カステラ伝来の時代からの伝統西洋菓子。独特な食感、サクッ幸せ「ビスカウト」

カステラ伝来の時代からの伝統西洋菓子。独特な食感、サクッ幸せ「ビスカウト」

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見た目をいい意味で裏切る文化の味は涙もの

カステラ伝来の時代からの伝統西洋菓子。独特な食感、サクッ幸せ「ビスカウト」

子供の頃、よく父が「これ、お客様にいただいたよ」と言って手土産に持ち帰った老舗の西洋菓子。ビスカウトは、当時からスイーツ激戦時代の現在までずっと愛されて変わらない菓子を出し続けている老舗店のひとつ、馬車道十番館の定番お菓子です。パッケージも変わらず実に愛らしい。

見た目はいたってシンプル。しかし口に入れて一口噛めば、「あ~、違う違う、ありそうでないのね」とわかるはず。メディアの食事リポート(通称食リポ)のシーンでリポーターさんが「口いっぱいに香りが広がります!」なんてよくコメントしていますが、まさに「それそれっ」と言いたくなる食感です。意外にしっかりした歯ごたえですが、硬すぎず、さらに中のクリームが優しいんです。レモン、チョコ、ピーナッツの3種類はどれも捨てがたく、とってもまろやかでビスケットをうまくサポートする感じ。

触れたら、口に入れたら、プロの技に癒されて

カステラ伝来の時代からの伝統西洋菓子。独特な食感、サクッ幸せ「ビスカウト」

商品名のビスカウトは、本来のビスケットの語源なのだそう。西暦1550年といえば、約500年前!!カステラなどと共に伝来した由緒ある伝統西洋菓子。どこか懐かしい、ママの手作りの味みたいですが、素人には無理なこの食感。今でも職人の手作りによって一つ一つ丁寧に作られているそうです。
バタークッキーも、見た目はフツウ(失礼)。こういうタイプは、バターの香りが強く、後味にもバターの香りが残る商品が多いのですが、これまたいい意味で裏切られます。舌の上からバターはスルッと消えます。フレッシュバターを使っているのに、どうしてこんなに軽いのかしら。そしてまた食べたくなる。

飽きない本物のおいしさ。心を込めて作られた味を、心を込めていただく。そんなコミュニケーションが無意識に成立する菓子です。ストレス社会の今だから、強烈な味わいが多い今だからこそ、逆に新鮮。癒されるおいしさといえますね。

※掲載情報は 2015/05/16 時点のものとなります。

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キュレーター情報

小倉朋子

(株)トータルフード代表/トータルフードプロデューサー

小倉朋子

(株)トータルフード代表取締役/亜細亜大学講師/「食輝塾」主宰/日本箸文化協会代表/農水省関東農政局食育推進ネットワーク幹事/ジャパンビアソムリエ協会マナー顧問/(社)エチケット・マナー協会理事

来世も再来世も食の仕事を!生粋の食マニア。トレンド、食文化、お取り寄せ、マナー、ダイエット、食育、伝統食…専門は広く、多角的に食の提案しています。どんなメニューも可能、店舗、食品関連のメニュー開発から一連のフードプロデュース多数。世界の食事マナーと食を総合的に学び生き方を整える「食輝塾」主宰。20年近く一度も同じ内容せず毎月開催を更新中!

●メディア
NHKラジオ番組3年以上レギュラー講師、日テレ「世界一受けたい授業」、テレビ朝日「芸能人格付けチェック」、はなまるマーケットなど出演、新聞、雑誌連載

●著書
『私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない』(文響社)、『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)、『愛される「ひとり店」の作り方』(草思社)、『「いただきます」を忘れた日本人』(アスキー新書)、『グルメ以前の食車マナーの常識』(講談社)ほか、ベストセラー多数

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