「幻の富士6湖」から生まれた神秘の雫

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山梨のブドウ×富士の酵母。富士山の名を冠した日本ワイン

山中湖、河口湖、精進湖、西湖、本栖湖で、富士五湖。実は数年に一度現れる「赤池」という幻の湖があり、その年には富士六湖と呼ばれます。数年に一度、ここ30年ではわずか、5回。普段は緑の中に埋もれた湿地。自然の力によって水位が増すことによって出現します。富士山の名を冠したこのワインは、赤池で生まれた酵母を使用。山梨大学の柳田教授が2011年に赤池酵母を採取・育種、教授の助言・監修のもと作り出されましたが、なにせまれにしか出現しない幻の湖で生きる酵母。山梨県産100%の原料となるぶどうとあわせることでさらに原料が限られることで赤・白それぞれ年間8000本のみのリリース。そのエピソードだけでなにやら神秘的で興味をそそられますが、風味もまた世界のワイン、日本のワインを見渡してもなかなか個性的。私の感覚では、日本的な酵母を使うというと、日本酒的なまろやかさや飲み口、これと山梨らしい軽い果実感、軟水的な柔らかさとの融合かな、という先入観がありました。

「幻の富士6湖」から生まれた神秘の雫

しかし、実際に白ワインのアロマを感じてみると、パリのブーランジェリーの朝、濃厚でがっちりしたバゲットを直感。そこに儚ささえ感じる、澄んだ、静かな湖面やゆるやかな、日本の清流のような柔らかい軟水。一瞬個性が定まっていないのかな、という不安のすぐ後、奥底からわき出してくる酵母の厚みのあるエネルギーがじわじわと清流、湖面と混じり合って、美しい深い緑の風景を見せてくれます。白も赤も、余韻が長く、白、赤2種を楽しめば、朝の静かな湖面からじわじわと命の力が宿り、夕暮れには命の力に感謝しながら、また夜の静かな湖面へ、そしておやすみなさい。こうした1日をゆっくり感じられるような楽しみがあります。日々、新しい挑戦でわくわくさせてくれる日本のワインに、またひとつ、興味深いワインが加わりました。

※掲載情報は 2015/05/16 時点のものとなります。

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キュレーター情報

岩瀬大二

ワインナビゲーター

岩瀬大二

MC/ライター/コンサルタントなど様々な視点・役割から、ワイン、シャンパーニュ、ハードリカーなどの魅力を伝え、広げる「ワインナビゲーター」。ワインに限らず、日本酒、焼酎、ビールなども含めた「お酒をめぐるストーリーづくり」「お酒を楽しむ場づくり」が得意分野。
フランス・シャンパーニュ騎士団 オフィシエ。
シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。
日本ワイン専門WEBマガジン「vinetree MAGAZINE」企画・執筆
(https://magazine.vinetree.jp/)ワイン専門誌「WINE WHAT!?」特集企画・ワインセレクト・執筆。
飲食店向けワインセレクト、コンサルティング、個人向けワイン・セレクトサービス。
ワイン学校『アカデミー・デュ・ヴァン』講師。
プライベートサロン『Verde(ヴェルデ)』でのユニークなワイン会運営。
anan×本格焼酎・泡盛NIGHT/シュワリスタ・ラウンジ読者交流パーティなど各種ワインイベント/ /豊洲パエリア/フィエスタ・デ・エスパーニャなどお酒と笑顔をつなげるイベントの企画・MC実績多数。

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