フランスパン屋の娘、郡山のご当地パン「クリームボックス」と出会う

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たとえパン屋の娘でなかったとしても、きっと食パンは愛してやまないと思う。

 

かねてからのパンブームのなか、圧倒的人気を誇るのが「食パン」。そんなブームの恩恵にあずかり、日本各地の名店がそのラインナップに力を入れています。
シンプルを極める製法だからこそ、その店、ひいては職人のこだわりという名の“つくり癖”がダイレクトにあらわれてくる。だから食パンは楽しい。連日の食パンブームをつたえるメディアを横目にそんな思いを馳せてみるものの、今日はそんな食パンブームの火付け役ともなった、福島は郡山のご当地グルメをご紹介します。

食パンに、クリームをたっぷり塗る。ただそれだけ

フランスパン屋の娘、郡山のご当地パン「クリームボックス」と出会う

みなさんは「クリームボックス」をご存知でしょうか。当方、恥ずかしながらその名前すら認識しておらず、思わず パン屋の娘 というそのよく使う肩書きの取り下げ依頼をippin編集部に連絡するところでした。どうやら、郡山では根強い人気を得るご当地グルメならぬ、ご当地パンだそう。郡山?こちとら専門はフランスじゃ!と強がってみるも、己の勉強不足、やはり悔しさはぬぐいきれない。

 

調べてみれば、1976年に誕生し、食パンのようなものに、ミルクのようなクリームが乗っていること、が定義らしい。ずいぶんふんわりしたカテゴライズだが、興味はある。

 

ここは行動あるのみ。 郡山に詳しい知人に連絡をし、数ある郡山ベーカリ―のなかでも話題のお店を教えてもらい、その店自慢の「クリームボックス」を調達することに成功した。

人気店「石窯工房パンテラス」のクリームボックスを食べてみた

フランスパン屋の娘、郡山のご当地パン「クリームボックス」と出会う

郡山、安積町(あさかまち)にあたらしくオープンした人気ベーカリー「石窯工房 パンテラス」では、常時数種類のクリームボックスを販売しているそう。今回ゲットしたのは、ショコラ、アナナス(パイン)、メープル、ブルーベリーに、プレーンこちらの5種類。どれも食パンがへこむほどにクリームが乗っている。

 

いくらたっぷりのクリームを絞ってみても、食パンをメインにしたアイテムでその味が劣っていては商品としては成り立たない。食パンの美味しさを決める(主観的)要素は、口に入れたときの口内に広がる生地のにおい。その風味をもってして、その生地がどんな材料をもとに捏ねられ、どんな風に扱われそして焼き上げられたか、一瞬で想像がついてしまう、それがパン屋の娘のサガというもの。 と、そんな熱(苦し)い想いはひっそりと胸にしまいこみ、こちら石窯工房パンテラスのクリームボックスをいざ実食してみることに。

フランスパン屋の娘、郡山のご当地パン「クリームボックス」と出会う

一口食べ、よく噛み、そして飲み込む。この一連の動作をもう2~3度ほど繰り返し、一息つく。

 

最初の感想は、「美味しい!」。

 

まずプレーンタイプ、そしてフルーツのコンフィチュールをつかったもの、と順に試食を重ねるも、あっという間にすべてを食べ終わってしまった。

40年間 愛され続ける「クリームボックス」の魅力

フランスパン屋の娘、郡山のご当地パン「クリームボックス」と出会う

クリームボックスが郡山の地に生まれ、40年。こちら「石窯工房パンテラス」でも、クリームボックスは数ある人気商品のなかでも群を抜いて売れていくのだとか。

 

前述したパンの生地のにおいも良い。防腐剤や添加物を加えてしまうとどうしてもパンは不自然な甘みが生まれるが、こちらの食パンはもちろんそんな甘味は一切なく、適度な塩味も感じられる。その塩味が、生地本来が持つ甘さを品よく際立たせることがある。美味しい食パンを使っている。

 

そしてクリームも、美味しい。クリームじたいは甘さ控えめに仕上げてあり、それぞれ素材の味が品よく主張しあっていた。これでひとつ130円前後というプライス。長い間地元民から支持されるわけがよく分かる。高いお金を払えば簡単に美味しいものに出会えるが、手ごろな値段価格で美味しさを維持し、提供しつづけることは、ハードルが高い。それを体現しているのが石窯工房パンテラスのクリームボックスだ。

 

高級食パンに生食パン。次なる流行りの食パンはどんなものが出てくるのか、そのブームは今後も衰えることなく熱気を増していきそうだが、一歩一歩着実にその支持を積み上げてきたそんなローカル食パンに出会い、筆者は心温まるのであった。食パン好きの方にこと、ぜひ召し上がってもらいたい。

※掲載情報は 2017/06/16 時点のものとなります。

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キュレーター情報

藤森もも子

PRコンサルタント

藤森もも子

「美・食・住」を軸に、心地よい暮らしに少しのスパイスとエッジの効いたエッセンス。フランスと日本という対極にある2か国に挟まれて、女性としての美しさ、幸せとは何かを模索中。美味しいもの、美しいもの、楽しいことが好き。パン屋の娘。ランニング、カメラ、車がライフワーク。

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