江戸時代からの伝統の味と製法を守り続ける肥後の名品「南関そうめん」

江戸時代からの伝統の味と製法を守り続ける肥後の名品「南関そうめん」

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機械を一切使わず全て手作り!コシの強さと滑らかさ、シコシコした歯触りが特徴です

皆さま、こんにちは。
料理研究家/食のトータルデザイナーの小野孝予です。

 

関東地方は何と6月中に梅雨が明けましたね。余りに早くてビックリです! これから毎日、暑い日が続くのでしょうか。ちょっと憂鬱です(苦笑)。

 

暑い日はキッチンで煮炊きするとエアコンの効きも悪くなり、汗が出てきてウンザリします。その上この私でさえ、何だか食欲が落ちたりして……。ですから暑い夏は長時間調理の必要がなく茹でるだけで簡単、さっぱりと食べられるそうめんは大活躍です! そこで今回は、熊本県南関町の「南関そうめん」をご紹介します。

江戸時代からの伝統の味と製法を守り続ける肥後の名品「南関そうめん」

ところで皆さまは、そうめんは四国や近畿地方周辺だけで製造していると思っていませんか。実は日本の他の地域でも沢山そうめんが作られています。この南関そうめんもそのひとつで、「肥後には美味い麺あり!」と、250年以上とも300年以上ともいわれる歴史を持っているそうめんなのです。

 

一説によると、江戸時代の参勤交代の折には、肥後藩主・細川氏が肥後の献上品として将軍家に納め、明治以降も毎年天皇家に献上し続けていたとのこと。

江戸時代からの伝統の味と製法を守り続ける肥後の名品「南関そうめん」

最盛期の明治中期には200を超える製麺所があり、南関町では白くたなびくそうめん干しの光景が数多く見られたそうです。しかし現在は製麺所が激減し、昔と変わらぬ手法で手作りし続けている製麺所はわずか9軒。100%手作りの為、製麺所ごとにそれぞれ特徴があり、また大量生産が困難な為、生産量が限られて珍重品です。

 

元々「南関そうめん」には、「白髪そうめん」と「曲げそうめん」の2種類があります。
余談ですが、北原白秋のお母様の故郷が南関町なので、白秋は幼い頃にこの地で過ごし、白髪そうめんを好んだとされています。『掛けなめて 玉名乙女が こきのばす翁そうめんは 長き白糸』と歌も詠んでいます。

 

が、現在主流で作られている方は、「曲げそうめん」なのだそうです。「曲げそうめん」はとても長いので、2~3等分に切って茹でるか、写真のように茹でた後に丸めると食べ易いです。

江戸時代からの伝統の味と製法を守り続ける肥後の名品「南関そうめん」

表面がツルっとして、とてもコシが強くてシコシコしていて美味しいです。私は薬味をたっぷりと、薄焼き卵でタンパク質も摂り、麺つゆが薄まってきたら梅干しをほぐし、梅肉を少しずつ加えて食べます。塩味が増し、そして酸っぱさも暑い時には心地良いです。昼は麦茶ですが、夜なら枝豆とビールも付けたいですね!

 

お中元、夏の帰省時のお土産にも勿論最適ですが、まだ召し上がったことのない方はまず、ご自分で一度お試し頂き、このコシの強いそうめんの美味しさを味わってみて下さい。

※掲載情報は 2018/07/09 時点のものとなります。

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キュレーター情報

小野孝予

料理家/チーズプロフェショナル

小野孝予

大手航空会社キャビンアテンダントとして12年程勤務し、その後は食の世界に転身。現在は家庭料理、チーズ&ワインの教室を主宰すると共に、NPO法人チーズプロフェッショナル協会幹事を務める。外部セミナー講師、コラム執筆、レシピ考案、商品開発&プロモーション、メディア出演。昨今はSDGsの食品ロス削減、エシカル消費、アップサイクルにも繋がるちょっと新しいチーズの楽しみ方「チーズアシェット(R)」を推進中。
著書「チーズ☆マジック おいしい、みんな大好き!ごちそう家ごはん」 (清流出版)

料理教室クオリア主宰 チーズ料理研究家 シュヴァリエ(フランスチーズ鑑評騎士の会) ソムリエ きき酒師

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