないでしょうか? この時期は、普段日本酒をあまり飲まれない方でも、祝酒を飲む機会が増えると思います。今回は、そんなお祝いの席にもおすすめの、秋田の老舗蔵の美味しいお酒をご紹介します。
今年8月に立ち上げた「発酵ライフ推進協会」(https://hakkolife.com/)の秋田支部訪問に合わせ、10月に秋田県の発酵食を巡る旅に出かけたのですが、その時に訪れたのが美郷町にある『栗林酒造』。明治7年(1874年)に創業された歴史ある酒蔵で、「春霞」という銘柄が人気です。
美郷町は、名水百選にも選ばれた六郷の湧き水で有名な水の町。当然、仕込み水としてその名水を使用しているため、お酒が美味しいんです。
普段は入ることのできない、さまざまな施設を見せていただきました。歴史を感じさせる麹室も迫力がありました。
「栗林」は、『栗林酒造』さんの地元に対する深い愛情を感じさせるお酒です。使用する地元酒米「美郷錦」の、育てる土地によって異なる味わいを楽しませるという非常に繊細で大胆な発想のお酒です。
ピンク色のラベルのものが「栗林 六郷東根」。奥羽山脈の麓にある美郷町六郷東根という山間地区で収穫される酒米「美郷錦」で仕込んだお酒です。
黄色のラベルのものが「栗林 金沢西根」。秋田の穀倉地帯、仙北平野で作られた「美郷錦」で仕込むお酒です。質、量ともに安定した米作りができる土地です。
同じ「美郷錦」という酒米でも、収穫される土地によって風味や味わいが異なり、綺麗な水と美味しいお米そのままの素直な味のお酒。ワインで言えば、まさにテロワールを楽しめる日本酒といえます。日本酒好きな方でしたら、ぜひ、飲み比べていただきたい楽しいお酒でもあります。
そして、秋田のお酒には、秋田の食材ということで……。
八郎潟で獲れる白魚を使った贅沢な一品。ウニとイクラを合わせて。
子持ちのハタハタはシンプルに、半生ボイルで。山形出身の方が教えてくれた究極の調理方法。新鮮なハタハタを沸騰したお湯にさっと、くぐらせただけですが、絶品です。そのまま、頭からガブリと召し上がれ!
じゅんさいを、食用菊と合わせて、さっぱりとした酢の物に。
イネ科のマコモダケを使って、歯触りのよい炒め物に。地物のキノコもたっぷりと。
地元の酒米にとことんこだわり、丁寧に仕込まれた栗林酒造の「栗林」。地元の食材と一緒に楽しめたら、それは一番の贅沢かもしれません。
名水が生み出す清く澄んだ味わいは、どこかほっとさせる、心安らぐ味。1年を納める時も、新たな1年を迎える時にもふさわしいオススメのお酒です。
※掲載情報は 2017/12/22 時点のものとなります。
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キュレーター情報
魚料理研究家
是友麻希
一般社団法人さかなの学校 代表理事
発酵ライフ推進協会 代表
国内外からの客人の多い家庭で育ち、幼少より料理に慣 れ親しむ。 その後、聖心女子大学時代には日本史学部にて「日本の食文化」研究に勤しみ、卒業後、「銀座すしもと」にて日本料理と魚料理の基礎を学ぶ。 2005年より魚専門料理教室「Ristorante我が家」を主宰し、生徒数3000人を超える予約の取れない料理教室として多数メディアに出演。
その後、東京農業大学と共に発酵食品の研究を重ね、発酵食文化研究家の第一人者として活躍し、 発酵食品の継承のため、講演会や講師の育成に力を注ぐ。 その他、地域特産品開発アドバイザーとして新商品・レシピの開発支援に力を注ぎ、全国で講演会やセミナーを多数開催。
「cheeza」 (江崎グリコ)や「まる」CM料理(白鶴酒造)などの開発に関わる。 2017年5月 東京丸の内にて、発酵と魚の飲食店「にっぽんのひとさら」をオープン。
著書に「今日の発酵食ごはん」(ワニブックス)・「うま味レシピ」(日東書院)「酵素いきいき生甘酒」(主婦の友社)などがある。