脇屋友詞が手がけた北海道の素材を贅沢に使った「小麦麺」と「XO醤」

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脇屋友詞が手がけた北海道の素材を贅沢に使った「小麦麺」と「XO醤」
脇屋友詞が手がけた北海道の素材を贅沢に使った「小麦麺」と「XO醤」

わが家のオクサマは編集者なのですが、今は亡き中国料理の周富徳さんと大変親しい間柄でした。周さんがまだ、聘珍楼の総料理長をしていた時代で、オクサマが編集していた雑誌に良く登場しておりました。この周さんには山ほどのエピソードがあり、本1冊でも書けるくらい面白のです。その中のひとつだけをご紹介します。シチリアへオクサマが周富徳さんと「麺ロード」をテーマにした雑誌の企画で行った時の話です。パレルモで撮影中に雨が降りだしてびしょびしょに濡れたそうです。ホテルに戻り、夕食となりましたが、周さんは時間になってもおりてきません。オクサマは,思い当たる事があり、エレベータの前で待つていたそうです。すると、エレベータが開くと周さんが、ジャージにスリッパ姿で現れたそうです。宿泊先のパレルモのホテルは格式が高く,ダイニングではジャケツト着用なのです。周さんにその格好では食事が出来ませんよと言うと、周さん「雨で靴が濡れて乾かないので気持ちが悪いのでスリッパ履いてきた」と。結局、周さんは、部屋に戻り持参した自分の写真が入っているカップ麺を食べていたそうです。周富徳さん以前にも、中国料理で有名な方々はいましたが、“スター”的な料理人は彼が草分けだと思います。

 

その周さんが「XO醤(ジャン)」を一般にも広めたという話があり。広まった時期に周さんは頻繁に香港と日本を往復してようです。ヌーヴェル・キュィジーヌが世界的に流行し、その流れで中国料理にもヌーヴェル・シノワが擡頭した時期でした。マヨネーズソースを中国料理に持ち込んだのは、周さんが最初でこれも一世を風靡したのです。周さんに続いて中国系の料理人が多く活躍した中で日本人の中国料理の第一人者となったのは、脇屋友詞さんですね。

 

脇屋さんの料理を初めて食べに行ったのは、1994~5年の頃、東京都立川市のリーセントパークホテル総料理長の時代でした。立川に一度も中国で修行したことがない、旨い中国料理を提供する日本人の料理人がいると評判になっていたのです。その後、1996年に『トゥーランドット游仙境』の総料理長に就任し、翌年はパンパシフィックホテル横浜中国料理総料理長も兼務し、2001年には東京・赤坂に『Wakiya一笑美茶樓』(わきや いちえみちゃろう)、「トゥーランドット臥龍居(がりゅうきょ)」をオープン、オーナーシェフになったのです。以前人気の料理対決「料理の鉄人」の最後の方で新鉄人になったのですが、その時に番組が終了し2012年の新しい中華のアイアンシェフとして登場したのも記憶に新しいですね。

脇屋友詞が手がけた北海道の素材を贅沢に使った「小麦麺」と「XO醤」

ここから、いささか個人的なことですが、脇屋友詞さんの料理が好きで店に通っていて、自分の『お手伝いハルコ』の雑誌連載に登場していただいき、脇屋さんの虜料理レシピブックも制作したのです。ついには脇屋さんと私が商品開発のアドバイザーをしている貝印とコラボレーションをして、蒸器、燻製中華鍋、中国包丁、中国茶用の器と一緒に開発までおこなったのです。その脇屋さんの逸品は、彼の生まれ故郷北海道から発信する北海道小麦を使った「小麦麺」と北海道の食材満載の「桜海老と干し貝柱のXO醤」に「おつまみラー油」をご紹介します。

脇屋友詞が手がけた北海道の素材を贅沢に使った「小麦麺」と「XO醤」

脇屋さんの料理の原点はやはり北海道で培われて、優しい調理法で特に香りを重要視しているのです。元々ベースの上海料理は他の広東や北京、四川との違い一番穏やかに料理です。その上海料理をさらに洗練させこれぞ、日本のヌーヴェル・シノワの代表になったのです。北海道産の小麦を使った「小麦麺」はもちもちして優しい食感でスープももったりとした味わいなのです。この「小麦麺」に贅沢に「桜海老と干し貝柱のXO醤」に「おつまみラー油」をダブルトッピングでアクセントに食べるのは旨くて、旨くてたまらないのです。実は「桜海老と干し貝柱のXO醤」は商品化される前に、店で試食させてもらいこれが買えるようになったら嬉しいと思っていたのです。長い間、脇屋さんの料理を見ていますが、本当に素材や新しい調理法の研究に情熱を傾けていてどんどん進歩しているのです。古典的な中国料理からヌーヴェル・シノワを経て、日本人による日本の中国料理の味を取り寄せで食べられるのは素晴らしいことだと思います。

※掲載情報は 2016/12/30 時点のものとなります。

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キュレーター情報

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

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