上野「みはし」のあんみつを自作アレンジ!「マスカルポーネチーズあんみつ」

上野「みはし」のあんみつを自作アレンジ!「マスカルポーネチーズあんみつ」

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「サワリ」と「直火」、創業以来変わらない小豆の煮方

上野「みはし」のあんみつを自作アレンジ!「マスカルポーネチーズあんみつ」

上野広小路を歩いていたら、甘味処の「みはし」の前を通りかかり、おもむろに足を止めてしまいました。下町で育った僕にとって、「あんみつ」と言えば「みはし」というのが当たり前でした。実家が上野駅まで自転車で5分くらいの近さにある為に、子どもころはよく上野に行きました。昭和50年代後半まで上野駅前にあった京成百貨店(現在は、丸井)の地下の食料品売り場には、母親の買い物でよくついて行きました。その帰りには決まって「みはし」に寄って「あんみつ」を食べることが楽しみでした。帰りの「あんみつ」を食べることが目当てで、母親にすすんでついて行ったのを今でも覚えています。

 

「みはし」が創業したのは昭和23年、終戦からわずか3年後のことでした。戦後の活気づいたアメ横からほど近く、「あんみつ」は当時から大人気でした。

 

「みはし」の店名の由来は、江戸時代にさかのぼります。現在の上野公園は、もともとは寛永寺の領地。現在の上野公園の入り口が参道の入り口で、「黒門」という寛永寺の総門がありました。この門を挟んで新政府軍と彰義隊が攻防を繰り広げたのは有名な話です。上野公園の入り口を背にしてそのまま進むと、すぐに不忍池から上野広小路を横切るように「忍川」が流れていました。川には、3本の橋が並んで架けられ、一般の人は両端の狭い橋を渡り、広い真ん中の橋は将軍が墓参する時だけに使用されました。その3つの並んだ橋から、この当たりを「三橋(みはし)」という地名で呼ばれるようになりました。店名の由来は、その「三橋(みはし)」から来ているのです。また三橋には、高杉晋作が吉田松陰の遺骨を改葬する際に、番人を無視して「将軍が通る真ん中の橋」を師の遺骨を持って渡ったというエピソードがあります。その三つの橋が架かった忍川も明治末期から大正初期にかけて埋め立てられてしまいましたので、今ではその面影はありません。

上野「みはし」のあんみつを自作アレンジ!「マスカルポーネチーズあんみつ」

「みはし」の店内では、落ち着いて席に座って「あんみつ」を食べることも出来ます。


先日前を通りかかった時は、夕暮れ時に男一人で「あんみつ」を店内で食べるのも気恥ずかしかったので、好物の「あんず」が4つ入った「あんずあんみつ」をお土産に買って帰りました。

 

主役の「あんこ」は、北海道十勝の小豆を使用。小豆の煮方は創業より変わらず、「サワリ」と呼ばれる銅製の鍋で「直火」で煮ています。銅は熱が伝えやすく、直火は対流を起こしてくれるので小豆が煮えやすくなります。

上野「みはし」のあんみつを自作アレンジ!「マスカルポーネチーズあんみつ」
上野「みはし」のあんみつを自作アレンジ!「マスカルポーネチーズあんみつ」

黒みつは沖縄波照間島の黒糖、赤えんどう豆は北海道上富良野産を使用。寒天は伊豆や伊豆諸島の天草をブレンドしています。求肥(ぎゅうひ)に使っている「もち米」も特別にブレンドしています。それぞれの厳選された素材が集まって、1つの極上な「あんみつ」が出来上がるのです。

上野「みはし」のあんみつを自作アレンジ!「マスカルポーネチーズあんみつ」

子どもの頃からよく食べている「みはし」の「あんみつ」はそのまま食べても美味しいのですが、せっかくお土産用に買ったのでしたら、自分好みのものをトッピングしてアレンジした自作の「オリジナルあんみつ」を楽しむのをオススメします。

 

ぜひ、皆さまに試していただきたいのが、「マスカルポーネチーズあんみつ」です。だまされたと思って一度試してみてください。絶対に美味しいと思います。

 

作り方は簡単です。「マスカルポーネチーズ」に「ラムのリキュール」を少量入れて掻き混ぜて、「あんみつ」にトッピングするだけです。

 

「マスカルポーネチーズ」は「あんこ」や黒みつ」の甘さの相性は最高に良く、「あんず」がアクセントとなり、混ぜて食べると味に深みが出ます。例えて言えば、「和風ティラミス」のような感じです。もしくは、リキュールの風味も効くので、ちょっと大人の「洋風あんみつ」のほうが近いかもしれません。もともとの「あんみつ」が絶品なので、何をトッピングしても美味しく感じるのです。ちなみに、「みはし」では「マスカルポーネチーズあんみつ」は販売していないのでご注意ください。お土産用に「あんみつ」を買って帰ってから、ご自分で試してみてください。持ち帰り用は、普通の「あんみつ」は390円(税抜き)、あんずを入れても500円(税抜き)というお手頃の価格です。いつの時代も愛され続ける「みはし」の「あんみつ」、上野にいらしたら、ぜひお土産に買ってみてはいかがでしょうか?

上野「みはし」のあんみつを自作アレンジ!「マスカルポーネチーズあんみつ」

※掲載情報は 2016/02/10 時点のものとなります。

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キュレーター情報

荒岡俊行

荒岡眼鏡の三代目 眼鏡店ブリンク店主

荒岡俊行

1971年生まれ。東京・御徒町出身。1940年から続く「荒岡眼鏡」の三代目。
父方も母方も代々眼鏡屋という奇遇な環境に生まれ育ち、自身も眼鏡の道へ。

ニューヨークでの修業を経て、2001年に外苑前にアイウエアショップ「blinc(ブリンク)」、2008年には表参道に「blinc vase(ブリンク・ベース」をオープンさせる。
「眼鏡の未来を熱くする。」をミッションに掲げ、眼鏡をカルチャーの1つとして多くの方々に親しんでいただけるよう、眼鏡の面白さや楽しさを日々探求しています。

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