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瀬戸内海は尾道の先に浮かぶ生口島(いくちじま)。まずここを説明したいのです。しまなみ海道の広島側入り口にあたるこの島は国産レモン発祥の地として知られ、同時に平山郁夫画伯の美術館や歴史的建造物の多い、まさにアートな島。そして日本のサントリーニ島とも言われる、まるで地中海のような景色をもつ贅沢なところなんです。
そのような環境で60年以上にわたり柑橘農園を営む蓼原農園は、瀬戸内レモンをはじめ、みかん、せとか、はるみ、はるか、ネーブル、八朔、デコポンなど様々な柑橘類を生産。その中でも今回紹介する「蒼いみかん」は栄養価の高い青い時期に収穫し、ジュースにしたものなのです。
除草剤を使わず、栽培期間中は化学合成農薬を使わず、無添加で絞られた果汁。それは私達に新しい味覚と味わいを教えてくれるものです。その果汁を口にしたときの衝撃は忘れられません。
ミカンジュースと言えば、穏やかな酸味のなかに果汁の甘みがひろがるイメージ。ところが蒼いみかんは違います。きりっと絞まった酸っぱさががーんとやってきて、すーっと爽やかな後味に変わっていく、まさに味覚を覚醒させる味なんです。
朝起きてそのままいただくと、間違いなく眠気が飛んでシャキッとするはずです。炭酸水で割るとまろやかになり、ビールにちょっと加えると香りがふわっと湧きたちます。そのままドレッシングにもなり、ヘルシー感も完璧。ホームパーティーの時の隠し味としてもウケること間違いなしでしょう。
100%青いみかんを絞っただけの果汁として瓶詰して販売するまでには、試行錯誤しながら2年の歳月がかかったと聞きました。熟す前のみかんを加工するには相当な苦労があったようです。
※掲載情報は 2017/06/09 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードビジネスデザイナー
嶋啓祐
全国の農村漁村をくまなく巡り、そこで使うホンモノの素材を探すことをライフワークにしています。ホンモノはいつも隠れています。全国の肥沃な土地で、頑固で不器用な生産者が作る「オーガニックな作品」を見つけて、料理人が少し手を加える。それが「ホンモノの料理」になります。毎月地方に足を運び、民泊に泊まり、地元の方々とのコミュニケーションを作るのが楽しみです。自然豊かな日本全体が食の宝庫です。自然、風土、生産者、素材、そして流通と料理人とその先にいる顧客。食に関わるすべての方が幸せになるような「デザイン」を仕事にしています。1963年に北海道は砂川(日本一になった美味しいお米ゆめぴりかの産地)で生まれ、18歳上京。大好物はイクラ、クレソン、納豆、ハーブ、苦手なのは天津丼などあんかけ系、豚足、焼酎。趣味は全国の神社巡りとご朱印集め。2018年より自宅料理コミュニティ「ビストロ嶋旅館」を主宰。