驚きのおもてなしを演出する鍋「すっぽん鍋」

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うれしい濃厚コラーゲンが贅沢につまった関西「まる鍋」

驚きのおもてなしを演出する鍋「すっぽん鍋」

2017年が明けた。今年のお正月は暖かく、毎年の行事としている年越しの初詣はホッカイロも手袋もせずに楽しむことができた。暖かいとは言え、昨年の疲れが体に残っており、さらに肌は乾燥ぎみ。そこで、今年最初のお料理に「すっぽん鍋」を選んでみた。関西では「まる鍋」と呼ばれる。

驚きのおもてなしを演出する鍋「すっぽん鍋」

以前、生きているすっぽんが売っているのを見たことがあったが、下ごしらえの大変さに躊躇して、手が出なかった。今回は、京都舞坂さんの「特選すっぽん鍋」を見つけたので、購入。

 

すっぽんは見かけによらず、音などにとても臆病な生き物。この商品は長崎県五島列島の静かな環境でストレスをかけずに養殖されたものを使用。そして、自宅で簡単に「すっぽん鍋」が楽しめるよう、あらかじめ料亭の優しい味付けに調理されている。そのため、初めてでも本格的な鍋を楽しむことができるのだ。さらに、甲羅ごと入っているのも重要なポイント。これは、見た目の豪華さだけでなく、コラーゲンの量が豊富な証拠なのである。

 

2億年前から生息しているすっぽんは、中国から日本に伝わった食べ物の1つ。中国では古来より、健康維持や体力増進として珍重。日本では滋養強壮の食べ物として今日に至っている。具体的な栄養素として挙げられるのは、タンパク質、脂肪酸、ミネラル、ビタミン、コラーゲン、レシチン。このように栄養バランスに優れているため、お正月で弱った胃腸にもおすすめなのだ。また、新陳代謝を促して血行を良くする働きがあること、コラーゲンが豊富であることから、美肌を作るとも言われている。日本中世の百科事典「魚鑑(うおかがみ)」に至っては、「白髪を生せず、シワ寄らず」という記述もあるから驚きだ。冬眠(10月~4月)に入る前、すっぽんは栄養をたくさん蓄える。まさに、今の時期におすすめの鍋なのだ。

 

今回は3通りの食べ方で「すっぽん鍋」をいただいた。4人前のレシピでご紹介したい。

 

まず、土鍋に京都舞坂の「特選すっぽん鍋」を一袋入れ、スライスした生姜とネギ(2本分)を入れて蓋をし、沸騰させる。他に出汁は入れない。あまりにもシンプルだが、すっぽん本来の味を堪能できる食べ方である。

驚きのおもてなしを演出する鍋「すっぽん鍋」

ネギに火が通ったら、蓋を取り、甲羅も取る。甲羅を動かすだけで、写真のようにすっぽんの身がきれいに取れる。そして、忘れてはならないのが、甲羅のまわりのコラーゲン。たっぷりとついているので、しっかりとそぎとって、召し上がれ。

驚きのおもてなしを演出する鍋「すっぽん鍋」

一口いただくと、ふんわりとした生姜の香りと濃厚なコラーゲンのねっとりとした感触が口に残る。小口ネギをたっぷりのせると、さっぱりとした味わいになる。お好みですりおろし生姜を加えてもおいしい。

驚きのおもてなしを演出する鍋「すっぽん鍋」

次は、白菜や豆腐、椎茸を入れて「野菜たっぷりのヘルシーすっぽん鍋」。ここで白菜の甘みと椎茸の旨みが加わる。私は、春菊など個性的な味のものは控え、すっぽんの出汁を引き立ててくれる食材を選んでみた。

驚きのおもてなしを演出する鍋「すっぽん鍋」

最後は、ご飯(2膳分)、溶き卵(2個分)で「すっぽん雑炊」に。小口ネギと友人が手作りしたいくらの醤油漬けで華やかなお雑炊にした。彩り鮮やかなすっぽん雑炊のできあがり。ポン酢や梅干しなど、さっぱりとしたものと組み合わせるのもおすすめだ。

驚きのおもてなしを演出する鍋「すっぽん鍋」

この3通りの食べ方で、すっぽんすべてのコラーゲンと栄養を、余すことなくきれいにいただくことができた。たっぷりあったコラーゲンはすべてお腹の中に。

驚きのおもてなしを演出する鍋「すっぽん鍋」

手軽だが、なんとも贅沢な時間だった。土鍋の蓋を取ったとき、甲羅を取った時。友人夫妻は2度の驚きを見せ、満面の笑みとなった。その瞬間、私が心の中で「よしっ!」とつぶやいたことは、内緒だ。そのくらいの驚きでおもてなしができる鍋なのだ。

 

2017年が、皆様にとって素敵な一年となりますように。

 

そして、皆様に楽しんでいただけるコラムを書くことができますよう、願いを込めて。

 

本年も宜しくお願い申し上げます。

 

高橋 香葉

紹介しているお店
京都舞坂有限会社

※掲載情報は 2017/01/11 時点のものとなります。

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キュレーター情報

高橋香葉

発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー

高橋香葉

「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。

主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等

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