ハンガリーの養命酒?18世紀からレシピが変わらない「ウニクム」

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門外不出のレシピ

ハンガリーでは知らない人はいないと言われるお酒があります。そのお酒は200年以上も前に造られて、ずっとレシピも変わらず、そのレシピは門外不出のお酒。

 

今回ご紹介するのは、この「UNICUM(ウニクム)」というお酒です。

ハンガリーの養命酒?18世紀からレシピが変わらない「ウニクム」

ハンガリーの国民的なお酒ではありますが、日本で言う「日本酒」とは違います。日本で近い飲み物は「養命酒」でしょうか。この「ウニクム」が生まれたのは1790年、今から200年以上前にまでさかのぼります。当時、ハンガリー王国はハプスブルク家が統治をしていましたが、時の皇帝ヨーゼフ二世は胃腸が弱かったため、典医のズワックがその治療ために調合した薬用酒が、この「ウニクム」でした。つまり、お酒というよりも薬としての意味合いが強かったのです。ヨーゼフ二世はこの薬用酒をいたく気に入り、「これは素晴らしい、まさに特別なものだ」と言葉にしたそうです。この「特別」という言葉の語源、ラテン語から「ウニクム」という名前がつけられました。その後ウニクムは100年間もの期間、王侯貴族しか口にできない、高価な飲み物でした。ただ19世紀末頃から少しずつ市場に出回るようになり、今ではハンガリーの国中どこでも目にすることができるようになっています。

ハンガリーの養命酒?18世紀からレシピが変わらない「ウニクム」

このような歴史を持つウニクムなので、普通のお酒のような飲み方はしません。まず飲み方としては、冷やしたウニクムをショットグラスに注ぎ、一口で飲み干します。このスタイルが通常です。飲むシーンとしては、お酒を飲みすぎた後、最後の締めの一杯として、また、二日酔いの朝にショットで飲むというのが一番多いシーンです。他には胃腸が弱い方が薬代わりに飲むことありますし、気付け薬として代用することもあります。

今では、ハンガリーのどこでも手に入るようになったウニクムですが、レストランでも必ずメニューとして常備されています。ハンガリーのレストランで飲む際の価格は、日本で言うと生ビール1杯、もしくはグラスワイン1杯くらいの価格でしょうか。

 

肝心の味ですが、苦味は強く、40種類以上の薬草を使っているので非常に複雑な味わいを口に残します。ただ、非常に体が温まってくるので、一度飲むと薬の代用として飲まれているという話に納得がいくはずです。

そして、このレシピは1790年から、一切変わっておらず、そして門外不出となっています。製造もズワック社が一手に行っており、こういった面も日本の養命酒に近いかもしれません。

 

これから年末年始にかけて日本でも「飲む」機会が増えてきます。一瓶ウニクムを家庭に置いておくのもお勧めですよ!

※掲載情報は 2015/11/02 時点のものとなります。

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ハンガリー大使館

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中欧に位置するハンガリーは、アジアに起源をもつ騎馬民族であったマジャル人が良質な牧草地を求め現在の地へ何百年もかけて移動し、定住したユーラシア大陸のもっとも西に住むアジアの民の暮らす国で、もっとも東に住む日本人を尊敬する親日的な人々が多く暮らす国でもあります。首都ブダペストは、ドナウの真珠とたたえられている美しい街で、日本人旅行者から「この街を歩いているだけでいつの間にか微笑がでる」との感想も寄せられました。日本の1/4の国土に9つの世界遺産を始め見所やグルメ、ワイン、温泉、音楽などが凝縮されており、訪れる旅人の五感を満たします。食という多様な切り口で皆様にハンガリーの魅力を存分に知っていただけるよう情報を発信していきます。

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