肉料理にあうオーガニックなIPAビール 岩手の醸造所とリバースプロジェクトが協演

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アンズやモモを思わせるフルーティさに浸れる幸福

「アルコール度数8%のIPA」という言葉から、どんな連想をするでしょうか? 「すごく苦そう」「濃くてしっかりしてそう」「柑橘系の香りが強いかも?」などなど、IPA(*)がお好きな方はとりわけさまざまな想像が膨らむことでしょう。

 

今回ご紹介する「ヨイツギ」は、有機麦芽と有機ホップを使用したオーガニックビール。グラスに注ぐと細やかな泡と共に、オレンジがかった黄金色の液体が現れます。酸味を抑えたアンズのようなフルーティな香りに心躍らせつつ口に含むと、しっかりしたボディながら繊細で柔らかな甘味と、喉元を通り過ぎた後にじんわり残るモモのような香り。まるで果物に包まれたような幸福感に浸った後、ようやく気がつくのです。「あれ、あんまり苦くなくない?」。

 

ビールの苦味は液体を流し込んだ際に舌の両脇でほんのり感じ、喉元を通り過ぎてからジワジワ感じて余韻が残るくらい。それはなぜか。IPAはIPAでも、苦味の強さが特徴の「India Pale Ale」ならぬ、「Iwate Pale Ale」だからです!俳優の伊勢谷友介さんが率いる「株式会社リバースプロジェクト」が企画、国内でオーガニックビールが醸造できる数少ないビール醸造所のひとつ、岩手県一関市にある世嬉の一(せきのいち)酒造に依頼して実現しました。

プロデューサーと醸造家の熱意が形になった

「人類が地球に生き残るため」をテーマにさまざまな社会貢献活動を行うリバースプロジェクト。様々な才能を持ったアーティスト、クリエーター、 プロデューサーが集結していますが、ヨイツギは同社プロデューサーの岡井一貴さんの「オーガニックのクラフトビール、ホップの香りが華やかなIPAが造りたい」という想いからスタートしました(ちなみにプロジェクトスタート当初、伊勢谷さんは『ゴクゴク飲めるすっきりしたラガーがいい!』と主張していたとのこと)。

 

クラフトビールブランド「いわて蔵ビール」を造る世嬉の一酒造へ日帰りの予定で企画を説明に行ったところ、同醸造所代表で醸造家の佐藤航さんと意気投合。おまけにお母様にも引き止められ、佐藤さんのお宅で一晩飲み明かしつつ打ち合わせと親交を深めていったそう。こんなエピソードからも、いかに企画者と造り手の想いが深く、楽しみながら造ったかがよくわかります。

 

ヨイツギの名前の基になったコンセプトは「想いをつなぎ、酔いをつなぎ、仲間をつなぐ」。それを体現するラベルデザインを、リバースプロジェクトのクリエイティブディレクターである上野卓史さんがプロデュースしました。「世代、文化、人種を超えてさまざまな瞬間を祝い、つなぐ存在」の象徴として「握手」をモチーフにしています。

肉料理にあうオーガニックなIPAビール 岩手の醸造所とリバースプロジェクトが協演

ヨイツギはアルコール度数8%だけあってしっかり目のボディで、ジビエをはじめとする肉料理に合うように造られています。が、個人的にはぜひ、まずはヨイツギをそのまま、少なくともボトル半分くらいまでは味わってほしい!!天然酵母と有機麦芽とホップだけで醸し出される柔らかなフルーティさと、優しい苦味の絶妙なバランスは感動ものです。パーティでは会話を楽しみながらいただいたり、ひとりでゆっくりさまざまな「つながり」に想いを馳せながらいただいたり。さまざまなシーンで心を温かくしてくれるんだろうな、そんな印象を持ったビールでした。

 

■ヨイツギ(330ml)
原材料:オーガニックモルト、オーガニックホップ
アルコール度数:8 %
ビアスタイル:IPA(Iwate Pale Ale)
希望小売価格 : 650円 (税別)
*ボトルを世嬉の一酒造オンラインショップで販売中

 

http://shop.sekinoichi.co.jp/products/detail.php?product_id=203

 

*「IPA」とは「インディア ペール エール」の略称で、18世紀に英国で生まれたビアスタイル。当時の植民地、インドへ船で運ぶ際にビールの劣化を防ぐため、殺菌効果のあるホップを大量に使ったことから苦味が強いビールができ、これが人気を博した。クラフトビールの中でも人気のあるビアスタイルのひとつで、IPAを飲んでクラフトビールファンになる人も少なくない

※掲載情報は 2015/08/12 時点のものとなります。

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キュレーター情報

野田幾子

ビアジャーナリスト

野田幾子

ビアジャーナリスト/ビアアンバサダー
ビアコーディネーター
日本ビアジャーナリスト協会副会長

1994年にベルギービール、1996年に国産地ビールの美味しさに目ざめ、周りにクラフトビールの普及活動を開始。2007年にビアバー・ビアパブムック『極上のビールを飲もう!』(エンターブレイン刊)の全体構成、執筆、編集を担う。その後ほぼ毎年シリーズを刊行、2014年4月、6冊目「ビールのある日常をより楽しく」を提案するムック『ビアびより』(KADOKAWA・エンターブレイン刊)刊行、編集長。現在、ビール専門誌『ビール王国』に寄稿、編集担当。

クラフトビール入門者向けの講座を開催。
ビールと料理の組み合わせのスペシャリストであるビアコーディネーター(クラフトビアアソシエーション認定)。

2000年よりライター/エディターとして独立。株式会社コラボトリエ代表。
2010年、日本ビアジャーナリスト協会(JBJA)設立。同副会長。

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