“メガ盛り”マンゴー・ショートケーキ@ホテルニューオータニ東京

“メガ盛り”マンゴー・ショートケーキ@ホテルニューオータニ東京

記事詳細


紹介している商品


“あの”スーパー・メロン・ショートケーキをしのぐ!?

2020年の東京オリンピック開催を控え、東京の高級ホテルの競争もいよいよ熾烈化している。外資系ホテルの大攻勢を受けて、いわゆる御三家(帝国ホテル、ホテルオークラ東京、ホテルニューオータニ東京)も安閑とはしていられない。ホテルオークラ東京に至っては、まさかの本館取り壊しに着手。ひとつ前の東京オリンピックに備えて竣工されたビルは今月、その52年の歴史に幕を下ろす。

 

ホテルニューオータニ東京の本館はひと足お先に本館の大改修を終え、従来のデザインを踏襲しながらも都会的なインテリアに仕上がっている。あまりの知名度の高さゆえか、なかなか自称グルメの話題には上がらないが、実はいろいろと使い勝手のよいホテルである。17階の360度回転展望フロアにある「SKY」や16階の「大観苑」など、花(眺望)も実(料理)もある優れたレストランだ。

 

しかし、こと「食」に関していえば、私にとってホテルニューオータニ東京は「スーパー・メロン・ショートケーキ」にとどめを刺す。

“メガ盛り”マンゴー・ショートケーキ@ホテルニューオータニ東京

スーパーで“unusual”なショートケーキ

“メガ盛り”マンゴー・ショートケーキ@ホテルニューオータニ東京

一日40個限定、一個1,500円という「スーパー」強気な商品である。いや、むしろ、グルメを謳いつつもその実、ちまちました商品が多すぎる国にあって、大いに喜ばしいケーキであると考える。その「能書き」が素晴らしい。以下引用。

 

「“エクストラスーパーメロンショートケーキ”に使用するメロンは静岡県産のマスクメロン。 大きさ直径 約18cmのメロンの約3分の1個分を贅沢に使用します。 通常のメロンは1本の木から複数個のメロンを収穫しますが、“エクストラスーパーメロンショートケーキ”で使用するメロンは1本の木から1つのみに絞り込み、その実にすべての栄養や美味しさを凝縮させています。 そんなこだわりのメロンを惜しげもなく3分の1個分使用した“エクストラスーパーメロンショートケーキ”はまさにエクストラな逸品です」。(引用元:パティスリーSATSUKI エクストラスーパーメロンショートケーキ説明 http://www.newotani.co.jp/tokyo/restaurant/p_satsuki/menu/ex_melon/index.html)

 

商品の魅力はこの説明に言い尽くされているので、今回はとりあえず割愛。そしてこの夏、私がもっとも興奮したスィーツが“スーパー・マンゴー・ショートケーキ”だった。賽の目に切ったマンゴーを親の敵(?)とばかりに盛りつけ、ぶ厚いスライスをスポンジケーキの間にしこたま挟む、スーパーを通り越して“unusual(ありえない)”ボリュームと味わい。クリームにもマンゴーの果汁を使っていて、マンゴー好きならば感涙必至の逸品である。

 

私がもたもたしていたせいで、この原稿がUPされる頃には既に限定発売期間が過ぎてしまっているかも知れない。が、“スーパー・メロン・ショートケーキ”は健在だし、来夏もまた“スーパー・マンゴー・ショートケーキ”はお目見えする筈だ。

 

気の滅入るようなこの国の夏であるが、その訪れが待ち遠しくなるような、スーパーで“unusual”な、老舗ホテルの心意気(もしくは蛮勇?)を知らしめる秀逸スィーツである。

※掲載情報は 2015/09/01 時点のものとなります。

  • 4
ブックマーク
-
ブックマーク
-
この記事が気に入ったらチェック!
“メガ盛り”マンゴー・ショートケーキ@ホテルニューオータニ東京
ippin情報をお届けします!
Twitterをフォローする
Instagramをフォローする
Instagram
Instagram

キュレーター情報

横川潤

エッセイスト 文教大学 准教授

横川潤

飲食チェーンを営む家に生まれ(正確には当時、乾物屋でしたが)、業界の表と裏を見て育ちました。バブル期の6年はおもにNYで暮らし、あらためて飲食の面白さに目覚めました。1994年に帰国して以来、いわゆるグルメ評論を続けてきましたが、平知盛(「見るべきほどのものは見つ)にならっていえば、食べるべきほどのものは食べたかなあ…とも思うこの頃です。今は文教大学国際学部国際観光学科で、食と観光、マーケティングを教えています。学生目線で企業とコラボ商品を開発したりして、けっこう面白いです。どうしても「食」は仕事になってしまうので、「趣味」はアナログレコード鑑賞です。いちおう主著は 「レストランで覗いた ニューヨーク万華鏡(柴田書店)」「美味しくって、ブラボーッ!(新潮社)」「アメリカかぶれの日本コンビニグルメ論(講談社)」「東京イタリアン誘惑50店(講談社)」「〈錯覚〉の外食産業(商業社)」「神話と象徴のマーケティングーー顕示的商品としてのレコード(創成社)」あたりです。ぴあの「東京最高のレストラン」という座談会スタイルのガイド本は、創刊から関わって今年で15年目を迎えます。こちらもどうぞよろしく。

次へ

前へ