小豆島で生まれた太さが絶妙でのびない、岡上食品の「ひやむぎ」

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小豆島といえば、二十四の瞳の舞台。日本のシチリア島と勝手に呼んでいる私。小豆島は日本書紀では「あずきしま」と呼ばれていたそうです。小豆が沢山とれていたのかどうかは定かではありません。小豆島は、東西に広がる日本の海の要塞として栄えてきました。

 

小豆島といえば、「オリーブオイル」「醤油」「素麺」を連想される方が多いでしょう。私は、小豆島といえば、岡上さんの「ひやむぎ」がまず一番に浮かんできます。

 

そうめんとひやむぎ、うどんの違いは、小麦粉と塩と水を練るところまでは同じですが、「そうめん」は、「ひやむぎ」のように切らず、練ったものに植物油を塗り、ヨリをかけて引き延ばし、細く仕上げて、天日干しにして作るのが一般的。JAS規格(日本農林規格)の『乾めん類品質表示基準』では、麺の太さが長径1.3mm未満を「そうめん」、長径1.3mm以上1.7mm未満を「ひやむぎ」、1.7mm以上を「うどん」と分類しており、基本的には麺の太さで区別されています。

しかし、手延べ麺の場合はこの限りではなく、「言ったもん勝ち」らしいです。

 

岡上さんと出会ってかれこれ、20年近くになります。今でこそ、麺類に「国産小麦粉使用」も珍しいことではありませんが、当時は、そりゃもう「画期的」であり、ましてやそうめんにおいて「オリーブ油」を使用するなんて、「オシャレ過ぎでしょう」という感じでした。「安全なものを、家族も安心して食べられるものを作りたい」という作り手の当たり前を実践することは、容易なことではありません。まずは、原材料価格が大幅にあがります。かつ、国産小麦粉や自然塩を使ったからといって、倍の価格で売れる時代ではありませんでした。

 

岡上さんは、オリーブ油使用の国産小麦のそうめんをはじめ、手延べうどんなども製造されておりますが、昔から、夏になると無性に食べたくなるのが、岡上さんのひやむぎなのです。そうめんは、夏の風物詩。氷を浮かせたガラス鉢に、そうめんをいれて、冷たいそうめんつゆ、うどんつゆ、そばつゆの特徴を考えてみると、そうめんつゆがいちばん出汁感が強く、そのまま「飲んでいいつゆ」ではないかと思っています。

 

では、ひやむぎの位置づけってなんでしょうか。

私は、ひやむぎこそが、マルチ麺であり、一年中、どんなジャンルにも合うオールマイティーな麺であると思っております。

小豆島で生まれた太さが絶妙でのびない、岡上食品の「ひやむぎ」

イタリアンのパスタがないと時、うどんやそうめんではちょっといかん。

ラーメンが無性に食べたくなった時、そうめんでは代用不可。そうめん、うどん、そばの類いは、いくらオリーブ油を使い、トマトやイタリアンパセリをまぜても、「和食」の壁を崩せないのです。

小豆島で生まれた太さが絶妙でのびない、岡上食品の「ひやむぎ」

岡上さんのひやむぎは、プロ受け、通好みの逸品。太さが絶妙なのです。

そうめんって、喉越しはよいけど、食べた気がしませんよね。うどんも蕎麦も「醤油系」。そこいくと、このひやむぎは、オリーブ油とトマトをからめるだけで、手打ちパスタに変身。カルボナーラもミートソースもしびれる程合う。ひき肉と豆味噌でジャジャ麺にも。そうです、麺ストックは、岡上さんのひやむぎだけで、料理を網羅できるわけです。

 

私の一番お気に入りの食べ方は、冷たいひやむぎに薬味と納豆、しらすをのせ、オリーブ油をかけて、隠し味としてちゅっとだけたまり醤油をたらす。これは、「もう食の国際交流会や」といわんばかりです。

小豆島で生まれた太さが絶妙でのびない、岡上食品の「ひやむぎ」

しかも、岡上さんちのひやむぎ、妙にコシがあり、のびにくい。まとめ茹でという横着技もいけます。この粘りコシのひやむぎ、世間では、「中途半端な麺」という位置づけらしく、まもなく、別の名称に変わるのだそうです。私、内心、変えないでほしいと願っています。でないと、スーパーの棚からひやむぎが絶滅してしまいます。

 

もしも、変えるならば、ノンジャンル麺?これさえあれば麺?ほかいらん麺?

いやいや、「岡上秀造」でどうだろうか?

 

「誰やねん、そいつ!」ひやむぎを食べながら、小豆島の岡上さんを思いながらふと浮かんだイカしたネーミング。この夏も、我が家の麺レシピの頻度No.1!

 

住所:香川県小豆郡土庄町土庄4−1 

TEL:0879-62-0026

紹介しているお店
株式会社 岡上食品

※掲載情報は 2017/06/27 時点のものとなります。

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キュレーター情報

タカコナカムラ

料理家/フードディレクター

タカコナカムラ

山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。

通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。

一般社団法人ホールフード協会 代表理事

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