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ドイツでも昔からおなじみローズヒップ
ローズヒップはここ数年日本でも知られるようになってきました。ビタミンCが豊富なことで知られ、美容と健康によいとされています。
ローズヒップはバラの果実。特にイヌバラという品種がローズヒップの栽培用に生産されているようです。
ヨーロッパ、アジアで栽培され、ドイツでも道端や野原などに咲いているのを見かけます。ゲルマン人はバラを捧げものとしてお墓に供える習慣があったと言われています。
様々な用途で使われるローズヒップ
11世紀に生きたドイツ薬草学の祖、聖ヒルデガルトは、「ローズヒップは肺の症状に効き、胃を丈夫にする」と書き残しています。
ローズヒップは生のままでも食べられるそうですが、かなり酸っぱいでしょう。熟すほど甘くなっていくそうですが、乾燥させた方が食べやすいようです。ドイツでよく見かけるローズヒップ商品はなんと言ってもハーブティー。ハイビスカス、リンゴ、オレンジなどとミックスしたハーブティーはどこでも普通に買え、よく飲まれます。乾燥させたローズヒップのみを5~8分ほど弱火で煮れば自分でもティーが作れます。
その他、ローズヒップオイルや化粧品にも使われています。
マインタール社のローズヒップジャム
ローズヒップを使った商品でよくあるものは、ジャム。ジャムというよりどちらかというとペーストのような感じですが、ローズヒップの中の種を取り除いて煮れば出来上がります。
今回紹介するのはドイツ、マインタール社のオーガニックローズヒップジャム。1886年創業、家族経営のメーカーで、現在4代目。主に地元で生産されるオーガニックフルーツを使ったジャムを作っています。ローズヒップジャムは同社のイチオシ商品の一つでドイツでも人気が高いアイテムです。そのままパンやヨーグルトに合わせて食べる他、お料理の味付けなどにも利用できます。ドイツで人気の菓子パンにベルリーナーという丸い揚げパンがありますが、ドイツ南部のフランケンやシュヴァーベン地方などではこのローズヒップジャムがフィリングとして入っています。
ちなみにこのジャムはKonfitüre extraと書いてありますが、extraが付くものは、フルーツの含有量が多いジャムで、その量もきちんと法律で決められています。ドイツの食品の信頼できるところですね。
日差しが強くなるこの時期、このローズヒップジャムでビタミンCを摂取してみてはいかがでしょうか。
※掲載情報は 2017/05/23 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ドイツ食品普及協会 代表
森本智子
ドイツ在住11年、日本帰国後はドイツ農産物振興会日本事務所にマーケティングマネージャーとして勤務。2010年同団体の解体を機に独立、株式会社エルフェンを立ち上げドイツ食品・飲料の輸入・販売サポート、展示会の出展サポート・コーディネート、ドイツの展示会、会社訪問のガイド・コーディネート、ドイツ食文化セミナーの開催、ドイツの食の情報発信に関わる活動を行っています。
株式会社エルフェン:http://elfen.jp/
一般向けのイベントではドイツ大使館主催「ドイツフェスティバル」の立ち上げ、運営メンバー。
日本ではただひとり、ドイツ ドゥーメンス・アカデミー認定ディプロム・ビアソムリエの資格を持つ。
なかなか日本では知られていないドイツのおいしい物をご紹介していきたいと思っています。
著作:フォトエッセイとイラストで楽しむ ちいさなカタコト*ドイツ語ノート 国際語学社
ドイツパン大全 誠文堂新光社
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5380