ほんわりとした口溶けと香ばしいピーナッツ風味に驚愕!「フランクフルタークランツ」

ほんわりとした口溶けと香ばしいピーナッツ風味に驚愕!「フランクフルタークランツ」

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人生の道を決定づけた衝撃の思い出の味!

ほんわりとした口溶けと香ばしいピーナッツ風味に驚愕!「フランクフルタークランツ」

今やその名を全国に轟かす「パティシエ エス コヤマ」さん。
2003年のオープンから13年。
三田に誕生した1軒のパティスリーが、様々なベクトルに細胞分裂を繰り返し、
カフェ「eS LIVING hanare」、コンフィチュール&マカロンブティック「co. & m.」、
ブーランジュリー「es Boulangerie Susumu Koyama Japan」、ショコラトリー「Rozilla(ロジラ)」、さらには子供しか入ることのできないパティスリー「未来製作所」、京都の路地裏と未来を繋ぐ場所をコンセプトにした「小山菓子店」などを同じ敷地内に次々とオープンし、ライブ感溢れるスイーツのテーマパークへと変化を遂げました。
そして現在も、さらに未来に向かって、進化を続けています。

 

約800アイテムが並ぶエスコヤマのお菓子たちの中で、皆さんの頭に真っ先に浮かぶ代表作と言えば、もちろん『小山ロール』ですよね!?
私も年に何回か無性に食べたくなり、百貨店の催事等でも入手させていただいています。
他にも“小山”を冠したお菓子といえば、『小山ぷりん』、『小山チーズ』。
“小山”を名乗るためにはかなり厳しい審査を通らないといけないので、この3兄弟は小山家の顔ともいえるアイテムですね。

 

そして小山ロール同様に不動の人気商品の地位を確立しているのが、小山流バウムクーヘン『思い出の大きな木』。
他にも季節商品も含め、沢山の人気プチガトーや焼き菓子が顔を揃えています。

 

さらに近年はショコラティエとしてのご活躍も素晴らしく、数々のタイトルを手にされている小山進シェフ。
バレンタインシーズンは毎年、『Rozilla(ロジラ)』の新商品のお披露目会が待ち遠しくて仕方ありません。

 

また、人気アイテムがひしめく中なかなかスポットの当たらないブーランジュリーにも、本場フランスのシェフが大絶賛されたというクロワッサンや、人気のクリームパンから、サンドイッチ、トレトゥールにいたるまで魅惑的なアイテムが数多く並んでいます。

 

実はエスコヤマ&ロジラには商品組織図なるものがあり、部長や課長、社員に各アイテムが配されているんですが、この考え方がなんともユニークで小山シェフらしいなぁと感心させられました。

 

こんな風にちょっと思い起こしただけでも、私が好きなアイテムも数限りなくあるのですが、小山シェフご自身にも、実はとても思い入れの深い『隠れた逸品』が沢山おありとのことで、その中の何品かのお話をうかがう機会がありました。
『クグロフサレ・クグロフシュクレ』『カヌレドボルドー』『プラランルージュ』『シフォンケーキ』どれも決して華やかなビジュアルではないんですが、こだわりがたっぷりと詰まった味わい深い逸品揃い。
それらを我が子を愛おしむような眼で見つめ、その子達について熱く語ってくださる小山シェフ。
本当は全てをご紹介させていただきたいところなんですが……。

ほんわりとした口溶けと香ばしいピーナッツ風味に驚愕!「フランクフルタークランツ」

その中でも私が一番心魅かれ、その美味しさに驚いたのが、こちらの『フランクフルタークランツ』。
エスコヤマでは、初めていただくアイテムでした。

 

実はこちらは、小山シェフにとって人生の道を決定づけた思い出のケーキなんだそう。修行するお菓子屋さんを探していた若き日の小山シェフが、神戸の「スイス菓子ハイジ」を見学したときのこと。
帰り際に「お土産」として手渡されたのが、この『フランクフルタークランツ』だったのだそう。

 

お土産としていただいた時は内心、「あぁ、バタークリームのリングケーキかぁ。想像がつくなあ」と思われたという小山シェフ。
でも、一口食べてびっくり。
バタークリームの概念を覆す軽い食感がとても新鮮で美味しかったのです。
その味わいと温かい心遣いに胸を打たれ、「自分が修行すべき店はここだ!」と、「スイス菓子ハイジ」への入社を決意したという、まさに人生の道を決定づけたお菓子だったんです。

ほんわりとした口溶けと香ばしいピーナッツ風味に驚愕!「フランクフルタークランツ」

その想いは、実はパッケージにも刻まれています!

 

左下に描かれた“1983.10.5.”という数字。
これこそがまさに、小山シェフが初めて「スイス菓子ハイジ」と『フランクフルタークランツ』に出会った重要な日付なんです。

 

一体どのくらいのお客様がこの日付に気づかれていたでしょうか?
何かの記念の日? このお菓子が生まれた日?
にしてはエスコヤマのオープンよりも20年も前だし……と不思議に思われていたお客様もいらっしゃるかもしれませんね。

ほんわりとした口溶けと香ばしいピーナッツ風味に驚愕!「フランクフルタークランツ」

『フランクフルタークランツ』という商品名は知らなくても、このバタークリームのリングケーキは、皆さん一度はご覧になったことがありますよね?!
私が子供の頃は、引き菓子といえばコレ!という定番のお菓子でした。
当時はまだバタークリームの美味しさも分からず、普段販売されているお菓子でもなかったので、大人になってからは食べる機会も少なくなっていました。

 

“フランクフルトの王冠”という名をもつこちらは、その名の通りドイツ・フランクフルトで「ケーキと言えばこれ!」というほど愛されてきたお菓子で、日本でも1960年代から1980年代にかけてとても人気があったとのこと。
柔らかい生地に、バタークリームを組み合わせたリング状のケーキで、仕上げにアーモンドシュガーや“クロカン”と呼ばれるキャラメリゼしたナッツをふりかけて真っ白に仕上げるのが特徴です。

 

実は私、分厚いバタークリーム×シュガーという組み合わせがあまり得意ではなく、小山シェフの目の前ということもあり内心ドキドキしながら口に運んだのですが……。
ひと口いただいた瞬間に、初体験の風味と食感にビックリ!!!
ふわふわと口溶けの良い生地は、口に入れた途端にシュガーと一緒にほわりっ!と淡雪のごとく溶け消えてしまう繊細さ。
そして余韻には想像していたものとは異なる香ばしい香りが。
そう、アーモンドではなく、ピーナッツが入っていたんです。
これが初体験の不思議な美味しさで、もうひと口、もうひと口、と伸びる手が止まらなくなってしまいました。

 

ピーナッツというとおつまみのイメージで、お菓子に使われることは少ない素材ですが、ピーナッツのあの独特の香りがこんなにもバターに合うなんて。
でもよく考えたら、ピーナッツバターがあるぐらいですものね。
間違いなく超上質なバターとピーナッツだからこそ、この美味しさになるのだと思いますが。
とにかく、『フランクフルタークランツ』がピーナッツ味だということ、そしてバターとの相性が良く、想像を遥かに超える美味しさだということが衝撃的でした。

 

さらに衝撃は続き、生地とバタークリーム、シュガーが渾然一体となった時、えも言われぬ口溶け感が生まれるんです。
さらさらさら~っと淡雪のように繊細にほどけ、余韻には馥郁たるバターの香りとピーナツの香ばしさ。
一瞬何が起きたのか分からなくなるほどの口福に包まれます。

 

「ハイジ」から受け継いだ伝統を、より日本人好みの洗練された味わいに仕上げたとのことですが、イメージを覆す美味しさとはまさにこのこと。
すぐに、歴代同じクランツを食べていた家族に食べさせたい!という衝動に駆られました。

 

美味しいモノに感動するのはもちろんですが、人って、自分の想像をいい意味で裏切るサプライズな美味しさに出会ったとき、こんなにも心揺り動かされるものなんだなぁと改めて感じました。

 

昔食べたことがあるけど、そういえば最近食べてないなぁ……という方、
このお菓子をよく食べていた世代の方へ、あるいは、まだ食べたことのない世代の方への手土産にも、ぜひお薦めの逸品です!

※掲載情報は 2016/06/26 時点のものとなります。

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キュレーター情報

松本由紀子

スイーツコーディネーター

松本由紀子

スイーツコーディネーター&ライター。

一般雑誌、菓子専門誌、TV、ラジオ、webサイトと多岐にわたり、ライター&コメンテーターとしてスイーツ情報を発信。スイーツ関連メーカーのコンサルティングを務め、商品開発、コラボ商品の企画、マーケティングに携わる。スイーツ講座(定期/単発)の講師も務める。

10名のパティシエの珠玉の一品!を集約したDVD 『Sweets美術館』をプロデュース&出演。
http://www.amazon.co.jp/Sweets美術館-2012-松本由紀子/dp/B00BPJSFF2

百貨店催事やイベントをプロデュースし、「スイーツコーディネーター松本由紀子セレクション」なる冠催事を展開。
*2012年11月~:フランスフェアー@JR大阪三越伊勢丹
*2014年2月:サロン・デュ・ショコラ@JR大阪三越伊勢丹
*2015年2月:アムール・デュ・ショコラ@大阪高島屋
*2015年10月~:松本由紀子セレクション@阪急うめだ本店 

ORIGINE KOBEの広報を務める。
http://r.gnavi.co.jp/ippin/article-2060/

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