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砂糖・脂肪・コレステロール・保存料がゼロ、アーユルヴェーダ的にも夏に最高!
アーユルヴェーダでは、「火」に象徴される性質をピッタと言います。
ピッタが多い人、もしくはピッタが多くなると身体が熱くなりやすくなります。そんなピッタの特徴としてあげられるのは大胆、知的、湿疹ができやすい、消化力が強い、怒りっぽい、汗かき・・・など。
これらを冷ますためによい食品はスイカ、コリアンダー水、苦い野菜、牛乳、ギーなどですが、甘みのある果物、特によく熟して果汁の多い甘い果物は最高です。
ぴったりなのはココナッツウォーターなのですが、以前こんな話が実際に日本のアーユルヴェーダ治療院でありました。
ドクターに暑いシーズンはココナッツウォーターを飲むようにと処方された患者さん、どこで買えますか?と聞くと「それが日本にないんですよねえ」と。
確かに都内2〜3箇所のエスニック食材店には時々ココナッツの生の実がありましたが、ひとつ700〜800円というお値段に加えて割るにはナタが必要という、事実上不可能な現実。私の周りの人たちも困って、そして切望していたのがココナッツウォーターを手軽に飲める商品でした。
それが・・・!待望の、ぴったりなものが手にはいるようになったわけです。
ココナッツを割ってとれる中身のココナッツジュースが100%の飲料!
インドでだってココナッツウォーターを飲もうと思ったら、わざわざ市場に買いに行き重いのに持ち帰って割らなくてはならないのに、ペットボトル入りという手軽さ。そして砂糖、脂肪、コレステロール、保存料がゼロ。
飲んでみるとわかりますが自然の甘み。これがまた、ピッタを冷ますのです。甘さのない飲料が好きな人も熱をとるにはこの程度の甘みって実はあったほうが良かったんですね。
ここで大事なのは、暑い時には冷たいものを摂るのではなく、冷性の性質のあるものを摂るのだということです。喉や胃だけ冷やしても体内の熱は抜けません。ココナッツという南国の植物がそこに暮らす人々の健康のために作り出した絶妙な甘さです。
暑い!という日の水分補給はこれがいちばんです。スポーツのあとすぐに飲むのもこれがいいですね。そのあとは普通の水でも麦茶でも。あとは更年期の女性!にもオススメ。
青年期から熟年世代までの人の人生での長い年数ピッタが強くなる年代と言われますが、特にそんな人以外でも夏暑くてフーフーいってしまうのは誰にもあること。そんなときにはもちろんどなたにもオススメです。
日本の夏は今や亜熱帯と変わりません。気温が35度を超えることもあります。そして酷暑は9月末くらいまで続きますから、私はココナッツウォーターを夏の間は常備しておくべきだと思っています。普通にコンビニで買えるようになるまで、箱買いがオススメ。熱があるときの電解質ドリンクの代用にもなりますから、ぜひ買い置きを!
※掲載情報は 2017/06/27 時点のものとなります。
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キュレーター情報
インドスパイス料理研究家
香取薫
有限会社 食スタイルスタジオ 代表取締役
キッチンスタジオ ペイズリー 主宰。
1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイス料理に魅せられ、本格的に研究を始める。さまざまな地方で本場の家庭料理を習う。料理教室は1992年創業、数多くのインド料理店主、講師を輩出。教室にはスリランカ料理とアーユルヴェーダ料理コースも併設。ポリシーは日本の気候や日本人の味覚に合う健康的なスパイス使い。
著書に『5つのスパイスで作れるはじめてのインド家庭料理』(講談社)、『家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理』(河出書房新社)、『アーユルヴェーダ食事法 理論とレシピ──食事で変わる心と体』(佐藤真紀子共著、径書房)、『『ひとりカレー かんたんレシピ45』(幹書房)、『家庭で作る本格インド料理』(マーブルトロン)、『アーユルヴェーダ・カフェ』(著・上馬塲和夫、料理・香取薫/地球丸)、『うまい、カレー。』(ナツメ社)、『チャラカの食卓 二千年前のインド料理』(伊藤武共著、出帆新社)などがある。
日本アーユルヴェーダ学会 評議員
日本香辛料研究会 会員