元祖パン・ド・ジェーヌ、アンブロワジーに東京で出会う

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かぐわしい神々のお菓子、ガトー・アンブロワジー

元祖パン・ド・ジェーヌ、アンブロワジーに東京で出会う

今では、マドレーヌと言えば、貝殻の形をしたあのお菓子!ととっさに思い浮かべる人のほうが多いと思うが、いわゆる洋菓子店と名乗るお店では、丸い菊型の形の焼き菓子をマドレーヌと呼んで箱詰めにして売っていたりする。しかし、フランスでは、菊型のお菓子は、パン・ド・ジェーヌというお菓子なのだ。それが、いつから、どうして日本ではマドレーヌになってしまったのかは、永遠に謎であるが、そのパン・ド・ジェーヌはきめの細かいアーモンドの香り豊かなとてもリッチなお菓子。パン・ド・ジェーヌは、ジェノヴァのパン、という意味であるが、実はこのお菓子の前身は、アンブロワジーと呼ばれ、つまり神々の食べ物と称されるほどしっとりした神聖な美味しさを表現したお菓子だった。アンブロワジーが生まれたきっかけは、1800年代、パリのサントノレ通りの菓子店「シブースト」のパティシエ、フォーヴェルが、すり鉢ですったアーモンドを焼いたことから始まった。それは天にも届く美味しさであったことから、神聖な食べ物、アンブロワジーと名付けたのである。 今回、私はこの希少なパン・ド・ジェーヌの前身、アンブロワジーに東京で出会うとは思っていなかったのであるが、以前、日本代表として製菓の世界大会にも出場した経歴を持つ「プラネッツ」の山本シェフが、当時の趣を残す形で作っていたのである。はちみつを使ったシェフのアンブロワジーはしっとりと優しい食感だが、その味わいにお菓子の歴史を感じる逸品である。

※掲載情報は 2014/10/30 時点のものとなります。

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キュレーター情報

大森由紀子

フランス菓子・料理研究家

大森由紀子

学習院大学文学部仏文科卒。パリ国立銀行東京支店勤務後、パリのル・コルドン・ブルーで、料理とお菓子を学ぶ。パリ滞在中、ツール・ダルジャン、アンブロワジー、アルページ、フォション、ホテル・ニッコーなどで修業し、ピエール・エルメやジャン・ポール・エヴァンとともに仕事をする。フランスの伝統菓子、地方菓子など、ストーリーのあるお菓子やフランス人が日常で楽しむお惣菜を、メディアを通して紹介している。目黒区祐天寺にてフランス菓子と惣菜教室を主宰。フランスの伝統&地方菓子を伝える「クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ」の理事。「貝印スイーツ甲子園」のコーディネーター、「世界50ベストレストン」の審査員、ル・コルドン・ブルー卒業生代表を務める。毎年、フランスの地方の食を訪ねるツアー、サロン・ド・ショコラツアーを開催。主な著書:「フランス地方のおそうざい」「私のフランス地方菓子」「パリ・スイーツ」「フランス菓子図鑑」など30冊以上。

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