旬の「秋鯖」に、山奥の酒 福井の『真名鶴』が合う理由

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旬の「鯖」には、なぜか山奥の地酒『真名鶴』のひやおろし

旬の「秋鯖」に、山奥の酒 福井の『真名鶴』が合う理由

鯖が旬を迎える。

なぜ旬が秋なのか。それは秋刀魚や戻り鰹などと同様に、秋から冬にかけて脂がのってくるからだ。しかし、秋だけではなく他の季節に脂がのってくる鯖もいるし、南北に長い日本ゆえに旬が純繰りの訪れるともいえるのだ。だけど、サバを読むわけではないが、やっぱり、秋、この季節に食べたくなるのもまた鯖なのだ。

 

わが故郷福井県の若狭地方は、伊勢志摩、淡路と並び、大昔から朝廷に農作物の献上を許された御食国(みけつくに)のひとつ。若狭でとれた新鮮な鯖を大切に京まで運んだその道を「若狭鯖街道」と呼ぶ。朝廷とは言わず、誰にとっても若狭のとれたての鯖は格別においしいから、京都をはじめとした関西地区では昔から今に至るまでとにかく鯖は大人気なのだ。

旬の「秋鯖」に、山奥の酒 福井の『真名鶴』が合う理由

若狭で食べられるのは「浜焼き鯖」。大きな鯖を一尾ザクリと串にさし、炭火で香ばしく焼く迫力あるスタイル。それをそのままかぶりついてもいいし、生姜醤油で丁寧に上品にいただくのもいい。いずれもかなりの量。

 

この浜焼き鯖に合わせるお酒は、同じ福井でも奥越と呼ばれる山岳地方の城下町、大野の酒。

 

なぜ、海の幸に山の酒か?それには、理由がある。その昔、大野のお殿様は、夏場に重労働で働く農民に対し、殿様の領地である若狭の海で獲れる鯖を食べ栄養をつけることを奨励したのだ。以来、夏の暑い日には焼き鯖をたっぷりと食べるのが、この山奥の町での風習になったのだ。夏の暑い日にあたるのが、夏至から11日目の「半夏生(はんげしょう)」と呼ばれる頃。大野では今でも焼き鯖を「半夏生鯖」と呼ぶ。だから、焼き鯖には大野の酒なのだ。

 

お勧めは「真名鶴」。

 

とくに秋限定の「ひやおろし 晩夏初秋 特別本醸造生詰原酒」。春から冬にできた新酒を一度火入れし、ひと夏蔵の中で寝かせ、秋に生のまま出荷する酒を「ひやおろし」という。寝かせることによって旨味がのりまろやかな味わいになる。秋限定の酒だけあって秋の旬の食事とはピッタリの相性。

 

真名鶴のこのひやおろしは、原酒なのでアルコールが18.5度とやや高め。本来ならひやおろしはヌル燗がお勧めなのだけど、これはオンザロックでいってみよう。鯖の脂分をきれいに洗い流して、スッキリさせてくれるはずだ。お試しあれ。

※掲載情報は 2015/10/03 時点のものとなります。

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キュレーター情報

友田晶子

トータル飲料コンサルタント/ソムリエ

友田晶子

米どころ酒どころ福井県に生まれ。ソムリエとして酒類業界に携わり、ワイン・日本酒・焼酎・ビール・カクテルと幅広く取り扱う。業界25年のキャリアと女性らしい感性を活かし、一般向け・プロセミナー、飲食関連イベントの企画・開催、PR事業アドバイス、輸入業者や酒販店・料飲店・ホテル旅館などプロ向けコンサルティング、観光PR支援等を行っている。各種専門家がガイドを務める人気のインターネット検索サイトAll Abouの日本酒・焼酎・ワインガイド。「わかりやすい説明」には定評がある。公式HP内で連載中の「おいしいラク学講座」では、日本酒や焼酎、ワインやビールやスイーツ、チーズにまつわる役立つコラムとおつまみレシピなどを常時更新中。田崎真也氏オーナー、ワインバー「アルファ」(銀座)代表。「シュヴァリエ・ド・タスト・フロマージュ」(フランスチーズ鑑定騎士団)。 日本料飲ビジネス研究会会長/東京芸術学舎 非常勤講師/ふくい食のアンバサダー・福井ブランド大使/球磨焼酎大使/著書「世界に誇る国酒~日本酒~」が、グルマン世界料理本大賞グランプリ受賞!/日本ロシアフォーラム2014「食と農」パネリスト

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