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瓜・茄子・紫蘇・生姜などの「おかず味噌」
醤油の起源には諸説ありますが、覚心というお坊さんが中国に渡って径山寺味噌(きんざんじ)の製法を持ち帰ったというのがその一つ。径山寺味噌をつくる時に出てくる液体が美味しくて醤油づくりに発展していったという説です。味噌というと味噌汁につかうものをイメージされる方が多いと思いますが、径山寺味噌は味噌汁には使いません。味噌の中に瓜や茄子が入っている「おかず味噌」なのです。
和歌山県の堀河屋野村さんを訪ねました。18代目の野村圭佑さんが「百聞は一見に如かずです。どうぞ召し上がってみてください。」と径山寺味噌を差し出してくれました。
醤油や味噌づくりは冬に仕込んで春には仕込みが終了。夏場は熟成の管理というのが一般的です。ところが径山寺味噌の仕込みは夏場。瓜・茄子・紫蘇・生姜などの夏野菜を使って一気に仕込むそうです。そして、5~6ヵ月熟成させたものが順次出荷されていく。12月に食べるのと年明けに食べるのとでは熟成期間が異なり、味わいにも違いがでてくるのも楽しさの一つ。紀州和歌山の郷土料理である「茶がゆ」との組み合わせに欠かせないのが、この径山寺味噌なのだとか。
※掲載情報は 2014/12/18 時点のものとなります。
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キュレーター情報
職人醤油 代表
高橋万太郎
1980年群馬県前橋市出身。立命館大学卒業後、(株)キーエンスにて精密光学機器の営業に従事し、2006年退職。(株)伝統デザイン工房を設立し、これまでとは180度転換した伝統産業や地域産業に身を投じる。現在は一升瓶での販売が一般的だった蔵元仕込みの醤油を100ml入りの小瓶で販売する「職人醤油」を主宰。これまでに全国の300以上の醤油蔵を訪問した。